「Mouthwashing」のストーリーおよび時系列について解説。
「Mouthwashing」は宇宙船の閉鎖空間で狂気が蔓延する、選択が運命を左右するサイコホラーゲーム。
プレイヤーを欺く物語と衝撃の結末、後味の悪さが癖になるSFホラー体験型ゲームですが、「Mouthwashing」のストーリーおよび時系列は？
Mouthwashingネタバレ考察｜ストーリー解説
■絶望と狂気の宇宙船漂流記：『Mouthwashing』のストーリー詳細解説
「Mouthwashing」は、宇宙貨物船タルパ号を舞台に、絶望的な状況下でクルーたちの精神が崩壊していく過程を描いたサイコホラーゲームです。以下、ストーリーを詳しく解説していきます。
物語の発端：船長の無理心中未遂と宇宙船の遭難
物語は、タルパ号の船長であるカーリーがクルーたちを道連れに無理心中を図ろうとする衝撃的なシーンから始まります。カーリーは自殺に失敗し、重傷を負ってしまいます。同時に、タルパ号は航路を逸れ、隕石と衝突、宇宙空間を漂流するデブリ状態となってしまいます。
絶望的な状況：減りゆく資源と謎の積み荷
事故から数か月後、タルパ号のクルーたちは、限られた食料や水、酸素などの資源の中で生き延びなければいけないという絶望的な状況に直面します。救助が来る見込みはなく、刻一刻と死が迫る恐怖の中で、彼らの精神状態は徐々に悪化していきます。
そんな中、クルーたちは船内であるものを発見します。それは、彼らが命がけで運搬していた積み荷である、大量の「マウスウォッシュ（口洗浄液）」でした。 「ドラゴンブレス」という銘柄のこの口洗浄液は、糖分が多く殺菌効果は高くないという奇妙な特徴を持っています。クルーたちは、このマウスウォッシュを口にして飢えをしのぐことになりますが、高濃度のアルコールを含むため、次第に精神を蝕まれていきます。
狂気の連鎖：クルーたちの崩壊
マウスウォッシュの影響、閉鎖空間のストレス、そして事故の原因究明といった様々な要因が絡み合い、タルパ号のクルーたちは次々と狂気に陥っていきます。
- ジミー: 船長代理として、カーリーの事故の真相を探るジミーですが、彼自身も精神的に不安定な状態です。やがて、彼が事故の原因を作った張本人であること、そしてアーニャに性的暴行を加え、妊娠させていたことが明らかになります。罪の意識と責任逃れの果てに、彼は破滅的な選択を繰り返していくことになります。
- カーリー: 無理心中未遂の後、重傷を負い、四肢を失い、口もきけなくなってしまったカーリーは、医務室で他のクルーに介護される身となります。彼の視点パートでは、事故以前の出来事や心境が断片的に語られますが、事故後の彼の真意は謎に包まれています。
- アーニャ: 紅一点の船医であるアーニャは、ジミーからの性的暴行と妊娠、そして事故のトラウマに苦しんでいます。他のクルーからの助けも得られず、彼女は最終的に医務室に閉じこもり、自殺を選んでしまいます。
- スウォンジー: メカニックのスウォンジーは、皮肉屋で粗暴な人物ですが、インターンであるダイスケに対しては、厳しくも温かい指導をしています。しかし、事故の後、彼はマウスウォッシュのアルコールに溺れ、再び酒に依存するようになってしまいます。
- ダイスケ: スウォンジーに師事するインターンであるダイスケは、明るく純粋な青年です。 しかし、ジミーの指示で危険な通気口に入ったことで重傷を負い、スウォンジーによって安楽死させられてしまいます。
責任と贖罪：ジミーの選択
物語の終盤、ジミーは唯一稼働する冷凍睡眠ポッドにカーリーを入れ、自らは拳銃で自殺します。彼は、自らの罪の意識にさいなまれ、カーリーを「救う」ことで責任を果たそうとしたのかもしれません。しかし、手足を失い、意思疎通もままならないカーリーにとって、冷凍睡眠は本当に救いと言えるのでしょうか？
ジミーの行動は、自己犠牲というよりも、自己満足、そして責任逃れという側面も孕んでいます。 彼は、最後まで自らの罪と向き合い、真の贖罪を達成することはできなかったと言えるでしょう。
エンディングの解釈：残された謎
「Mouthwashing」のエンディングは、プレイヤーに多くの疑問を投げかけます。ジミーは本当にカーリーを救いたかったのでしょうか？ それとも、彼を冷凍睡眠という形で「罰する」ことを目的としていたのでしょうか？ カーリーの真意、そして冷凍睡眠から目覚めた彼の運命は、プレイヤー自身の解釈に委ねられています。
「Mouthwashing」は、単なるホラーゲームではなく、人間の弱さ、狂気、そして責任と贖罪という重いテーマを扱った作品です。プレイヤーは、ジミーの選択を通して、自らの倫理観、そして人間の心の闇について深く考えさせられることでしょう。
Mouthwashingネタバレ考察｜時系列の解説
■「Mouthwashing」の時系列：複雑に交錯する過去と現在
「Mouthwashing」は、時間軸が複雑に交錯する構成となっており、プレイヤーは断片的な情報から全体像を把握していく必要があります。 ソースから、大 […] に時系列を整理した情報が見つかりますが、詳細な日付や時間までは特定できません。
大きな流れ
- 過去: カーリーが船長を務めていた時代。事故以前のタルパ号での出来事や、クルーたちの背景、人間関係などが断片的に描かれます。
- 現在: ジミーが船長代理を務める時代。事故後のタルパ号での出来事、クルーたちの精神崩壊、そして衝撃的な結末へと物語が進んでいきます。
時系列のポイント
- 衝突以前:
- ジミーとカーリーは長年の友人であり、共にアウトローな生活を送っていた。
- ジミーはカーリーに憧れを抱いていたが、同時に嫉妬心も抱いていた。
- アーニャはジミーから性的暴行を受け、妊娠していた。
- カーリーはアーニャのSOSを見逃し、ジミーの危険性にも気づかなかった。
- ポニー運送からクルー全員に解雇通知が届く。
- カーリーは解雇通知をクルーに伝える。
- ジミーはアーニャから妊娠を告げられる。
- ジミーはカーリーと口論になり、「俺が何とかする」と言い残してコックピットへ向かう。
- ジミーは故意にタルパ号を小惑星に衝突させる。
- 衝突直後:
- カーリーは衝突事故で重傷を負い、四肢と話す能力を失う。
- ジミーは船長代理となる。
- アーニャはカーリーから銃を隠す。
- 衝突から2ヶ月後:
- 残りの食料は4ヶ月分と推測される。
- クルーたちは貨物室に大量のマウスウォッシュを発見する。
- マウスウォッシュに含まれるアルコールの影響で、クルーたちの精神状態は悪化していく。
- アーニャはジミーとの間に生まれた子供について、スウォンジーに相談する。
- スウォンジーは冷凍睡眠ポッドの存在を隠し、ダイスケに使うつもりでいる。
- 衝突から数ヶ月後:
- 「審判の日」と呼ばれる、物語のクライマックスが始まる。
- アーニャは医務室に立てこもり、鎮痛剤を大量に飲んで自殺する。
- ダイスケは通気口を通ってアーニャを助けようとするが、重傷を負う。
- ジミーはダイスケの傷口にマウスウォッシュをかけるが、効果はなく、ダイスケの苦しみは増すばかりとなる。
- スウォンジーは苦しむダイスケを斧で殺害し、安楽死を与える。
- ジミーはスウォンジーを殺害する。
- ジミーはカーリーに自分の脚を食べさせる。
- ジミーはカーリーを冷凍睡眠ポッドに入れ、自身は拳銃自殺をする。
時系列の曖昧さ
いくつかの出来事の正確な日付や時間、前後関係が明確に示されていません。
例えば、アーニャがジミーに妊娠を告げたのは、解雇通知が届く前なのか後なのか、明確ではありません。 また、アーニャがスウォンジーに相談した時期と、ダイスケが事故で重傷を負った時期の前後関係も、はっきりとはわかりません。
非線形な構成が生み出す効果
「Mouthwashing」の非線形な構成は、プレイヤーに以下のような効果をもたらします。
- ミステリー性: 断片的な情報から全体像を推測していくことで、ミステリー小説のような謎解き要素が生まれます。
- 心理描写の深化: 過去と現在を行き来することで、登場人物たちの心の葛藤や変化をより深く理解することができます。
- 衝撃的な展開: 物語の終盤で明らかになる真実は、時系列が複雑に交錯しているからこそ、より大きな衝撃を与えます。
「Mouthwashing」の時系列は、プレイヤーを物語に引き込み、深く考えさせるための重要な要素の一つとなっています。
Mouthwashingネタバレ考察｜キャラクター解説
「Mouthwashing」は、個性的な乗組員たちが登場し、極限状態における人間模様が描かれる作品です。 過去の会話や提供されたソースから、各キャラクターの人物像と関係性を詳しく解説していきます。
ジミー：野心と嫉妬に駆られた船長代理
ジミーは、タルパ号の副操縦士であり、カーリーが重傷を負ったため、代理として船長を務めることになります。 彼は野心家で、カーリーに対して憧れを抱いていたと同時に、強い嫉妬心も抱いていました。
ジミーは、物語開始時から情緒不安定で自己中心的です。 アニメ絵の馬に性的興奮を覚えるなど、独特な性的嗜好の持ち主でもあります。
- 事故以前: ジミーはアーニャに性的暴行を加え、妊娠させていました。 また、アーニャに対してセクハラ発言を繰り返すなど、女性蔑視的な言動が目立ちます。
- 事故後: ジミーは自らの保身のために、事故の責任をカーリーになすりつけます。 船長代理として振る舞いますが、責任感やリーダーシップに欠け、事態は悪化の一途を辿ります。 スウォンジーやダイスケを死に追いやってしまうなど、彼の行動は破滅的な結果をもたらします。
- 物語終盤: 罪の意識にさいなまれたジミーは、カーリーを冷凍睡眠ポッドに入れ、自らは拳銃自殺を選びます。 これは自己犠牲のように見えますが、自己満足や責任逃れの側面も孕んでいると言えるでしょう。
カーリー：謎多き船長、その真意は？
カーリーは、タルパ号の船長であり、ジミーとは長年の友人関係にあります。 事故以前は、クルーたちから慕われる、頼りになる存在として描かれています。
- 事故以前: アーニャのSOSを見逃したり、ジミーの危険性を見抜けなかったりと、リーダーとしては未熟な面もあったようです。
- 事故: ジミーが故意に起こした衝突事故により、カーリーは重傷を負い、四肢を失い、話す能力も失ってしまいます。 その後は医務室で他のクルーに介護される身となります。
- 事故後: カーリーの真意は、物語を通して謎に包まれています。 ジミーの妄想の中では、カーリーは発言しますが、それが彼の真の意思なのかは定かではありません。 「How Fish Is Made」との関連性を考えると、カーリーは聴覚も失っている可能性があり、事故後はジミーたちの言葉を理解できていなかったという解釈も成り立ちます。
アーニャ：苦悩と葛藤を抱える船医
アーニャは、タルパ号の紅一点の船医です。 優しく思いやりのある性格ですが、ジミーからの性的暴行と妊娠、そして事故のトラウマに深く傷ついています。
- 事故以前: アーニャはジミーに性的暴行を受け、妊娠していました。 彼女はカーリーに助けを求めようとしますが、真剣に取り合ってもらえず、失望します。 ジミーとカーリーの両方から銃を隠すなど、自らを護衛しようと行動します。
- 事故後: アーニャはジミーとの間に生まれた子供について、スウォンジーに相談します。 しかし、他のクルーからのサポートは得られず、孤独と絶望に苛まれ、最終的に医務室に閉じこもり、鎮痛剤を大量に飲んで自殺してしまいます。
スウォンジー：皮肉屋だが責任感の強いメカニック
スウォンジーは、タルパ号のメカニックです。 皮肉屋で粗暴な面もありますが、インターンであるダイスケに対しては、厳しくも温かい指導をしています。 長年禁酒していましたが、事故後はマウスウォッシュのアルコールに溺れ、再び依存してしまいます。
- ダイスケとの関係: スウォンジーは、ダイスケのことを息子のように思っており、彼の成長を願っていました。 ダイスケが重傷を負った際には、苦しみから解放するために、自ら斧で殺害するという苦しい決断を下します。
- ジミーとの対立: スウォンジーは、ジミーの無責任で自己中心的な行動を非難し、対立します。 特にダイスケの死後、スウォンジーはジミーに対して強い怒りを抱き、殺害しようと試みます。
ダイスケ：純粋で真面目なインターン
ダイスケは、スウォンジーに師事するインターンです。 明るく純粋で、真面目に仕事に取り組む青年です。 スウォンジーを尊敬しており、彼の指導を熱心に聞き入れます。
- 悲劇的な運命: ダイスケは、ジミーの指示に従って危険な通気口に入ったことで重傷を負ってしまいます。 医療品不足のため適切な治療を受けられず、苦しみながら衰弱していくことになります。 最終的には、スウォンジーによって安楽死を与えられます。
「Mouthwashing」は、極限状態の中で、それぞれのキャラクターが複雑な葛藤を抱え、崩壊していく様子が描かれています。 ソースだけでは、彼らの行動や心理の全てを理解することはできません。 しかし、断片的な情報をつなぎ合わせ、想像力を働かせることで、より深く物語を理解することができるでしょう。
