「六人の嘘つきな大学生」についてネタバレ考察。
一通の封筒が運命を変える。就活という名の戦場で繰り広げられる、究極の心理戦！
就活の残酷な現実と、若者たちの葛藤を描く社会派ミステリー「六人の嘘つきな大学生」の犯人の動機は？
六人の嘘つきな大学生ネタバレ考察｜犯人の動機は？
「六人の嘘つきな大学生」の犯人は九賀蒼太です。彼の動機は、スピラリンクスの人事部の採用基準に不信感を抱き、就活制度そのものへの復讐だった。具体的には、九賀が尊敬していた先輩がスピラリンクスの二次面接で不合格になったことに怒り、最終選考に残った6人の就活生全員の過去を暴き、人事部の見る目のなさを証明しようとしたのです。
事件の概要
スピラリンクスの最終面接に残った6人の就活生は、当初全員内定の可能性がありましたが、急遽内定者が一人に絞られることになります。その選抜方法として、グループディスカッションを行い、15分毎に投票によって一人ずつ脱落させていくという方法が採用されます。
ディスカッション開始後、部屋に6通の封筒が発見され、それぞれ就活生宛に、過去の悪行を告発する内容と写真が綴られていました。告発内容は、いじめ、堕胎、嘘のアルバイト経歴、高齢者詐欺への加担、未成年飲酒、薬物依存症の家族と同居など、多岐にわたります。
最初は袴田亮が告発され、その後矢代つばさ、九賀蒼太、森久保公彦と告発が続きます。それぞれの告発によって投票数が減っていき、内定の可能性が低くなっていく中、波多野祥吾は告発を止めるよう訴えます。しかし、九賀は暴露写真がすべて同じカメラ、同じ日に撮影されていることに気づき、アリバイのない波多野を犯人と断定します。
波多野は、自分が犯人だと偽って自白し、残った嶌衣織が内定を獲得します。しかし、数年後、波多野の妹が、波多野の遺品の中から「犯人、嶌衣織へ」と書かれた手紙とUSBを発見し、嶌は再び事件の真相解明に乗り出します。
真相解明
嶌は、暴露写真に共通点があること、そして波多野が所属していたサークルのサイトの写真と暴露写真の酒の種類が違うことなどから、九賀が犯人であると突き止めます。さらに、USBメモリーに九賀の口癖である”fair”を入力することで、波多野が事件後に各就活生へのインタビューを行った音声データが再生され、告発された内容の真相が明らかになります。
それぞれの「罪」の真相
実際には、告発された内容の多くは、単純な悪行ではなく、それぞれの事情や背景があったことがわかります。たとえば、袴田のいじめは、被害者が自殺したものの、実際は袴田自身も被害者であったという事実があったり、森久保の高齢者詐欺は、友人をかばう行為であったり、九賀の堕胎は、話し合った結果であったりと、決して単純な悪ではないことが明らかになります。
波多野の行動
波多野は、事件後、各就活生についてさらに調査を行っていましたが、それは彼らが「悪人」であることを証明するためではなく、彼らの「罪」の真相を明らかにするためでした。そして、自分の「罪」として、未成年飲酒を告発されますが、実際はアルコールを含まないジュースであり、九賀の勘違いであったことが明らかになります。また、波多野は嶌への好意からではなく、選考のやり直しを求めるため、嶌の告発状を人事部に送ろうとしていました。
六人の嘘つきな大学生ネタバレ考察｜映画と原作の違い
映画版では、原作小説に含まれる多くの伏線や詳細な描写が省略されているため、原作と比べて犯人の動機や登場人物たちの行動が理解しにくい部分もあると、指摘されています。
特に、九賀の動機が浅く、波多野の行動の理由が曖昧だと感じている人もいるようです。しかし、映画は映画で、原作とは異なる面白さや解釈も存在します。
六人の嘘つきな大学生ネタバレ考察｜あらすじストーリー
成長著しいIT企業「スピラリンクス」の新卒採用最終選考に残った6人の大学生。全員内定の可能性もあったグループディスカッションだったが、本番直前に、内定者は1人だけになり、その1人を自分たちで決めるように告げられます。
戸惑いながらも選考に臨む6人ですが、会場には不審な封筒が。開けてみると、なんと中には、それぞれの過去を告発する内容と写真が… 。高校時代のいじめ、妊娠中絶、アルバイトの嘘、詐欺の片棒、未成年飲酒、家族の薬物依存など、それぞれの「罪」が暴露され、選考は波乱に満ちた展開に。
疑心暗鬼が渦巻く中、告発状を送りつけた犯人は誰なのか、誰が内定を勝ち取るのか？ 緊迫の心理戦が繰り広げられます。
この物語は「就職試験」と「それから」の二部構成になっており、前半は最終選考に残った波多野祥吾の視点で、後半は内定者となった嶌衣織の視点で描かれています。
「就職試験」では、それぞれの「罪」が明らかになるにつれて、学生たちの印象は二転三転していきます。そして、犯人と疑われた人物が、意外な行動に出ることで、物語はさらに複雑な局面を迎えます。
「それから」では、数年後、波多野の死をきっかけに、嶌が再び事件の真相を探り始めます。そして、関係者へのインタビューを通して、告発状の内容の裏に隠された真実、そして、学生たちの本当の姿が明らかになっていきます。
「六人の嘘つきな大学生」は、就活という極限状態の中で、人間の心の奥底にある「嘘」と「真実」を描き出す、青春ミステリーです。あなたは、彼らの嘘を見抜けるでしょうか？
まとめ：六人の嘘つきな大学生ネタバレ考察｜犯人の動機は？
「六人の嘘つきな大学生」では、九賀蒼太が、就活制度への復讐という動機から事件を起こしました。しかし、事件を通して、就活生たちの「嘘」の真相、そして「人間の本質」が浮き彫りにされることで、読者や視聴者に深い考えを与えます。映画版では原作の複雑さが簡略化されている部分もありますが、それでも、就活というリアルな戦場における人間模様を描いた、見応えのある作品と言えるでしょう。
