P.I.というホラーゲームについて
Chilla’s Art作品「Pi」というサイコロジカルホラーゲームのストーリーの考察をまとめています。
P.I.（ホラーゲーム）あらすじネタバレ
■ホラーゲーム「P.I.」深層考察：配信者と謎の人物「後藤有介」の奇妙な関係を読み解く
近年、数々の名作を生み出している日本のインディーゲーム界において、Studio非が手掛けたサイコロジカルホラーSF「P.I.」は、その独特な設定と謎めいたストーリーで、多くのプレイヤーに深い考察を促す作品として注目を集めています。本記事では、「P.I.」の世界に潜み、その魅力と考察ポイントを掘り下げていきます。
あらすじ
■配信者の日常に潜む恐怖
「P.I.」の主人公は、自宅からライブ配信を行う女性ストリーマーです。世間を騒がせている「配信者連続殺害事件」を気にかけながらも、彼女は視聴者との交流を楽しんでいました。しかし、配信を進めるにつれて、彼女の周囲に奇妙な現象が起こり始め、日常は徐々に恐怖に侵食されていきます。
P.I.（ホラーゲーム）ネタバレ考察｜配信者と後藤有介の関係は？
考察ポイント：謎の人物「後藤有介」の存在
本作の考察において、鍵となるのは「後藤有介」という人物です。ゲーム内では、主人公の「パートナー」とされており、彼が開発したVRゲーム「P.I.」（Playable Introduction）が作中に登場します。しかし、後藤有介は作中に一切姿を現さず、その存在は謎に shrouded veiled in mystery 。プレイヤーは、断片的な情報から彼の正体、そして主人公との関係を推測していくことになります。
一部の考察では、後藤有介は現実には存在せず、主人公の精神世界が生み出した幻想であるという説が提唱されています。作中で主人公の名前が明らかにされないこと、コメントが後藤有介に関するものばかりで主人公自身への言及がほとんどないこと、そして主人公と後藤有介の関係性が曖昧模糊であることなどが、この説の根拠となっています。
後藤有介の正体： 複数の解釈が生まれる複雑な人物像
後藤有介の正体については、様々な解釈が存在します。
- 主人公が作り出したもう一つの人格：ゲーム製作者としてのスランプに陥った主人公が、理想の姿を投影した存在が後藤有介であるという説。
- 災害で行方不明になったパートナー：作中の情報から、主人公の居住エリアで災害が発生していたことが示唆されます。後藤有介はこの災害に巻き込まれた犠牲者である可能性も考えられます。
- 「ゴドーを待ちながら」を象徴する存在：作中にも登場する戯曲「ゴドーを待ちながら」の「ゴドー」のように、後藤有介は永遠に来ない存在を象徴しているという説。
これらの解釈は、いずれも作中の情報を丁寧に読み解くことで導き出されたものであり、「P.I.」の奥深さを示唆しています。
P.I.（ホラーゲーム）ネタバレ考察｜後藤有介の目的は？
■「P.I.」の真の目的： 自殺への導入？ それとも…？
後藤有介が開発したVRゲーム「P.I.」の目的も、考察の重要な要素です。 ゲームのタイトル「Playable Introduction」は、「自殺への導入」を意味する「Playable Introduction to suicide」の略であるという解釈が存在します。作中に自殺に関する描写が複数登場すること、バッドエンドで主人公が自殺を選択することなどが、この解釈を裏付けています。
しかし、別の視点からの解釈も可能です。主人公が「P.I.」をプレイすることで、後藤有介という存在、あるいは自分自身の過去と向き合い、最終的には新たな一歩を踏み出すための「導入」として機能しているとも考えられます。
P.I.（ホラーゲーム）ネタバレ考察｜エンディングは？
マルチエンディング：プレイヤーの選択が導く結末
「P.I.」はマルチエンディング方式を採用しており、プレイヤーの選択によって異なる結末を迎えます。 バッドエンドでは主人公は自殺を選びますが、トゥルーエンドでは後藤有介の遺品を整理し、新たな生活へと踏み出します。
しかし、トゥルーエンドの後も、主人公は再び「P.I.」を起動します。 これは、過去への執着、あるいは現実と仮想現実の境界が曖昧模糊になっていることを示唆しているのかもしれません。
考察を楽しむためのヒント：細部への注意
「P.I.」は、一見何気ない描写の中に、考察のヒントとなる要素が散りばめられています。
- コメント欄の書き込み：視聴者からのコメントは、ストーリーの理解を深めるだけでなく、後藤有介の人物像や主人公の置かれた状況を把握する上で重要な手がかりとなります。
- 自宅に置かれたオブジェクト：主人公の自宅には、後藤有介との関係を示唆するアイテムや、物語の展開を暗示するオブジェクトが配置されています。
これらの要素を注意深く観察することで、より深く「P.I.」の世界に没入し、自分だけの解釈を構築することができます。
まとめ：P.I.（ホラーゲーム）ネタバレ考察｜あらすじ・配信者と後藤有介の関係は？
■「P.I.」はプレイヤー自身に答えを見つけさせる作品
「P.I.」は、明確な答えを用意するのではなく、プレイヤー自身の解釈に委ねる部分が多い作品です。 これは、ホラーゲームとしての恐怖体験を提供するだけでなく、人生における選択や喪失、そして自己自身との向き合い方といった深遠なテーマをプレイヤーに投げかけていると言えるのではないでしょうか。
「P.I.」をプレイする際は、恐怖に慄きながらも、作中に散りばめられた手がかりを注意深く観察し、自分なりの解釈を見つけてみてください。
