2024年WBSCプレミア12決勝の条件・ルールについて。
プレミア12決勝で、日本は台湾に勝ったのになぜまた台湾と試合をすることになったのでしょうか?
プレミア12決勝の条件・ルール|なぜ台湾?日本の敗因は?
2024年WBSCプレミア12決勝に進出する条件・ルールは以下の通りです。
- オープニングラウンド: 全12チームが2つのグループに分かれ、各グループ上位2チーム、計4チームがスーパーラウンドに進出します。
- スーパーラウンド: スーパーラウンド進出の4チームで総当たり戦を行い、上位2チームが決勝に進出します。 下位2チームは3位決定戦に進出します。
- 決勝戦: スーパーラウンド1位と2位のチームが対戦し、勝者が優勝となります。 決勝戦は一発勝負です。
スーパーラウンドでの順位決定方法
スーパーラウンドで複数のチームが同じ勝敗数になった場合、以下の方法で順位が決定されます。
- 直接対決の成績: 当該チーム同士の試合結果を優先します。
- TQB: 直接対決で差がつかない場合は、TQB(チーム・クオリティ・バランス)で比較します。
- TQBは、攻撃と守備の両方のスタッツとイニング数を考慮して算出されます。
- 計算式は「(得点÷攻撃イニング数)-(失点÷守備イニング数)」です。
- ER-TQB: TQBでも差がつかない場合は、ER-TQB (自責点によるTQB)で比較します。
- 計算式は「(相手チームの自責点÷攻撃イニング)-(チーム自責点÷守備イニング)」です。
- チーム打率: ER-TQBでも差がつかない場合は、チーム打率で比較します。
- コイントス: それでも決まらない場合は、コイントスで順位を決定します。
2024年の大会では、日本、ベネズエラ、台湾の3チームが2勝1敗で並んだ場合、TQBで順位が決定されました。この時、日本はTQBで優位に立っていたため、台湾との試合の結果に関わらず決勝進出が決まりました。
プレミア12決勝|日本の敗因は?
日本の敗因として、以下の点が挙げられます。
1. 投手の配球の偏り
決勝戦で先発した戸郷投手は、ストレートとフォークに偏った配球をしてしまい、台湾打者に読まれてしまったことが指摘されています。 特に、追い込まれてからの低めのフォークに手を出さなかった台湾打者に対し、カーブやスライダーなどを織り交ぜていれば、結果は変わっていた可能性があります。 また、内角への投球が少なかったことも、日本の投手陣全体に言える課題として挙げられています。 これは、打たれたくないという恐怖心から、安全な外角への投球が多くなってしまったためと考えられます。 逆に、台湾の投手陣は内角を積極的に攻めており、日本の打者はタイミングを狂わされていたようです。
2. 継投ミス
井端監督の継投ミスを指摘する声が多く見られます。 特に、5回に先制ソロと3ランを浴びた戸郷投手を続投させたことが、敗戦の大きな要因になったと考えられています。 調子が上がらない投手を引っ張るのではなく、早めに継投していれば、失点を最小限に抑えられた可能性があります。
3. 大会へのモチベーションの差
台湾では、プレミア12で優勝すると、選手1人あたり約3310万円もの報奨金が支払われることになっていました。 これは、台湾のプロ野球選手の平均年俸をはるかに上回る金額であり、台湾チームのモチベーションは非常に高かったと考えられます。 一方、日本にとっては、プレミア12はWBCに向けた若手選手の育成という位置づけであり、勝利への執着心は台湾に比べて低かった可能性が指摘されています。 実際に、過去に代表経験のある選手からは、プレミア12に出場することによるリスクとリターンが見合っていないという意見も出ています。
4. 主力選手の不在
日本は、村上宗隆選手や岡本和真選手など、主力選手が故障で出場辞退していました。 一方、台湾も一部の主力選手が辞退していましたが、 結果的に、台湾は残ったメンバーで結束力を高め、優勝を果たしました。 主力選手の不在が、日本のチーム力に影響を与えた可能性は否定できません。
以上の点が、2024年WBSCプレミア12における日本の敗因として考えられます。
プレミア12について
プレミア12は、世界野球ソフトボール連盟(WBSC)が主催する国際野球大会で、世界ランキング上位12の国と地域が参加します。2015年に第1回大会が開催され、4年に一度、秋に開催されます。 これは、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)開催の中間年に開催されるように設計されています。
プレミア12の目的
プレミア12の目的は、WBCと同様に野球の魅力を世界に広めることに加えて、ソフトボールの普及、そして野球・ソフトボールのオリンピック競技復帰を促進することです。 2028年ロサンゼルス五輪では、野球・ソフトボールは追加競技として承認されました。
出場チームと選考方法
プレミア12には、WBSC世界ランキング上位12カ国・地域が出場します。このランキングは、12歳以下から成人までの各世代の代表チームが国際大会で獲得したポイントに基づいて算出されます。つまり、プレミア12は「国全体の野球力」を競う大会と言えるでしょう。
メジャーリーガーの参加
プレミア12は開催時期がMLBシーズン終了直後であるため、メジャーリーガーの参加は難しい状況です。疲労や怪我のリスク、またワールドシリーズ出場などの影響で、多くのメジャーリーガーはプレミア12への出場を見送ることが一般的です。 さらに、プレミア12はMLBの公式大会ではないため、MLB球団が選手の出場を制限する可能性もあります。
WBSCはプレミア12を「プロ主体の大会」と位置付けており、将来的にはメジャーリーガーの参加が増える可能性も否定できません。
大会形式
- 第3回大会まで: オープニングラウンドで2つのグループに分かれて総当たり戦を行い、各グループ上位2チームがスーパーラウンドに進出します。スーパーラウンドでも総当たり戦を行い、上位2チームが決勝戦、下位2チームが3位決定戦に進みます。
- 第4回大会から: 出場チーム数が16に拡大され、試合形式も変更される予定です。
注目度
プレミア12はWBCほどの国際的な注目度はありませんが、アジアや中南米など野球が盛んな地域では大きな関心を集めています。特に日本や韓国では、プレミア12の試合が大々的に報道されます。
日本代表(侍ジャパン)にとっての重要性
侍ジャパンは2019年の第2回大会で優勝しています。 プレミア12は若手選手が多く出場する傾向があり、将来の侍ジャパンを担う選手たちにとって貴重な経験を積む場となっています。
プレミア12とWBCの違い
プレミア12とWBCは、どちらも世界レベルの野球大会ですが、いくつかの重要な違いがあります。
項目 | WBC | プレミア12 |
---|---|---|
主催団体 | MLB(メジャーリーグベースボール機構)、MLB選手会 | WBSC(世界野球ソフトボール連盟) |
目的 | MLBのグローバル化、野球の魅力を世界に広める | 野球・ソフトボールの魅力を世界に広める、ソフトボールの普及、野球・ソフトボールのオリンピック競技への復帰 |
参加国数・地域 | 20 (前回大会出場国と予選を勝ち抜いた国) | 12 (WBSC世界ランキング上位12) |
開催時期 | 春 | 秋 |
メジャーリーガーの参加 | 多い | 少ない |
大会形式 | 予選、プールラウンド、決勝トーナメント | オープニングラウンド(総当たり戦)、スーパーラウンド(総当たり戦)、決勝トーナメント |
注目度 | 世界的に高い | WBCほどではないが、アジアや中南米で高い |
日本代表(侍ジャパン)の成績 | 優勝3回(2006年、2009年、2023年) | 優勝1回(2019年) |
プレミア12の将来
プレミア12は、将来的に16チームから28チーム程度に拡大する構想があります。 2027年の第4回大会から出場チーム数を16に拡大することが発表されています。 予選も導入される予定です。