「SCHD」は楽天証券とSBI証券で販売されている「シュワブ米国配当株式ETF」
米国株の高配当銘柄で構成され、配当収入と中長期的な値上がりを目指すETF(上場投資信託)「SCHD」に投資する投資信託ですが、楽天証券とSBI証券どっちがおすすめ?
※本記事は、一般的な情報提供を目的としており、投資に関するアドバイスを意図するものではありません。記事の内容は、あくまで執筆時点での情報に基づいており、将来の投資結果を保証するものではありません。投資は、元本が保証されるものではなく、損失が生じるリスクがあります。投資に関する決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。
SCHDとは?シュワブ米国配当株式ETF
SCHDは、米国株の高配当銘柄で構成されたETF(上場投資信託)です。10年以上連続で配当金を支払い、財務状況が良好な約100の米国企業に投資し、配当収入と株価上昇による利益の両方を追求します。
楽天SCHDとは?
日本では、SCHDに直接投資することはできません。しかし、楽天証券で販売されている投資信託「楽天・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)」(通称:楽天SCHD)を通して、SCHDに間接的に投資することが可能です。楽天SCHDは、日本版SCHDとも言えます。
SCHDの特徴
- 高配当と増配: SCHDは、2023年時点で3.59%の配当利回りを誇り、過去10年間の平均増配率は11.4%と、高配当ETFで有名なVYMよりも高い水準です。
- 安定性: SCHDは、財務健全性が高い企業に投資しているため、株価変動リスクが比較的低く、安定した運用が期待できます。
- 分散投資: 約100銘柄に投資しており、特定の企業の業績悪化の影響を受けにくい分散投資効果があります。
- セクター: 特定のセクターに偏ることなく、バランスよく投資されています。
楽天SCHDのメリット
- 年4回の分配金: 2月、5月、8月、11月の年4回分配金を受け取ることができ、将来の定期的な収入源として期待できます。
- 新NISAの成長投資枠対象: 新NISAの成長投資枠で投資が可能であり、非課税で運用することができます。
- 二重課税調整: 特定口座で購入すると、分配金にかかる税金が軽減されます。
楽天SCHDのデメリット
- 複利効果の減少: 分配金が支払われるため、S&P500指数に連動する投資信託と比較して、複利効果が減少し、値上がりが限定的になる可能性があります。
- 購入は楽天証券のみ: 現時点では、楽天証券でのみ購入可能です。
- 分配金コースの変更不可: 楽天証券のNISA口座では、分配金コースを途中で変更することができません。
SBI証券でもSCHDに投資可能に
2024年12月20日より、SBI証券でも「SBI・S・米国高配当株式ファンド(年4回決算型)」が販売開始されます。
投資判断は慎重に
SCHDは魅力的な投資対象ですが、投資する際にはメリット・デメリットを理解し、ご自身の投資目標やリスク許容度に合わせて慎重に判断することが重要です。
SCHDの活用方法
SCHDを投資信託で活用するコツは、以下の3点を意識することです。
- 長期投資: SCHDは、高配当で財務健全な企業に投資しているため、中長期的な視点で保有することで、安定した配当収入と値上がり益の両方が期待できます。短期的な値動きにとらわれず、じっくりと時間をかけて資産形成を行いましょう。
- 複利効果の最大化: 分配金は再投資に回すことで、複利効果を最大限に活かすことができます。特に、若い世代の方であれば、長期投資によって雪だるま式に資産が増えていく効果を実感できるでしょう。
- NISA口座の活用: 新NISA口座の成長投資枠を利用すれば、非課税で運用することができます。分配金にかかる税金も軽減されるため、より効率的に資産を増やすことが可能です。
SCHDの注意点
SCHDは魅力的な投資対象ですが、投資信託で購入する際にはいくつかの注意点があります。
1. 分配金による複利効果の減少
SCHDは年4回分配金が支払われますが、分配金が出るとその分基準価額が下落し、複利効果が減少します。分配金を受け取らずに再投資に回す「再投資型」を選択すれば複利効果を活かせますが、楽天証券のNISA口座では分配金コースを途中で変更できません。そのため、購入前に「再投資型」と「受取型」どちらにするか慎重に検討する必要があります。
2. 購入可能な証券会社
現在、SCHDに投資できる投資信託は楽天証券の「楽天・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)」と、SBI証券の「SBI・S・米国高配当株式ファンド(年4回決算型)」の2つだけです。他の証券会社で購入することはできません。
3. 信託報酬
SBI証券の「SBI・S・米国高配当株式ファンド」の信託報酬は年率0.1238%程度と、楽天証券の「楽天・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)」の年率0.192%よりも約0.07%安い設定となっています。長期投資では信託報酬の差が運用成果に大きな影響を与えるため、SBI証券の方が有利です。
4. 分配金とNISA口座
NISA口座で投資信託を購入する場合、分配金コースを途中で変更することができません。楽天証券では、楽天SCHDは「成長投資枠」でのみ購入できます。NISA口座で「再投資型」を選択すると分配金が自動で再投資され、その年のNISA(成長投資枠)の非課税枠を消費してしまう点に注意が必要です。
5. 為替リスク
SCHDは米国企業に投資をするため、ドル円の為替相場が円高に進むと基準価額の下落につながります。しかし、外貨建て資産に投資する以上は為替リスクは避けられないため、過度に気にする必要はありません。
6. SBI証券のSCHD投資信託の分配金
SBI証券の「SBI・S・米国高配当株式ファンド」は2024年12月20日に設定され、分配金は2025年6月19日が初回の予定です。楽天証券の「楽天・高配当株式・米国ファンド」も2025年2月が初回であることから、SBI証券の投資信託の方が分配金を受け取るタイミングが遅くなります。
7. 楽天証券の信託報酬引き下げの可能性
楽天証券はこれまで、他社が低コストの投資信託を販売した後、信託報酬を引き下げる対応をしてきました。そのため、SBI証券のSCHD投資信託販売開始後、楽天証券も信託報酬を引き下げる可能性はあります。
8. 投資信託以外でSCHDに投資する方法
日本の証券会社では、SCHDのETFを直接購入することはできません。SCHDのETFを直接購入したい場合は、海外の証券会社に口座を開設する必要があります。
これらの注意点を踏まえ、ご自身の投資スタイルや運用方針、利用している証券会社などを考慮して、SCHDへの投資方法を検討しましょう。
SCHD|楽天証券とSBI証券どっちがおすすめ?シュワブ米国配当株式ETF
SBI証券でもSCHDに投資する投資信託「SBI・S・米国高配当株式ファンド(年4回決算型)」が販売開始されます。
結論から言うと、現時点ではSBI証券の「SBI・S・米国高配当株式ファンド」がおすすめです。
SBI証券のSCHD投資信託をおすすめする理由
- 信託報酬が安い: SBI証券の「SBI・S・米国高配当株式ファンド」の信託報酬は年率0.1238%程度と、楽天証券の「楽天・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)」(楽天SCHD)の年率0.192%よりも約0.07%安い設定となっています。 長期投資において、信託報酬の差は運用成果に大きな影響を与えるため、少しでも安い方が有利です。
- 隠れコストの可能性: 楽天証券はこれまで、他社が低コストの投資信託を販売した後、信託報酬を引き下げる対応をしてきました。 そのため、SBI証券のSCHD投資信託販売開始後、楽天証券も信託報酬を引き下げる可能性はありますが、現時点ではSBI証券の方が有利です。
その他の検討ポイント
- 分配金: 投資信託の分配金は、基準価額から支払われます。 分配金を受け取ると、その分基準価額が下落し、複利効果が減少するため、長期投資では分配金は再投資に回す方が有利です。
- NISA口座: 新NISA口座で投資信託を購入する場合、分配金コースを途中で変更することができません。 楽天証券では、楽天SCHDは「成長投資枠」でのみ購入できます。 SBI証券の「SBI・S・米国高配当株式ファンド」もNISA口座で購入できるかどうかは、今後発表される情報を確認する必要があります。
- ポイント投資: 楽天証券では、楽天ポイントを使って投資信託を購入することができます。 楽天経済圏を利用している人にとっては、ポイント投資は魅力的な選択肢となります。
まとめ:SCHD|楽天証券とSBI証券どっちがおすすめ?シュワブ米国配当株式ETF
■最終的な判断はご自身で
楽天証券とSBI証券のどちらの証券会社でSCHD投資信託を購入するかは、最終的にはご自身の投資スタイルや運用方針によって判断する必要があります。
手数料や分配金だけでなく、使いやすさやサービスなども考慮し、最適な証券会社を選びましょう。