YouTubeのコメント欄で見かけるチェーンメールについて
最近、YouTubeのコメント欄やTikTokで、
「このコメントをコピーして他の動画のコメントに投稿しなければ5年以内に両親が亡くなります」
といった内容のチェーンメールを見かけることがあります。
特に、中国語に翻訳されたものが拡散されているようで、ご心配されているのですね。
お気持ち、とてもよく分かります。
まず、結論から申し上げると、そのようなコメントが原因でご両親が亡くなることは絶対にありません。
断言できます。
ご安心ください。
しかし、なぜこのようなチェーンメールが、今もなお形を変えて存在し続けるのでしょうか。
そして、私たちはどうすれば、この不安の連鎖を断ち切ることができるのでしょうか。
tiktokコメントの中国語チェーンメールの例
翻訳しないでね
如果你讀了這篇評論,你的父母將在五年內去世。爲了擺脫這個詛咒,你需要複製它並將其粘貼到另外五個視頻中 我只是受害者
チェーンメールの構造と影響
チェーンメールとは、受信者に対して、他の人への転送を促すメールのことです。
特に、巧妙な文面を用いて受信者に不特定多数への転送を促すものを指します。
その歴史は古く、1922年には「幸運の手紙」として日本で流行し、その後「不幸の手紙」へと形を変え、現代ではSNSや動画サイトのコメント欄にまでその姿を現しています。
チェーンメールの目的は、まさにその名の通り「連鎖」を作り出すこと。
受信者に恐怖や不安を抱かせ、「誰かに伝えなければ」という心理状態に追い込むのです。
今回のケースでは、
「5年以内に両親が亡くなる」
という強烈な脅迫文句が使われています。
これは、受信者の親を思う気持ちを逆手に取った、非常に悪質な手口と言えるでしょう。
さらに、翻訳しないでねとすることで、
「海外でも流行しているのかも」
「翻訳しないと呪いが解けないのかも」
といった誤解を生み、不安を増幅させる可能性があります。
しかし、翻訳された内容は、多くの場合、元の文章からさらに誇張されていたり、意味が歪められていることも少なくありません。
なぜ転送してはいけないのか?
チェーンメールを転送することは、単なる迷惑行為にとどまらず、以下のような問題を引き起こす可能性があります:
- 誤った情報の拡散: チェーンメールの内容は、デマや不確かな情報であることが多いです。
それを拡散してしまうことで、社会に混乱を招く可能性があります。 - 個人情報の流出: チェーンメールの中には、個人情報を聞き出そうとする悪質なものも存在します。
- ネットワークへの負荷: 大量のチェーンメールが送信されることで、サーバーに負荷がかかり、通信速度が遅くなることがあります。
- 精神的な苦痛: 脅迫的な内容のチェーンメールは、受信者に大きな精神的苦痛を与えます。
最も重要なことは、チェーンメールの被害者は、転送しなかった人だけだということです。
あなたが転送しなければ、そこで連鎖は止まり、新たな被害者を生むことはありません。
どうすれば不安を解消できるのか?
チェーンメールを受け取って不安になった時、どうすれば良いのでしょうか。
いくつか具体的な対策をご紹介します:
- 無視する:
これが最も効果的な対策です。
チェーンメールは、反応すればするほど、送り手の思うつぼです。
冷静に無視することが大切です。 - 誰かに相談する:
一人で悩まず、家族や友人、信頼できる大人に相談してみましょう。
誰かに話すことで、気持ちが楽になることがあります。 - 迷惑メール相談センターに転送する:
日本データ通信協会が運営する迷惑メール相談センターでは、チェーンメールの転送先アドレスを提供しています。
どうしても不安な場合は、ここに転送することで、連鎖を断ち切ることができます。 - 情報を検索する:
チェーンメールの内容をインターネットで検索してみましょう。
多くの場合、すでに注意喚起の情報が出回っています。
客観的な情報を得ることで、冷静な判断ができるようになります。 - 公式アカウントに送りつける:
LINEでしかできない方法として、LINE関係の公式アカウントに「こういうチェーンLINEがきたので、情報として送ります」として送ると、注意喚起もしてもらえるので良いかもしれません。
YouTubeコメント欄への対処法
YouTubeのコメント欄にチェーンメールが書き込まれている場合、運営に通報することもできます。
不適切なコメントとして報告することで、削除される可能性があります。
また、他の人が不安にならないよう、
「これはチェーンメールです」
「嘘の情報なので信じないでください」
といった注意喚起のコメントをするのも有効です。
最後に
インターネットは、便利なツールであると同時に、様々な危険が潜んでいます。
チェーンメールはその中でも、比較的古くから存在する脅威の一つです。
しかし、その手口は巧妙化し、SNSや動画サイトなど、新たな媒体にまで広がっています。
大切なのは、情報を鵜呑みにせず、常に疑いの目を持つことです。
そして、不安を感じたら、誰かに相談すること。
決して一人で抱え込まず、周りの人に頼ってください。
今回の件で、少しでもあなたの不安が解消されたなら幸いです。
そして、この情報が、他の誰かの助けになることを願っています。