宮崎駿監督の最新作、「君たちはどう生きるか」。
もう、待ちに待ったという方も多いのではないでしょうか。
公開前から一切の情報を出さないという、前代未聞のプロモーションも大きな話題になりましたよね。
「ポスターの青サギ、一体何者なんだ!?」って、SNSでもずいぶん盛り上がりました。
僕も公開初日に、もうワクワクしながら劇場に駆け込みましたよ。
で、観終わった後、どうなったかって?
いやもう、頭の中がぐっっちゃぐちゃになりました。
すごかった。
ホントに、ものすごい映画でした。
「めちゃくちゃおもしろかった」という声もあれば、「正直、よく分からなかったな」という声もあって。
インターネット上でも、賛否両論が大きく分かれているみたいですね。
今回は、そんな超話題作「君たちはどう生きるか」について、作品のあらすじから、宮崎監督が何を伝えたかったのか、そしてたくさんの人が観た感想まで。
僕なりの視点をたっぷり詰め込んで、深掘り解説していきたいと思います。
これを読めば、もう一度映画を観たくなること間違いなし。
いや、まだ観ていない人も、「どんな映画かちょっと気になるな」って思ってもらえるはずです。
さあ、一緒に「君たちはどう生きるか」の世界へ飛び込みましょう!
映画「君たちはどう生きるか」ってどんな話?衝撃のあらすじを解説!
さて、まずは物語の導入部分から見ていきましょう。
舞台は太平洋戦争が始まって3年目。
主人公は11歳の少年、牧眞人(まひと)くんです。
彼は病院の火事で、大好きなお母さんを突然亡くしてしまうんです。
もう、この冒頭から心が締め付けられます。
その後、軍需工場を経営しているお父さんと一緒に、疎開先の大きなお屋敷に引っ越すことになります。
このお屋敷がまた、なんかこう、歴史を感じさせるというか、ちょっと不思議な雰囲気なんです。
そして、そこで眞人くんを待っていたのが、お母さんの妹である夏子さん。
お父さんは、夏子さんと再婚していたんですね。
しかも、夏子さんはもうすぐ赤ちゃんが生まれる、という状態でした。
眞人くんにとっては、母を亡くしたばかりなのに、急に新しいお母さんと兄弟ができるわけで。
この複雑な気持ち、想像するだけで胸が痛いです。
新しい環境に馴染めず、学校でも色々あって、眞人くんの心はどんどん鬱屈していきます。
そんな彼の前に現れるのが、怪しい青サギです。
この青サギ、ただの鳥じゃないんです。
人間の言葉を話す上に、眞人くんをからかったり、どこかへ誘い込もうとしたりする、すごく不気味な存在なんです。
お屋敷の人たちからは、「覗き屋の青サギ」なんて呼ばれています。
そして、眞人くんはこの青サギに導かれて、お屋敷の敷地内にある、これまた不思議な洋館へと足を踏み入れてしまいます。
この洋館、昔、夏子さんたちの大伯父さんが建てたものらしいんですが、大伯父さんは中で忽然と姿を消してしまった、なんて話もあるんです。
なんだか、嫌な予感がプンプンしますよね。
そして、この洋館の奥に広がっていたのが、常識が通用しない、まったく別の「下の世界」だったんです。
ここから、眞人くんの壮大な冒険が始まります。
下の世界では、キリコさんという名前の、現実世界で会ったおばあさんとは全然違う、若くてたくましい女性に出会ったり。
炎を操る不思議な少女ヒミと心を通わせたり。
ワラワラという、なんかこう、生まれたばかりの魂みたいな、フワフワした可愛い生き物を見たり。
でもその一方で、人間を食べる大きなインコの集団に襲われたり。
弱肉強食の世界を目の当たりにしたりするんです。
眞人くんは、この下の世界で、行方が分からなくなった夏子さんを探します。
そして、世界の管理者である大伯父さんと出会い、この世界の秘密や、自分自身のことについて、深く考えさせられることになるんです。
果たして眞人くんは、無事に夏子さんを見つけ出し、元の世界に帰ることができるのか。
そして、この不思議な体験を通して、眞人くんは何を感じ、どう成長していくのか。
物語は、眞人くんが様々な出会いと別れを経験し、少しずつ自分の生き方を見つけていく様子を描いています。
もちろん、僕の解説は入り口だけ。
この異世界には、まだまだたくさんの謎と驚きが詰まっているんです。
宮崎駿監督は「君たちはどう生きるか」で何を伝えたかったの?色んな解釈を深掘り!
この映画、観た人みんなが「結局、何を伝えたかったんだろう?」って考えちゃう作品だと思うんです。
正直、一回観ただけじゃ、全部を理解するのは難しいかもしれません。
僕も劇場を出てから、しばらくの間、頭の中が整理できませんでした。
でも、色々な人の感想や考察を読んだり、自分自身でも改めて考えてみたりして、少しずつ見えてきたものがあるんです。
まず、この映画は、宮崎駿監督自身の「自伝的な作品」であると、公開前から鈴木敏夫プロデューサーの口からも語られていました。
なので、主人公の眞人くんは、宮崎監督自身の少年時代が投影されている、と見る向きが強いです。
物語の中で眞人くんが経験する冒険は、宮崎監督がアニメーターとして、そして監督として歩んできた人生そのもののメタファーなんじゃないか、という考察も多いんです。
例えば、眞人くんを異世界に誘う青サギは、宮崎監督の長年の盟友であり、ジブリを支えてきた鈴木敏夫プロデューサーの象徴だ、という説があります。
初対面の時、宮崎監督は鈴木プロデューサーのことを「胡散臭い」と思っていたらしいんですが、青サギのキャラクターって、まさにそんな感じがしますよね。
でも、物語が進むにつれて、眞人くんと青サギの間には友情が芽生えていく。
これは、二人の関係性の変化を表しているのかもしれません。
異世界のインコたちは、なんかこう、作品を無節操に消費するだけの観客の象徴じゃないか、なんていう手厳しい意見もあります。
「ジブリ」というブランドが大きくなって、監督自身が制御しきれなくなった、後期ジブリの苦悩が描かれているのかもしれませんね。
そして、世界の管理者である大伯父さんは、宮崎監督自身。
彼が積み上げる「積み木」は、宮崎監督がこれまでに生み出してきた作品群を表しているんじゃないか、と。
眞人くんに後を継いでほしいと願う大伯父さんは、宮崎監督が次の世代に託したいという思いの表れ、なのかもしれません。
ただ、眞人くんは後を継ぐことを拒否しますよね。
これは、宮崎監督が、自分のやり方をそのまま誰かに引き継がせるのではなく、新しい道を歩んでほしいと願っているから、とも考えられます。
また、「君たちはどう生きるか」というタイトルにも、大きなメッセージが込められているはずです。
原作となった吉野源三郎さんの小説は、まさに少年が人生や社会について考え、どう生きるかを問われる物語です。
映画も、眞人くんが異世界で様々な不条理や残酷さ、そして美しさを目の当たりにする中で、世界のあり方や、自分自身の「悪意」、そして「善意」について深く向き合います。
そして、最終的に、自分はどう生きるか、という選択をします。
これは、観ている私たち自身にも向けられた問いかけなんじゃないでしょうか。
生と死、世界の理不尽さ。
戦争という時代背景も相まって、死が身近にある中で、「生きる」ことの意味を問われているように感じました。
特に、監督が80歳を超えて作った作品だからこそ、「私の時代はこうだった。
じゃあ、今の君たちはどう生きるんだい?」という、若い世代へのラストメッセージという意味合いも強いのかな、って思っています。
そして、やっぱり重要なのが「母」という存在です。
眞人くんは母を失った悲しみから立ち直れずにいます。
異世界で出会うヒミが、実は少年時代の母である、という展開は、物語の核心の一つです。
宮崎監督自身、お母さんが病弱で、一緒に過ごす時間が少なかったという経験があるそうです。
映画の中で、眞人と母であるヒミの絆を描くのは、監督の切ない願いが込められているのかもしれません。
継母である夏子さんとの関係性も、眞人くんが母の不在に向き合い、新しい家族を受け入れていく、成長のプロセスとして描かれているように感じます。
この映画は、単なる分かりやすい物語ではなく、宮崎監督のこれまでの人生、アニメーションへの思い、そして彼自身の内面を掘り下げた作品なんだと思います。
だからこそ、観る人によって、どこに響くか、どう解釈するかが、全然違ってくる。
これが「分かりにくい」と言われる原因かもしれません。
でも、分からないからこそ、深く考えたくなる。
まさに、考察のしがいがある映画なんです。
君たちはどう生きるか「つまらない」?「最高」?観た人の感想が真っ二つ!
さて、実際に映画を観た人たちの感想は、本当に様々でした。
インターネットのレビューなんかを見ていると、まさに「賛否両論」という言葉がぴったりきます。
「めちゃくちゃおもしろかったし、ホントにすごい映画だと思いました」という声がある一方で、「つまらないです。
ストーリーの展開は遅く、キャラクターの感情や言動も理解出来ない。
世界観も意味不明でした」という意見もあって。
もう、全然違う映画を観たのかな?ってくらい、評価が分かれているんです。
良い感想として目立ったのは、やっぱり「映像美」や「音楽」ですね。
「自然の映像美と音楽は最高水準だと思いました」という感想には、僕も深く同意します。
ジブリ作品ならではの、圧倒的な作画のクオリティ。
そして、久石譲さんの美しい音楽は、耳にするだけで心が震えます。
異世界の不気味さや、生き物たちの奇妙なデザインに「気持ち悪い」と感じる人もいましたが、それもまたジブリらしいというか、「もののけ姫に出てくるような気持ち悪さ」という表現は、すごく的確だなと思いました。
あとは、「過去のジブリ作品のオマージュがたくさん出てくる」ことに気づいて、嬉しくなった人も多いみたいです。
「ハウルともののけと千尋を思わせる場面が多数ありました」とか。
「千と千尋に似てる」という声も結構ありましたね。
ファンにとっては、ニヤリとできるポイントがたくさんあったのかもしれません。
この「過去作のオマージュ」についても、単なるパロディというよりは、「宮崎駿のアニメ人生の総復習」とか、あるいはパラレルワールド的な異世界の表現として、これまでの作品の世界観やキャラクターが混ざり合って現れている、なんていう深い考察もありました。
一方、「つまらなかった」「内容がなかった」という意見も、少なからずありました。
「ストーリーとして成り立っていない」と感じた人もいるようです。
「監督の自己満足じゃないか」「観客に媚びないのはいいけど、エゴが強すぎるのでは?」という厳しい声も聞かれました。
特に、「物語の一貫性のなさ、わけわかんなさ」や、「何をメッセージとしているのか?
心に響くものがない」と感じた人は、面白くなかった、と評価している傾向があるようです。
登場人物たちの行動原理が分かりにくい、キャラクターが薄っぺらい、魅力的じゃない、といった意見もありました。
あと、声優さんについても、結構意見が分かれていましたね。
豪華な俳優陣を起用したことについては、「声でわかった人も多い」という声もあれば、「話題のために芸能人ばっか使ってる」という批判的な意見も。
ただ、アンケート調査によると、そもそも声優に注目しない人も多いらしいです。
僕自身は、確かにキムタクの声はすぐ分かりましたが、他の皆さんは本当にキャラクターになりきっていて、途中から全然気にならなくなりましたよ。
面白い作品だったら、声優関係なく世界観に没頭しちゃうものです。
なぜこんなに感想が分かれるのか、という点についても、色々な分析が出ています。
「ジブリ好きなら面白さがわかるってのは、単にジブリの過去作のオマージュが散りばめられてるからではなく、高畑勲と宮崎駿の関係性を知ってるかどうかで見方が変わる」とか。
「宮崎駿という人間の生い立ちやスタジオジブリそのものの歴史、関係者などについての知識がないとこの映画はあんまり面白くない」という人もいました。
つまり、この映画は、宮崎監督の人生やジブリの歴史を知っているか、そして作品のメタファーやオマージュを読み解こうとするかどうかで、面白さが大きく変わってくるタイプの作品、なのかもしれません。
ある意味、「観客にも製作者の意図を汲むための努力を求められている」ような、ちょっと挑戦的な作品だった、と言えるのかもしれませんね。
万人受けするエンターテイメントを期待して観に行くと、「あれ?」ってなっちゃう可能性はあるかもしれません。
でも、だからといって「駄作だ!」と決めつけてしまうのは、ちょっと乱暴かな、と僕は思うんです。
「自分が理解できない作品を駄作と切り捨てるのは乱暴」という意見には、すごく共感しました。
だって、この映画、「老人が見た脈絡のない夢をそのまま映像化したような作品」とか、「子供が熱でうなされた時に見る夢」みたいだって言う人もいるくらい、理屈じゃない部分が多いんです。
そういう、不思議で、ちょっと不気味で、でも目が離せない世界観を楽しむ、っていう見方もアリだと思うんですよ。
結局、「君たちはどう生きるか」をどう観るか?僕なりの結論
長々と語ってしまいましたが、結局のところ、この映画をどう感じるかは、本当に人それぞれだと思います。
これは、正解も不正解もない作品なんです。
宮崎監督は、私たちに「どう生きるか」と問いかけている。
そして、その答えは、映画の中にあるのではなく、観た私たち一人一人の心の中にあるんだと思います。
眞人くんが異世界での冒険を通して成長し、自分の生きる世界を選択したように、私たちもこの映画を通して、自分自身の人生について、そして世界の不条理や美しさについて、考えるきっかけをもらう。
この映画は、そんな風に、観る人自身が「どう生きるか」を考えるための、哲学的な、あるいは自伝的な「何か」なんだと思うんです。
正直言って、僕は「めちゃくちゃ面白かった!」と単純に言えるタイプの映画ではなかったかもしれません。
頭が疲れたし、混乱もしました。
でも、観終わってから、ずっと心に残るものがあるんです。
数日引き摺るような浮遊感。
内に沸々と湧くもの。
まさに「死ぬまでかけて読みとく価値のある映像作品」なのかもしれません。
もし、まだ観ていない方がいたら、ぜひ「まっさらな状態で」劇場に足を運んでみてください。
そして、あなた自身が、この不思議な世界を通して、「君たちはどう生きるか」という問いに、どんな答えを見つけるのか。
それを、ぜひ楽しんでほしいなと思います。
もしかしたら、あなたの人生にとって、何か大切な「気づき」があるかもしれませんよ。
それでは、また次のブログでお会いしましょう!
バイバイ!