ソニーのα1 II、キヤノンのEOS R1について。
高画素、高速連写、AF性能、動画機能などのスペック比較に加え、ソニーα1 IIとキヤノンEOS R1各機種の長所・短所、価格、市場における競争状況などについてまとめています。
ソニーα1 IIとキヤノンEOS R1性能を比較・評価!どっちがおすすめ?
ソニーα1 IIとキヤノンEOS R1は、どちらも各社を代表するフラッグシップミラーレスカメラです。それぞれのカメラの性能を詳細に比較・評価し、どのようなユーザーに適しているのか考察していきます。
画素数と連写性能
- ソニーα1 II: 有効約5010万画素、電子シャッターで最高約30コマ/秒の高速連写が可能。解像度と高速連写性能を両立させているのが特徴です。
- キヤノンEOS R1: 有効約2420万画素、電子シャッターで最高約40コマ/秒の超高速連写が可能。α1 IIよりも画素数は少ないですが、より高速な連写性能を実現しています。
評価: スポーツや動物などの動体撮影を重視するなら、連写性能に優れたEOS R1が有利です。一方、風景など静止画の高解像度を重視するなら、α1 IIが優位となります。
オートフォーカス (AF) 性能
- ソニーα1 II: AIによるリアルタイムのオートフォーカス精度が向上し、人物の瞳認識性能は従来機種と比べて最大で3割、鳥は5割向上しました。自動車や電車、飛行機といった乗り物や虫も的確に追尾し続けるとしています。
- キヤノンEOS R1: 新世代のAFシステム「デュアルピクセル Intelligent AF」を採用し、縦線検出と横線検出のクロスAFにも対応。人物、動物(犬、猫、鳥、馬)、乗り物(モータースポーツ:車/バイク、鉄道、飛行機)の被写体検出に対応し、特定の人物を優先して検出・追尾する「登録人物優先」も搭載しています。
評価: どちらも優れたAF性能を備えていますが、特にEOS R1は動体撮影に特化したAFシステムを搭載し、高い評価を受けています。 α1 IIもAIを活用したAFで進化していますが、具体的な性能差は実写レビューなどを待つ必要があります。
動画性能
- ソニーα1 II: 8K 30p記録が可能で、8.6Kからのオーバーサンプリング。4Kは120pまで対応しています。動画の内部RAW収録には対応していません。
- キヤノンEOS R1: 6K 60p、4K 120pの動画撮影が可能で、4Kはオーバーサンプリングで高画質。動画の内部RAW収録にも対応しています。
評価: 動画性能では、8K 60p RAW撮影が可能なキヤノンEOS R5 Mark IIやニコンZ8、内部RAW収録に対応するEOS R1がα1 IIよりも優位です。α1 IIは動画性能に関しては大きな進化が見られず、8K 60pやRAW撮影に対応していない点は、動画撮影を重視するユーザーにとっては物足りなさを感じます。
その他の機能
- ソニーα1 II: シャッターを切る最大1秒前まで遡って画像を残せる機能、ボディ内手ブレ補正、ピクセルシフトマルチ撮影などを搭載。α9 IIIと同じボディを採用し、モニターは便利なマルチアングルに対応しています。CFexpress Type-Aメモリーカードを採用しています。
- キヤノンEOS R1: 視線入力AF、カメラ内アップスケーリング、動画撮影中の静止画記録などを搭載。堅牢性が高く、防塵防滴構造も備えています。CFexpress Type-BメモリーカードとSDカードのデュアルスロットを採用しています。
評価: α1 IIは多機能で、特にプリ連写やダイナミックアクティブ手振れ補正など、Sonyの最新技術が詰まっています。EOS R1は視線入力AFやカメラ内アップスケーリングなど、独自の機能が魅力です。
価格
- ソニーα1 II: 市場推定価格99万円
- キヤノンEOS R1: 直販価格108万9000円
評価: どちらもプロ向けのフラッグシップ機であり、価格帯も100万円前後と高額です。性能差を考慮すると、ニコンZ9やZ8、キヤノンEOS R5 Mark IIの方がコストパフォーマンスに優れていると言えるでしょう。
ソニーα1 IIの性能を評価
ソニーα1 IIは、2024年11月19日に発表されたソニーのフラッグシップミラーレスカメラです。高画素と高速連写性能を両立させたオールラウンダーとして、プロフェッショナルからハイアマチュアまで幅広いユーザーをターゲットにしています。
基本性能
- 有効画素数: 約5010万画素
- センサー形式: 積層型CMOSセンサー
- 常用ISO感度: ISO100-32000 (拡張ISO50-102400)
- 最高連写速度: 電子シャッター時: 最高約30コマ/秒、メカシャッター時: 最高約10コマ/秒
- シャッター速度: 電子シャッター: 1/32,000秒 – 30秒、メカシャッター: 1/8000秒 – 30秒
- 手ブレ補正: 中央8.5段、周辺7.0段の光学式5軸ボディ内手ブレ補正
- ファインダー: 約944万ドット、倍率約0.9倍、有機ELファインダー
- 液晶モニター: 3.0型 4軸マルチアングル液晶モニター、約144万ドット
- 記録メディア: CFexpress Type Aメモリーカード×2 (SDカード兼用)
- サイズ: 約136.1(幅)×96.9(高さ)×82.9(奥行)mm
- 重量: 約743g (バッテリーとメモリーカードを含む)
静止画撮影性能
α1 IIは、高解像度、高感度・低ノイズ性能、広いダイナミックレンジを両立させた高画質を実現しています。
- 高解像度: 約5010万画素の圧倒的な解像度により、高精細な描写が可能です。APS-Cモードでも約2100万画素の高解像度を維持します。
- 高感度・低ノイズ性能: 裏面照射型センサー、ギャップレスオンチップレンズ構造、ARコートなど、ソニーのイメージセンサー技術を結集し、常用ISO感度100-32000を実現。高感度でもノイズを抑えたクリアな画質を実現しています。
- 広いダイナミックレンジ: 約15ストップの広いダイナミックレンジにより、白飛びや黒つぶれを抑えた、自然な階調表現が可能です。
さらに、以下の機能を搭載しています。
- ピクセルシフトマルチ撮影: 16枚の画像を合成することで、約1億9900万画素の超高解像画像を生成できます。色モアレや輝度モアレの発生も抑制し、高精細かつ正確な色再現を実現します。
- ノイズ低減用撮影設定: 複数枚のRAW画像を連写撮影し、合成することで、中高感度でもノイズを抑えた高画質な画像を生成できます。
- ロスレス圧縮RAW: 画質劣化を抑えつつファイルサイズを削減できるロスレス圧縮RAWに対応し、多くの枚数を撮影可能です。
オートフォーカス (AF) 性能
α1 IIは、AIを活用したリアルタイム処理により、AF精度が大幅に向上しています。
- 被写体認識: 人物、動物(鳥、犬、猫、昆虫)、乗り物(車、電車、飛行機)など、様々な被写体を高精度に認識します。
- 瞳AF: 人物の瞳認識性能は従来機種と比べて最大で3割、鳥は5割向上しています。
- トラッキングAF: 動く被写体にも粘り強く追従し、高精度にピントを合わせ続けます。
動画撮影性能
α1 IIは、8K 30pの動画撮影に対応しています。 8.6Kからのオーバーサンプリングにより、高画質な映像を実現しています。 4K動画は120pまで対応し、スローモーション撮影も可能です。
その他の機能
- プリ連写: シャッターボタンを押す最大1秒前から記録を開始できるため、決定的な瞬間を撮り逃しません。
- ダイナミックアクティブ手ブレ補正: ジンバルのような滑らかな動画撮影を可能にする強力な手ブレ補正機能です。
- オートフレーミング: AIが被写体を自動で追尾し、フレーミングを調整します。動画撮影時に便利です。
- 2.5GBASE-T有線LAN: 高速なデータ転送が可能で、プロのワークフローを効率化します。
評価
α1 IIは、高画素、高速連写、高精度AF、強力な手ブレ補正など、ソニーの最新技術を結集した高性能なミラーレスカメラです。静止画撮影においては、高画質と多機能さで、プロフェッショナルの要求にも応えることができます。
しかし、動画性能に関しては、8K 60pやRAW動画撮影に対応していない点は、競合機種と比較して見劣りします。動画撮影を重視するユーザーは、ニコンZ9やZ8、キヤノンEOS R5 Mark II、EOS R1なども検討する必要があるでしょう。
価格
α1 IIの市場推定価格は99万円です。 高性能なフラッグシップ機ですが、価格も高額です。予算と相談しながら、購入を検討する必要があるでしょう。
キヤノンEOS R1の性能を評価
キヤノンEOS R1は、キヤノン初のフルサイズミラーレスフラッグシップ機として、報道やスポーツなどのプロフェッショナル用途を想定した、高性能なカメラです。 主な特徴は以下の点が挙げられます。
高速・高精度なオートフォーカス
EOS R1は、ディープラーニング技術を活用した新世代のAFシステム「デュアルピクセル Intelligent AF」を搭載し、高速かつ高精度なオートフォーカスを実現しています。
- 縦線検出と横線検出を組み合わせたクロスAFにも対応しており、複雑な被写体やシーンでも正確にピントを合わせることができます。
- 人物、動物(犬、猫、鳥、馬)、乗り物(モータースポーツ:車/バイク、鉄道、飛行機)など、さまざまな被写体を検出し、追尾することができます。
- 特定の人物を登録しておき、優先的に検出・追尾する「登録人物優先」機能も搭載しています。
- AFエリアでAFを開始した後に画面全域で追尾を続ける「サーボAF中の全域トラッキング」機能も便利です。
- これらの機能により、動きの速い被写体でも、高い精度でピントを合わせ続けることができます。
超高速連写
EOS R1は、電子シャッター時に最高約40コマ/秒の超高速連写を実現しています。 メカシャッター/電子先幕時は最高約12コマ/秒です。
- 高速連写時でもAFは正確に追従し、被写体を逃すことなく撮影できます。
- 電子シャッター使用時に発生するローリングシャッター歪みも大幅に抑制されており、メカシャッターと同等に使えるレベルです。
高画質
EOS R1は、有効約2420万画素の裏面照射積層CMOSセンサーを搭載し、高画質を実現しています。
- 高感度ノイズ性能にも優れ、暗いシーンでもノイズを抑えたクリアな画像が得られます。
- 最新の画像処理エンジン「DIGIC X」との組み合わせにより、高画質と高速処理を両立しています。
- 撮影画像を4倍にアップスケールする「カメラ内アップスケーリング」機能や、ノイズを低減する「ニューラルネットワークノイズ低減」機能も搭載しています。
高性能なEVF
EOS R1は、約944万ドット/0.64型の有機ELデバイスを採用した、高性能な電子ビューファインダー(EVF)を搭載しています。
- 倍率は0.9倍と大きく、明るくクリアな見え方を実現しています。
- 高解像度で視野が広いため、奥行き感を感じながら撮影できます。
- 最高119.88fpsのリフレッシュレートに対応し、滑らかで自然な表示を実現しています。
その他の機能
- 視線入力AF: ファインダー内に搭載された赤外線LEDで目の動きを検出し、視線の先に焦点を合わせる機能。
- 動画性能: 4K 60pの動画撮影が可能で、オーバーサンプリングにより高画質を実現しています。 動画の動体追尾AFは、従来機種よりも信頼性が高いと評価されています。
- 堅牢性: プロ機材として、過酷な環境下での使用にも耐える堅牢性と防塵防滴構造を備えています。
- 操作性: キヤノンらしいシンプルなメニューデザインと直感的な操作系により、スムーズな操作が可能です。
EOS R1はこんなユーザーにおすすめ
- プロのスポーツカメラマンや報道カメラマン: 高速・高精度なAFと超高速連写性能は、一瞬を逃さない撮影に最適です。
- 動体撮影をメインとするハイアマチュアカメラマン: EOS R1の性能を最大限に活かせる被写体です。
- 高画質・高機能なカメラを求めるユーザー: EOS R1は、キヤノンの最新技術を結集したフラッグシップ機です。
注意点
- 画素数: EOS R1は有効約2420万画素と、他のフラッグシップ機と比べると画素数が少ないです。風景写真など、高解像度が求められるシーンでは、他のカメラを検討する必要があるかもしれません。
- 価格: EOS R1は高価なカメラです。予算に余裕がない場合は、他のカメラを検討する必要があるかもしれません。
まとめ:ソニーα1 IIとキヤノンEOS R1性能を比較・評価!どっちがおすすめ?
キヤノンEOS R1は、動体撮影に特化した性能を持つ、プロフェッショナル向けのフラッグシップ機です。高画質、高性能なEVF、優れた操作性など、多くの魅力を備えています。高画素を求めるユーザーや、予算が限られているユーザーには、他の選択肢も検討する必要があります。
ソニーα1 IIとキヤノンEOS R1は、どちらもプロフェッショナル向けのハイエンド機ですが、それぞれ異なる特徴を持っています。
- α1 II: 高画素と高速連写性能を両立させた、静止画撮影に強いオールラウンダー
- EOS R1: 動体撮影に特化したAF性能と高速連写性能を誇る、スポーツ・報道カメラマン向けのスペシャル機
どちらのカメラを選ぶかは、撮影対象や用途、予算などを考慮して決める必要があります。