iPhoneの「拡張ビジュアル検索」機能を無効にする設定について。
iOS 18とmacOS Sequoiaに搭載された「拡張ビジュアル検索」機能がデフォルトで有効化されていることからプライバシーへの懸念が表明されています。
「拡張ビジュアル検索」をオフにする方法は?
iPhone|拡張ビジュアル検索とは?
「拡張ビジュアル検索(Enhanced Visual Search)」は、iOS 18.1およびmacOS 15.1から導入された写真解析機能です。 iPhoneで撮影した写真に写っているランドマークや建造物を自動的に認識し、Appleのグローバルデータベースと照合して情報を提供します。
例えば、東京タワーを写真アプリで検索すると、「東京タワー」が写っている写真を提案したり、東京観光に行った際の写真から「東京タワー」「国会議事堂」「雷門」など、観光名所をアルバム内でハイライト表示する機能です。
拡張ビジュアル検索の仕組み
- 端末上のローカルAIが写真内の「関心領域」を特定し、建造物やランドマークの特徴を数値データ化します。
- 数値データは暗号化された状態でAppleのサーバーに送信され、大規模なランドマークデータベースと照合されます。
iPhone|拡張ビジュアル検索のプライバシー保護は?
Appleは、拡張ビジュアル検索のプライバシー保護のために、以下の技術的施策を実装していると述べています。
- 準同型暗号: 写真から抽出された特徴データは暗号化された状態でサーバーに送信され、暗号化を解除することなく計算処理が可能となります。
- 差分プライバシー: データセット内の個人情報の保護を図る手法。
- OHTTPリレー: ユーザーのIPアドレスを隠蔽し、データとユーザーの紐付けを防止する仕組み。
プライバシーに関する懸念
拡張ビジュアル検索はデフォルトで有効化されているため、ユーザーが知らないうちに写真データがAppleに送信される可能性があります。
専門家からは以下の懸念が指摘されています。
- データがデバイスから送信される時点で完全なプライバシーは失われる。
- Appleのソフトウェアには常にプライバシーやセキュリティの脆弱性が存在する。
- ユーザーが検索機能を使用する前からメタデータのアップロードが始まる可能性がある。
- 機能の存在自体が突如として明らかになったことへの不信感。
- 以前Appleが提案して批判を受けたCSAMスキャン機能と比較しても、より広範な写真データが対象となっている。
iPhone|拡張ビジュアル検索をオフ・無効にする設定方法は?
拡張ビジュアル検索の無効化
プライバシーを重視するユーザーは、拡張ビジュアル検索を無効化することができます。設定方法は以下の通りです。
iOSデバイスの場合
- 設定アプリを開き、「アプリ」を選択する。
- 「写真」を選択し、画面の最下部まで移動する。
- 「拡張ビジュアル検索」のトグルスイッチをオフにする。
macOSの場合
- 写真アプリを起動し、メニューバーから「設定」を開く。
- 「一般」タブを選択し、「拡張ビジュアル検索」のチェックを外す。
iPhone|拡張ビジュアル検索まとめ
拡張ビジュアル検索は、写真から情報を簡単に得られるという利便性がある一方で、プライバシーに関する懸念も存在します。
ユーザーからは、デフォルトで有効化されていることに対する批判や、Appleがプライバシー保護においてさらに透明性を高めるべきだという意見が出ています。
拡張ビジュアル検索は便利な機能ですが、プライバシーを意識するユーザーは、その仕組みとリスクを理解した上で利用する必要があるでしょう。