映画『かくかくしかじか』、予告で「許されない嘘」って聞いて気になってますよね？
僕もあの予告を見た時、一体どんな嘘なんだろうってすごく引きつけられました。
東村アキコ先生の自伝的なお話だと聞いて、ますます興味が湧きましたよ。
今回は、この映画のキーワードでもある「許されない嘘」について、色々と調べてみたので、皆さんと共有したいと思います。
もしかしたら、観終わった後に「あ、こういうことだったのか」って腑に落ちるかもしれませんし、これから観る方にとっては、より深く作品を楽しむヒントになるかもしれません。
一緒に『かくかくしかじか』の世界に触れてみましょう。
映画『かくかくしかじか』の物語とは？
まずは簡単に、どんなお話なのかおさらいしておきましょうか。
この映画は、人気漫画家の東村アキコ先生が、自身の青春時代を赤裸々に描いた自伝的作品が原作になっています。
主人公は、絵の才能を信じて疑わない美術部員の明子さん。
彼女が漫画家になることを目指して、絵画教室の扉を叩いたところから、物語は始まります。
そこで出会うのが、もう強烈なインパクトの日高先生。
竹刀を振り回したり、大声で「描け！」と叫んだり、見た目も指導もスパルタそのものなんですよ。
明子さんは、先生の厳しい指導に自信を打ち砕かれたり、反発したりしながらも、時に愛情深い先生との関わりを通して、絵を描くこと、そして自分自身と向き合っていくことになるんです。
美大受験、大学での葛藤、そして漫画家としてデビューするまでの道のりが、先生との絆を中心に描かれているんですね。
笑えるところもあれば、泣けるところもあって、観ていると心が揺さぶられる、そんな作品だと感じます。
予告で印象的な「許されない嘘」の正体
映画の予告や紹介文でよく目にする「私は許されない嘘をついた」という言葉。
これが一体何を指しているのか、すごく気になりますよね。
実は、この「許されない嘘」というのは、主人公の明子さん（東村アキコ先生）が、恩師である日高先生に対してついてしまったいくつかの「嘘」や「不義理」な行動、そしてそれによって生まれた深い後悔のことを意味しているようなんです。
色々な情報を見ていくと、明子さんが抱える後悔の源となっている「嘘」は、一つだけではないみたいなんですよ。
そして、それは誰かを陥れるような悪意のあるものではなく、むしろ彼女の未熟さや、あるいは先生を傷つけたくないという優しい気持ちから生まれたものだったりするんです。
主人公アキコが抱えた後悔から生まれた「嘘」たち
具体的に、どんな「嘘」が描かれているのでしょうか。主にいくつか挙げられます。
まず、高校時代に厳しい日高先生のレッスンから逃げたくて、仮病を使ったこと。
これは比較的軽い嘘に思えるかもしれません。
でも、その時に先生が温かい愛情を示してくれたことで、明子さんの心に強く残ったようです。
そして、大学進学を機に地元宮崎を離れる時に、先生に「半年だけ」と嘘をついて上京したこと。
本当は戻るつもりがなかったのに、先生に引き止められたり、傷つけたりすることを恐れて、つい言ってしまった言葉なんですね。
でも、結果的にそのまま宮崎には戻らず、先生との距離ができてしまいます。
さらに、漫画家として忙しくなった頃、病に倒れた先生のお見舞いを先延ばしにしてしまい、結局、先生の最期に立ち会えなかったこと。
「会いに行く」と言いながら、それが叶わなかった。
これも、彼女にとっては大きな後悔となった「嘘」、あるいは果たせなかった約束だったんですね。
他にも、漫画家になる目標で大学に行ったのに、絵を描くことから遠ざかってしまったこと、日高先生にお礼の気持ちをきちんと伝えられなかったことなども、明子さんが後々、不義理だったと後悔する点として描かれているようです。
なぜそれらが「許されない嘘」なの？
これらの「嘘」は、日常の中にもありそうな、ある意味では人間らしい選択の結果かもしれません。
でも、なぜ明子さんは、これらを「許されない嘘」とまで表現して、深く後悔し続けるのでしょうか。
それはきっと、日高先生が本当に純粋で、まっすぐで、生徒の夢を心から応援し、全力で向き合ってくれた存在だったからだと思います。
先生のその揺るぎない愛情や情熱に、当時の明子さんは、自分の未熟さや甘さゆえにきちんと応えることができなかった。
先生の厳しさの裏にある愛情に気づきながらも、自分の都合や弱さから、向き合うことから逃げてしまった。
そして、本当に先生の存在の大きさに気づき、感謝や謝罪の気持ちを伝えたいと思った時には、もう先生は傍にいなかった。
こうした「不義理をしてしまった」という思いや、「ちゃんと伝えられなかった」ことへの取り返しのつかない後悔が、「許されない嘘」という言葉となって、彼女の心に深く刻まれたのではないでしょうか。
それは、単に嘘をついたという事実だけでなく、先生のまっすぐさに向き合えなかった自分自身への後悔であり、過去の選択と向き合う覚悟の表れなんだと感じます。
この「嘘」が私たちに問いかけること
『かくかくしかじか』に描かれる「許されない嘘」は、明子さんだけの特別な経験ではないような気がするんです。
きっと、私たちの中にも、大切な人に対して、正直になれなかったことや、感謝の気持ちを伝えられずに後悔していることって、一つや二つはあるんじゃないでしょうか。
あの時、もっと素直になっていれば。
あの時、ちゃんと「ありがとう」って伝えていれば。
この映画は、主人公の後悔を通して、「今、私たちが大切な人に何を伝えるべきか」とか、「後悔しないために、今できることは何か」という問いを静かに投げかけているように思えます。
日高先生が明子さんに伝え続けた「描け！」という言葉が、「生きろ」とか「自分と向き合え」という意味も込めて、明子さんの人生の根源になっているように。
明子さんの「許されない嘘」と、その先に見出した感謝の気持ちは、きっと観る人それぞれの心に響いて、何か大切なことに気づかせてくれるはずです。
僕自身も、この映画を通して、自分の過去や、大切な人との関係について、改めて考えてみたいと思いました。
ぜひ、劇場でこの作品を観て、あなた自身の「許されない嘘」や、そこに隠された本当の気持ちと向き合ってみてください。
きっと、心に響く何かが見つかると思いますよ。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました！
また次の記事でお会いしましょう。
