「Why is a raven like a writing desk(カラスと書物机はなぜ似てる?)」意味について。
“不思議の国のアリス”の台詞で「カラスと机が似ているのはなぜ?」というものがありますが、これはどういう意味なのでしょうか?
カラスと書物机はなぜ似てる?不思議の国のアリスなぞなぞ答え
■カラスと書物机の謎
「カラスと書物机が似ているのはなぜか?」という問いは、ルイス・キャロルの小説『不思議の国のアリス』に登場する有名ななぞなぞです。 帽子屋がアリスにこのなぞなぞを出すのですが、作中では答えは明かされません。 実は、作者のキャロル自身も当初は答えを用意していなかったそうです。
カラスと書物机はなぜ似てる?作者による解答
キャロルは、1896年版の『アリス』の序文でいくつかの解答を提示しました。
- どちらも少しばかりの”note”(鳴き声、覚え書)が出せますが、非常に”flat”(平板、退屈)なものです。
- そして、どちらも前と後を間違えることは決して(nevar)ありません!
この”nevar”は、”raven”(カラス)のつづりを逆から読んだもので、キャロルの言葉遊びです。 しかし、後の版では”never”に修正されてしまい、駄洒落は失われてしまいました。
他の解答例
パズル作家のサム・ロイドも、以下のような解答を提示しています。
- どちらで出される”note”も”musical notes”(旋律、音符)ではない。
- どちらもポーがそれに拠って書いた。 これは、エドガー・アラン・ポーの詩『大鴉』を指していると考えられます。
- どちらも”bill”(嘴、勘定書)と”tale”(尻尾、物語)をその特性として含んでいる。
- どちらも”leg”(足、支柱)に支えられており、”steals”(窃盗)(”steels”(鉄鋼株))を秘密にして、”shut up”(黙らせる、閉め切らせる)させるためのものである。
その他にも、ガードナーの注釈本には多くの解答例が紹介されています。
カラスと書物机はなぜ似てる|謎かけの真意
結局のところ、このなぞなぞに明確な正解はありません。 帽子屋は不条理と非現実の世界の住人であり、彼の出す謎かけもまた、論理や意味を超越したナンセンスを楽しむためのものです。
様々な解釈が可能であること、そして明確な答えがないことこそが、この謎かけの魅力と言えるでしょう。
「カラスと書物机の謎」は、言葉遊びや論理を超えたナンセンスな世界へと読者を誘う、まさに『不思議の国のアリス』らしいエピソードです。
まとめ:Why is a raven like a writing desk(カラスと書物机はなぜ似てる?)
「Why is a raven like a writing desk? (なぜカラスは書き物机に似ているのですか?)」は、ルイス・キャロルの小説『不思議の国のアリス』に登場する有名ななぞなぞ。
この謎かけは、帽子屋がアリスに投げかけるもので、作中では答えが明かされず、読者の間で様々な解釈が生まれました。
■作者自身による解答
当初、作者のルイス・キャロル自身もこの謎かけに答えを用意していませんでした。 しかし、後に1896年版の『アリス』の序文で、いくつかの解答を提示しています。
その解答の一つが、「どちらも少しばかりの“note”(鳴き声、覚え書)が出せますが、非常に “flat”(平板、退屈)なものです。そして、どちらも前と後を間違えることは決して(nevar)ありません!」 というものです。
この解答は言葉遊びを巧みに用いています。
- “note” はカラスの「鳴き声」と、机の上で書かれる「覚え書き」の両方の意味を持ちます。
- “flat” はカラスの鳴き声の「平板さ」と、机の上で書かれる文章の「面白みのなさ」の両方の意味を持ちます。
- “nevar” は “never” のスペルミスではなく、”raven” を逆から綴ったもので、カラスを逆さまに置いてはいけない、つまり前後は決まっているという意味を含んでいます。 しかし、後の版では “never” に修正されてしまい、この言葉遊びは失われてしまいました。
■他の解答例
キャロル自身による解答以外にも、様々な解答例が提案されています。
- パズル作家のサム・ロイドは、「なぜならば、どちらで出される“note”も“musical notes”(旋律、音符)ではない」、「どちらもポーがそれに拠って書いた」、「どちらも“bill”(嘴、勘定書)と“tale”(尻尾、物語)をその特性として含んでいる」、「どちらも“leg”(足、支柱)に支えられており、“steals”(窃盗)(“steels”(鉄鋼株))を秘密にして、“shut up”(黙らせる、閉め切らせる)させるためのものである」 などの解答を提示しています。
- また、「どちらもポーがそれに拠って書いた」 という解答は、エドガー・アラン・ポーの作品、特に詩『大鴉』を指していると考えられています。
■謎かけの真意
結局のところ、このなぞなぞに明確な正解はありません。 帽子屋自身、不条理と非現実の世界の住人であり、彼の出す謎かけもまた、論理や意味を超越したナンセンスを楽しむためのものです。
様々な解釈が可能であること、そして明確な答えがないことこそが、この謎かけの魅力と言えるでしょう。
■別の視点からの解釈
興味深いことに、別の作品である『鏡の国のアリス』に登場するカラスの謎かけとの関連性も指摘されています。
『鏡の国のアリス』では、「カラス(crow)と小夜啼鳥(nightingale)はなぜ似ている?」 という謎かけが登場します。 この謎かけに対する解答は、「どちらも「夜」に似ている」 というもので、カラスは見た目が夜のように黒く、小夜啼鳥は夜に鳴くことから、どちらも夜を連想させるというわけです。
この謎かけと『不思議の国のアリス』の謎かけを並べてみると、「似ている理由」の一方が視覚、もう一方が聴覚であるという対比が見えてきます。
つまり、『不思議の国のアリス』の謎かけは、カラスの「鳴き声」と書き物机の「見た目」の類似性を暗示しているとも解釈できるのです。