「ルックバック」で藤野の部屋の本棚に同じ漫画の同じ巻が複数冊あるシーンについて。
藤本先生がかいた「ルックバック」についてですが、藤野がかいたシャークキックが11巻だけ異様な多さなのは何か意味があるのでしょうか?
ルックバック考察wiki|本棚になぜ同じ漫画の同じ巻が何冊もある?
「ルックバック」で藤野の部屋の本棚に同じ漫画の同じ巻が複数冊あるシーンは、彼女が漫画家として成功し、作品が重版されていることを示しています。
出版社には、新しい版が出るたびに著者に見本として贈る習慣があります。 ですから、藤野の部屋の本棚にある同じ巻の複数冊は、彼女の漫画『シャークキック』が人気を集め、版を重ねていることを視覚的に表現しています。
また、京本の部屋の本棚にも、藤野の漫画『シャークキック』の同じ巻が複数冊置かれているシーンがあります。
これは、京本が藤野の作品のファンであり、重版されるたびに購入していたことを示唆しています。 彼女は藤野の漫画を応援するために、同じ巻を何冊も購入していたのかもしれません。
ルックバック考察wiki|映画と原作漫画の違い
なお、このシーンは、映画版では原作漫画から少し変更が加えられています。 原作漫画では、アニメ化が決まった後に急に版数が増えたように描かれていましたが、劇場アニメ版では徐々に版数を増やしている描写に変更されています。 この変更により、藤野が漫画家として少しずつキャリアを重ねていったことがより強調されています。
これらのシーンは、藤野の漫画家としての成功と、京本からの変わらぬ応援を象徴的に示しており、二人の関係性の深さを表現しています。
ルックバックのストーリー解説
「ルックバック」は、藤野と京本という二人の少女の物語です。小学校時代、藤野は学級新聞に漫画を連載し、クラスメイトから賞賛されていました。しかし、不登校の京本が描いた漫画の才能に衝撃を受け、藤野は漫画を描くことを諦めてしまいます。
小学校卒業の日、藤野は先生に頼まれ、京本に卒業証書を渡しに行きます。そこで京本から「ずっとファンだった」と告げられ、藤野は再び漫画を描く意欲を取り戻します。二人は共に漫画を描き始め、「藤野キョウ」というペンネームで作品を発表するまでになります。
高校卒業後、京本は美大に進学し、藤野は一人で漫画家としての道を歩み始めます。藤野の漫画『シャークキック』は人気を集め、単行本は重版を重ねていきます。京本は、藤野の漫画を応援するため、重版されるたびに同じ巻を何冊も購入していました。
しかし、京本は美大で起きた殺人事件に巻き込まれて命を落としてしまいます。深い悲しみに暮れる藤野でしたが、京本の部屋で見つけた彼女の作品から、京本がずっと自分の漫画を応援してくれていたことを知ります。
藤野は、京本との思い出を胸に、再び漫画を描き始めます。 ラストシーンでは、藤野が漫画を描き続ける様子が描かれ、京本の存在が藤野の創作の原動力となっていることが示唆されています。
映画版では、藤野と京本が出会わなかったパラレルワールドも描かれています。そこでは、京本は通り魔に襲われそうになりますが、別の世界線の藤野が彼女を救います。このシーンは、現実世界で起きた京アニ放火殺人事件を想起させるものとして、物議を醸しました。
「ルックバック」は、友情、才能、喪失、そして創作の苦悩を描いた感動的な物語です。京本は、藤野にとってかけがえのない存在であり、彼女の死は藤野の人生に大きな影を落としました。しかし、京本の存在は、藤野が漫画家として、そして人間として成長する上で大きな支えとなりました。