スーパーフォーミュラ第5戦におけるブルーフラッグ(青旗)提示に関する騒動とその背景にあるモータースポーツにおける青旗ルールについて
あるチームの監督が、自身のドライバーに青旗が提示されたことに対し、規則上の問題と主催者会長がオーナーを務めるチームへの政治的な忖度が働いたと無線で訴えたことが発端です。
スーパーフォーミュラwiki｜ブルーフラッグ(青旗)とは？
スーパーフォーミュラファンの皆さん、こんにちは！
最近、レースを観ていて「あれ？」と思う出来事がありましたよね。
特に話題になったのが、いわゆる「青旗（ブルーフラッグ）」に関する騒動です。
今回は、あの騒動を掘り下げつつ、そもそもモータースポーツにおける青旗ってどんな意味があるのか、どういう時に振られるのかを、僕なりに解説してみようと思います。
Google検索で「青旗」について調べている方も、これを読めば少しでも理解が深まると嬉しいです。
少し長くなるかもしれませんが、最後までお付き合いいただけると嬉しいです！
ブルーフラッグ(青旗)って一体何？
まずは基本からお話ししましょうか。
モータースポーツの世界で「青旗」というのは、後方から自分より速い車両が迫ってきていて、まもなく追い抜かれる可能性があることを知らせるために振られる旗なんです。
決勝レース中だと、主に周回遅れにされそうになっている車両に対して提示されます。
青旗の提示方法は、ピットを離れる車両に対してコース上に接近車両がいることを知らせる時なんかは、旗を静止して示す「不動表示」というのもあるんですけど、コース上を走行している車両に対しては、ほとんどの場合、旗を激しく振って知らせる「振動表示」が使われます。
ドライバーは前方を見て走っていますから、マーシャルの方はドライバーが気づけるように、ポストを通過するかなり前から旗を振り始めているそうですよ。
これ、実はマーシャルの方にとっても結構難しい技術みたいです。
周回遅れにする側とされる側の位置関係や速度差を一瞬で判断して、適切なタイミングで振る必要があるんですから、本当にすごいですよね。
ブルーフラッグ(青旗)が出たらどうすればいいの？
さて、この青旗がドライバーに提示されたら、どうしなくちゃいけないんでしょうか。
決勝レース中に青旗を振られたドライバーは、速い後続車両に進路を譲る義務があります。
これは国際的なモータースポーツの規則にも定められていることなんです。
バックミラーをちゃんと活用していないと思われるドライバーに対して、より速い車両が追い越そうとしていることを知らせる目的で青旗が提示される、と規則には書かれていますね。
そして、青旗が出たドライバーは、なるべく早く、安全な機会を見つけて後続の車両を先に行かせなければならないとされています。
もし、この青旗を無視して後続車両の邪魔をしたと判断されると、ペナルティの対象になってしまうんです。
結構重い責任が伴う旗なんですよ。
F1なんかでは、今は周回遅れにしようとしているマシンとの差が1.2秒以内になると提示されて、3区間以内には道を譲らないといけない、みたいな具体的なガイドラインもあるみたいです。
これも、昔にブルーフラッグを守らないドライバーがいて、ルールが見直された結果みたいですね。
過去には、本当にひどい青旗無視で大きなペナルティを食らったドライバーもいたみたいで、トップ争いをしているドライバーのタイムロスにつながったりして、レースの結果に影響することもあったりするんです。
状況でブルーフラッグ(青旗)の意味は変わる？
ブルーフラッグって、実はレースの状況によって少し意味合いや運用が違ってくることがあるんです。
フリー走行や公式予選の時も、後方から速い車両が迫っていることを知らせるために振られます。
この時は、あくまで注意喚起の目的が強いですね。
ただ、予選中にタイムアタックしている車両の邪魔をするなど、不当な妨害と判断されるとペナルティの対象になります。
でも、単にペースが遅い車両がアタックラップに入った速い車両に追いつかれただけであれば、意図的な妨害ではないので、ほとんどの場合ペナルティにはならないんです。
むしろ、そういう時は追いついてしまった方が悪い、と判断されることが多いみたいですね。
だから、予選でタイムアタックする時は、前の遅い車に引っかからないように、コースインのタイミングとか、前との車間距離を考えたりする配慮が必要になってくるわけです。
一方、決勝レースでは、さっきも言ったように周回遅れにされそうな車両に対して振られて、進路を譲る義務が発生するという点が大きく違います。
スーパー耐久みたいに、色々なクラスの車両が混走しているレースだと、周回遅れかどうかに関わらず、速い車両が迫ってきていて、ドライバーが後ろに気づいていないような場合に青旗が振られることもあるみたいです。
ピットロード出口でも青旗を見ることがあります。
これは、メインストレートを走っている車両とピットからコースインしようとする車両が危なくなりそうな時に、ピットアウトする車両に対して、後方を注意してコースに入ってね、という意味で提示されます。
この場合は旗は振りません。
静止したまま提示されます。
もし、ピットアウトする車両が強引にコースに入って本線走行車両の邪魔をしたと判断されれば、これもペナルティの対象になります。
こうして見ると、一口に青旗と言っても、状況によって少しずつ意味合いや重みが変わってくるのが面白いところです。
先日のスーパーフォーミュラであった「青旗騒動」って？
さて、ここからが最近話題になった騒動の話です。
先日、大分県のオートポリスで開催されたスーパーフォーミュラ第5戦で、ある出来事がありました。
レース中盤、タイヤ交換を終えた速い車両が、まだタイヤ交換をしていなかった車両に追いつき、周回遅れにしようとした時のことでした。
追いつかれた側の車両、ゼッケン3号車に対して青旗が振られたんです。
これに対して、追いつかれた側のチームの監督から、ドライバーへの無線が問題になりました。
監督は無線で「ルール上、タイヤ交換していない者への青旗義務はない」と主張し、青旗が出たこと自体がおかしい、とドライバーに伝えたんですね。
そして、青旗が出た理由を「これは政治だ。3号車のチームオーナーを考えろ」と言ったんです。
この発言が、波紋を呼んだわけです。
3号車のチームオーナーというのは、スーパーフォーミュラの主催団体であるJRPの会長を務めている方なんです。
監督は、JRP会長のチームのドライバーだから、運営がそのチームを有利にするために青旗を出した、という風に捉えてしまったようなんですね。
これは、運営に対する非常に失礼な物言いだと、僕も思いましたし、他の方もそう感じたんじゃないでしょうか。
監督が主張した「ルール上はタイヤ未交換車に青旗義務はない」という点についても、調べた情報を見る限り、現在の競技規則にはそういった明記は無いようです。
もしかしたら、スーパーGTのようにピット戦略の違いによって順位争いの一部として青旗を出さない運用が多いカテゴリーと、勘違いしているのかもしれません。
とにかく、今回の監督の無線は、レースの判定が公正に行われていない、政治的な意図がある、という風に運営を批判した発言であり、これが大きな騒動に発展したんですね。
実際に、そのレースで3位に入ったドライバーが、この無線に対して「そろそろ良く考えた方が良いんじゃないかなと思いますね」と、SNSで苦言を呈したりもしていました。
この騒動によって、該当のドライバーとそのチームへの視線は、より厳しくなってしまったように感じます。
なぜ監督は「政治だ」と言ったのか？
監督がなぜあそこまで感情的になってしまったのか、その背景には、やはり「親子鷹」と言われる関係性があるのかな、と僕は思います。
監督は元F1ドライバーで、国際レースの経験も豊富です。
ご自身の娘さんを幼い頃から育ててきて、ドライビングだけでなく勝負に対する厳しさなども教えてきたんでしょう。
ただ、公私混同になりやすい部分もあるのかもしれません。
以前にも、レース中にスピンしてリタイアした後、感情的になってステアリングをコース上に叩きつけたり、コースを無断で横断してレースを中断させてしまったり、という出来事がありました。
その時も「プロとして冷静さが足りない」といった厳しい声が上がっていたようです。
今回の青旗騒動も、娘さんが周回遅れにされる状況で青旗が出たことに対して、娘さんを守りたい、という気持ちが強すぎた結果、冷静さを失ってしまい、ああいった発言につながってしまったのかもしれませんね。
また、レース運営側も、今回の件を受けて、青旗の運用方法や、運営、ドライバー、チーム間のコミュニケーションを改善することが必要だと感じているようです。
どんなに技術があっても、こうした精神的な部分や、ルールに対する理解、そして運営との良好な関係性も、トップカテゴリーで戦う上では非常に重要なんだと、改めて感じさせられました。
まとめ
今回の青旗騒動は、モータースポーツにおける青旗の役割や、ルールの解釈、そしてチームと運営の関係性など、色々な側面を浮き彫りにした出来事だったと思います。
青旗は、ドライバーが安全にレースをするため、そして速いドライバーがタイムロスなく走行するために、非常に重要な役割を担っています。
しかし、その運用は状況によって異なり、マーシャルの高い判断力も求められる難しいものなんです。
今回の騒動を通じて、青旗に対する注目がさらに高まったことで、ドライバーもチームも、そして運営側も、青旗の持つ意味や重要性を改めて認識する機会になったのではないでしょうか。
僕たちファンとしては、これからもルールが正しく適用され、白熱したフェアなレースが繰り広げられることを期待したいですね。
次戦以降、今回の件を踏まえて、どのようなレースが見られるのか、個人的にはそこに注目して応援していきたいと思っています！
