映画「ジョーカー2（ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ）」のラストについて。
最後のシーンでジョーカーことアーサーに面会に来たのは誰でしょうか？弁護士？
ジョーカー2（映画）最後ネタバレ考察｜ラストの面会は誰？
映画『ジョーカー：フォリ・ア・ドゥ』の最後のシーンでアーサーに面会に来たのは、映画の序盤からジョーカーに憧れの眼差しを向けていたアーカム精神病院の若い収容者ではないか？という考察があります。
- この青年はアーサーにジョークを聞かせたいと言い、看守に連れられて面会室に向かうアーサーに近づきます。
- 青年はサイコパスの男がバーで有名なピエロに「報いを受けろ」と告げるジョークを語り、その直後にアーサーの腹部をメッタ刺しにします。
ただ、青年が面会者として現れたのは嘘だった可能性が高いです。
- 彼はアーサーが最終弁論でジョーカーを否定し、信者たちを失望させたことに腹を立てていました。
- 看守がすぐに駆けつけなかったこと、看守がアーサーに対して冷淡な態度を取っていたことから、青年と看守がグルになってアーサーを殺害したと考えられます。
面会に来たのが誰かは重要ではないという意見もあります。
- アーサーがジョーカーであることを否定したことで、彼には誰も興味を持たなくなりました。
- わずかに残った信者か記者が面会に来た可能性もありますが、映画では明確にされていません。
重要なのは、アーサーが「報いを受けろ」という、かつて自身がマーレイ・フランクリンに放った言葉と同じ言葉と共に、何者でもない青年に殺害されたという皮肉な結末です。
これは、社会のシステムが整備されない限り、大衆の怒りは新たな矛先とその代弁者を探し続けるということを示唆しています。 アーサーの死によって「ジョーカー」の物語は終わりを迎えますが、ジョーカーという現象は、形を変えてこの世界に生き続けるのです。
ジョーカー2（映画）最後ネタバレ考察
『ジョーカー：フォリ・ア・ドゥ』は、前作『ジョーカー』で社会現象を巻き起こしたアーサー・フレックのその後を描いた作品です。前作よりもミュージカル要素が強くなり、アーサーとハーレイ・クインことリー・クインゼルの歪んだ恋愛関係がストーリーの中心となっています。
アーサー・フレック／ジョーカーの転落
- 前作で起きた殺人事件により、アーサーはアーカム精神病院に収容されています。 彼は模範囚として大人しく過ごしていますが、社会は彼を「ジョーカー」という偶像として祭り上げ、その解放と再来を求めています。
- リー・クインゼルはアーサーに近づくために精神病院に入院し、嘘を重ねて彼の心を掴んでいきます。 彼女はアーサーではなく「ジョーカーと一緒にいる私」という虚像に惹かれており、アーサーを利用してショーを続けたいと考えています。
- アーサーはリーの嘘を知りますが、彼女に妊娠したと告げられ、再び希望を見出します。 しかし、これはリーの策略であり、彼女はアーサーを操って自分にとって都合の良い存在に仕立て上げようとしています。
- 裁判を通して、アーサーは自分が「ジョーカー」という偶像に押し込められていることに気づき、その人格を否定します。 彼は法廷で自らの罪を告白し、「ジョーカーは存在しない」と宣言することで、自ら作り上げた物語を葬り去ります。
- アーサーはリーに別れを告げられ、警察に逮捕されます。 彼は唯一自分を愛してくれたと思っていたリーに裏切られ、再び孤独と絶望に突き落とされます。
- 模範囚として生活を送っていたアーサーは、面会に来た若い収容者に刺殺されます。 この青年はアーサーに憧れていましたが、彼がジョーカーを否定したことで失望し、復讐を果たそうとしました。
社会とメディアの影響
- メディアはアーサーを「ジョーカー」というセンセーショナルな存在として報道し、大衆の興味関心を煽り立てます。
- 大衆はアーサーを反体制の象徴、弱者男性の代表として偶像化しますが、彼の本当の姿には目を向けようとしません。
- アーサーを擁護する人々でさえ、彼を「ジョーカー」という偶像として利用し、自らの目的のために操ろうとします。
ジョーカーの死と新たなジョーカーの誕生
- アーサーの死は「ジョーカー」という現象の終わりを意味するものではありません。 社会のシステムが変わらない限り、大衆の怒りは新たな矛先とその代弁者を探し続け、新たなジョーカーが誕生する可能性があります。
- アーサーを殺害した青年が、新たなジョーカーとして祭り上げられる可能性も示唆されています。 彼はアーサーの死によって空いた「ジョーカー」の座を継ぎ、新たな混乱を引き起こすかもしれません。
- ハーレイ・クインもまた、アーサーの死後もゴッサム・シティに残り、新たなヴィランとして暗躍する可能性があります。 彼女はアーサーから解放され、自分自身の欲望のために動く、より危険な存在へと変貌するかもしれません。
考察
『ジョーカー：フォリ・ア・ドゥ』は、前作で生まれた社会現象をメタ的に作品に取り入れ、ジョーカーを偶像化する人々、ドラマとして楽しむ人々を突き放した作品と言えます。
- 監督は、社会現象化したジョーカーを自らの手で葬り去ることで、『ジョーカー』が現実世界に与えた影響に対する責任を取ろうとしたのかもしれません。
- この映画は、私たちが虚像に惑わされず、現実の問題と向き合うことの大切さを訴えかけているのではないでしょうか。
ジョーカー2（映画）評価は？酷い？
『ジョーカー：フォリ・ア・ドゥ』は、前作『ジョーカー』の成功を受けて制作された続編ですが、その評価は賛否両論に分かれています。
肯定的な評価
- ホアキン・フェニックスとレディー・ガガの演技力：
- ホアキン・フェニックスは、狂気と悲哀を漂わせるアーサー／ジョーカーを熱演し、再び高い評価を得ています。
- レディー・ガガも、アーサーに歪んだ愛情を注ぐリー・クインゼルを怪演し、新境地を開拓しました。
- ミュージカル要素の導入：
- 前作とは異なるミュージカル要素を取り入れることで、アーサーの狂気と心の闇をより深く表現することに成功しています。
- 特に、アーサーとリーがデュエットするシーンは、彼らの歪んだ関係性を象徴的に表しており、高い評価を得ています。
- 社会へのメッセージ性：
- 前作同様、社会の不条理さや格差、弱者への抑圧を描写し、現代社会への警鐘を鳴らしています。
- ジョーカーという現象をメタ的に扱い、偶像化することの危険性を提示している点も評価されています。
- 前作のカウンターとしての完成度：
- 前作とは真逆のコンセプトで制作されており、前作で高評価だったカタルシスを排除し、徹底的に救いのない物語を描いています。
- この意図的なアンチテーゼは、観客に強烈なインパクトを与え、議論を巻き起こしています。
否定的な評価
- ストーリーの無理矢理感：
- ハーレイ・クインの登場や精神病院の設定など、前作の世界観とは異なる要素がいくつか導入されており、それらがストーリーに無理矢理感を与えているという指摘があります。
- ミュージカル要素への拒否感：
- ジョーカーをミュージカル映画にすることに抵抗を感じる観客も多く、否定的な意見が見られます。
- 救いのなさ：
- 前作以上に救いのない物語であり、観終わった後に暗い気持ちになるという意見が多くあります。
- 前作との落差：
- 前作が社会現象になるほどの成功を収めたため、期待値が高すぎたという点も否めません。
- 前作のようなカタルシスや興奮を求めていた観客からは、失望の声が上がっています。
総括
『ジョーカー：フォリ・ア・ドゥ』は、前作とは全く異なるアプローチで制作された意欲的な作品です。しかし、その大胆な試みは賛否両論を巻き起こしており、評価が大きく分かれる結果となっています。
前作の成功にとらわれず、新たな視点でジョーカーというキャラクターを描こうとした監督の意図は評価できます。しかし、その結果、前作のファンやジョーカーというキャラクターに対するイメージが固定化されている観客からは、反発を受けることになりました。
最終的には、観客一人ひとりの感性によって評価が変わる作品と言えるでしょう。
ジョーカー2（映画）キャスト・登場人物
■『ジョーカー：フォリ・ア・ドゥ』のキャスト・登場人物解説
この映画には、前作からの続投キャラクターと新キャラクターが登場し、アーサー／ジョーカーの運命を狂わせていきます。重要な登場人物とその背景、関係性を詳しく解説します。
主要人物
- アーサー・フレック / ジョーカー（演：ホアキン・フェニックス）： 前作から引き続き主人公を務める、元道化師のアーサー。精神疾患を抱え、社会から疎外され、やがて「ジョーカー」という悪のカリスマへと変貌を遂げます。本作では、前作で起こした殺人事件によりアーカム精神病院に収容され、そこから物語が始まります。
- ハーレイ・“リー”・クインゼル（演：レディー・ガガ）： アーカム精神病院の音楽セラピーに参加していた女性。アーサーに一方的に惹かれ、彼に近づくために嘘を重ねて精神病院に入院します。 彼女は「ジョーカーと一緒にいる私」という虚像に酔いしれており、アーサーを利用してショーを続けようとします。
アーサーに関わる重要人物
- メアリーアン・スチュワート（演：キャサリン・キーナー）： アーサーの弁護士。死刑回避のため、アーサーを精神病による二重人格と主張し、裁判で責任能力の有無を争います。 彼女はリーの嘘を見抜き、アーサーに忠告しますが、聞き入れられません。
- ジャッキー・サリヴァン（演：ブレンダン・グリーソン）： アーカム精神病院の看守。囚人を虐待しており、アーサーにも暴力を振るいます。 彼はリーと通じており、アーサーを陥れるために協力している可能性があります。
- ソフィー・デュモン（演：ザジー・ビーツ）： 前作で登場したアーサーの元隣人でシングルマザー。アーサーは彼女と恋愛関係にあると妄想していましたが、実際にはほとんど接点がありませんでした。 本作では、アーサーの裁判で証人として登場し、彼の妄想を否定します。
- ゲイリー・パドルズ（演：リー・ギル）： 前作で登場した、アーサーの元同僚の道化師。アーサーを慕っていましたが、彼が起こした事件に巻き込まれ、トラウマを抱えています。 本作では、アーサーの裁判で証人として登場し、彼に恐怖を感じていることを告白します。
その他の登場人物
- ハービー・デント（演：ハリー・ローティー）： ゴッサム・シティの新任地方検事。出世欲が強く、アーサーを死刑にしようとします。 彼はのちにトゥーフェイスとなる人物であり、本作ではその片鱗が描かれています。
- 若い囚人（演：コナー・ストーリー）： 映画のラストシーンでアーサーを刺殺する青年。 彼はアーサーに憧れていましたが、彼がジョーカーを否定したことで失望し、復讐を果たそうとしました。
これらの登場人物たちが、複雑に絡み合いながら、アーサー／ジョーカーの悲劇的な運命を紡いでいきます。
まとめ：ジョーカー2（映画）最後ネタバレ考察｜ラストの面会は誰？
最後のシーンでアーサーに面会に来た人物については、いくつかの解釈があります。
- 映画の序盤からジョーカーに憧れの眼差しを向けていた若い収容者とされています。 この青年はアーサーがジョーカーを否定したことに失望し、彼を殺害することで「報い」を受けさせようとしました。
- 一方で、面会に来たのが誰かは重要ではないという意見もあります。 アーサーがジョーカーであることを否定したことで、彼は社会から忘れ去られた存在となり、面会に来るのはわずかに残った信者か記者くらいしかいないでしょう。
いずれにせよ、アーサーが「報いを受けろ」という、かつて自身がマーレイ・フランクリンに放った言葉と同じ言葉と共に殺害されたという事実は、非常に象徴的です。 これは、彼が作り出した「ジョーカー」という現象が、彼自身に牙を剥いたことを意味しており、暴力の連鎖が続く限り、ジョーカーという悪夢は終わらないということを示唆していると言えるでしょう。
