10年前にALSの啓発で流行したアイスバケツチャレンジが、南カロライナ大学の学生団体によってメンタルヘルス支援を目的として復活しました。
TikTokなどのSNSで再び拡散し、多くの人が参加してメンタルヘルスへの意識向上と寄付を呼びかけています。
オリジナルのALS協会もこの再利用を支持していますが、一部のALS支援者からは、ALSへの注目が薄れるのではないかとの懸念も上がっています。
新たなチャレンジはすでに多くの寄付金を集め、著名人も参加するなど大きな広がりを見せています。
アイスバケツチャレンジ2025英語のセリフ・台本は？
Thank you （選んでくれた人の名前）for name ting me. for USE ice bucket challenge I will like to name ting （選ぶ人の名前）you guys have to 24 hours.
アイスバケツチャレンジ2025誕生の経緯
■始まりはALS啓発から。氷水が繋いだ奇跡のバトン
今ではメンタルヘルスの啓発という新たな目的を持って復活したアイスバケツチャレンジですが、その原点は、筋萎縮性側索硬化症（ALS）という難病の認知度向上と寄付金集めにありました。
遡ること約10年前の2014年夏。アメリカで、プロゴルファーのクリス・ケネディ氏が、ALSを患う親族を励ますために氷水をかぶったことが、このチャレンジの始まりだとされています。
当初は、特に特定の慈善団体と結びついていたわけではなかったようですが。ケネディ氏が氷水をかぶる動画をSNSに投稿し、次の挑戦者を指名するというシンプルなルールが、徐々に人々の関心を集めていきました。
そして、この流れを決定的なものにしたのが、元大学野球選手で自身もALS患者であったピーター・フレイツ氏の参加です。フレイツ氏は、自身の経験を通してALSの深刻さを訴え、チャレンジへの参加を積極的に呼びかけました。彼の情熱と行動力が、多くの人々の心を動かし、チャレンジは瞬く間に全米へと広がっていったのです。
さらに、ニューヨーク州ヨンカーズ在住のパット・クイン氏も、ALS患者であり、このチャレンジの普及に大きく貢献しました。フレイツ氏とクイン氏の二人のALS患者が中心となり、SNSを通じて友人や知人にバトンを繋いでいくことで、アイスバケツチャレンジはまさに口コミのように、爆発的な広がりを見せたのです。
当時のSNSは、今ほど多様なプラットフォームがあったわけではありませんが、FacebookやTwitterを中心に、その勢いは凄まじいものでした。友人から指名されたら、24時間以内に氷水をかぶるか、ALS関連団体に寄付をするかを選ぶというルールが、参加者のエンゲージメントを高め、連鎖的な広がりを生み出したと言えるでしょう。
僕自身も当時、タイムラインに次々と流れてくる氷水をかぶる人々の動画に驚き、その異様な光景に釘付けになったのを覚えています。最初は「一体何が起こっているんだ？」と思いましたが、ALSという病気のことを知り、少しでも力になりたいという気持ちが湧いてきたのは事実です。
ビル・ゲイツ氏やマーク・ザッカーバーグ氏、テイラー・ スウィフト氏、レブロン・ジェームズ氏といった世界的な著名人も次々とチャレンジに参加し、その影響力はさらに増大しました。中には、当時大統領選への出馬を表明する前だったドナルド・トランプ氏が、トランプタワーの屋上で氷水をかぶり、「私の頭髪が本物であることを証明してやろう」と発言し、当時のバラク・オバマ大統領を指名するという一幕もありました。オバマ大統領は氷水をかぶることはありませんでしたが、ALS支援団体に寄付を行ったとされています.
この社会現象は、単なるお祭り騒ぎに留まりませんでした。多くの人々がALSという病気の存在を知り、その過酷さに心を痛め、そして実際に行動に移したのです。ALS協会によると、2014年の夏には、このチャレンジを通じてなんと1億1500万ドル（約163億円）もの寄付金が集まったと言われています。これは、ALSの研究や患者支援にとって、まさに大きな一歩となりました。
批判もあったけれど…それでも広がった共感の輪
もちろん、アイスバケツチャレンジに対して批判的な意見もありました。「単なる流行に乗った自己顕示欲だ」「本当にALSのことを理解しているのか」「水の無駄遣いだ」といった声も少なからず上がりました。
特に、深刻な干ばつに見舞われていた地域では、水の無駄遣いに対する批判は根強いものがありました。中には、飲み水ではなく、自然の水源を利用したり、バケツに氷ではなく靴下を詰めるなどの代替案を提案する人も現れました。
また、「チャレンジに参加するだけで寄付をしないのは意味がない」という意見や、「ALS以外の他の病気や問題にも目を向けるべきだ」という声も存在しました.
しかし、そうした批判を差し引いても、アイスバケツチャレンジがALSの認知度を飛躍的に向上させ、多額の寄付金を集めた功績は否定できません。それまで一般にはほとんど知られていなかったALSという病名が、一気に多くの人々の耳に届き、関心を集めるきっかけになったことは間違いありません。
僕自身も、批判的な意見があることは理解していました。ただ、多くの人が楽しみながら、同時に社会貢献にも繋がるという、そのポジティブな側面を強く感じていました。何よりも、普段はなかなか話題に上がらない難病に、これほど多くの人が関心を持ち、行動を起こしたという事実に、大きな感動を覚えたのです。
アイスバケツチャレンジ2025なぜ復活？
■10年の時を経て…なぜアイスバケツチャレンジは再び？
そして2025年。突如として、アイスバケツチャレンジがSNSのタイムラインに帰ってきました！TikTokを中心に、若者たちが氷水をかぶる動画を投稿し、再び大きな話題となっているのです.
今回の復活の火付け役となったのは、サウスカロライナ大学の学生団体「Mental Illness Needs Discussion（MIND）」です。この団体は、若者のメンタルヘルスの問題に支援を行う非営利団体「Active Minds」への寄付を呼びかけており，最初の投稿は2025年3月31日にインスタグラムで行われました。
MINDの創設者であるウェイド・ジェファーソン氏は、2人の友人を自殺で亡くした経験から、若者のメンタルヘルスに対する意識を高め、自殺予防のための活動をしたいと考え、オリジナルのアイスバケツチャレンジにインスパイアされて、今回のリバイバルを企画したそうです。
彼らが立ち上げた「#SpeakYourMIND アイスバケツチャレンジ」は、以前と同様に、参加者が氷水をかぶり、その動画をSNSに投稿し、次の参加者を指名するという連鎖的な仕組みで広がっています。そして、今回はメンタルヘルスの重要性を訴えかけ、Active Mindsへの寄付を推奨しています.
この新たなチャレンジは、開始から数週間で爆発的に広がり、TikTokでは「#icebucketchallenge」のハッシュタグが付いた投稿が数万件を超えるなど、大きな注目を集めています。
インフルエンサーのジェームズ・チャールズ氏やヘイリー・ベイリー氏、元NFL選手のペイトン・マニング氏やジェナ・ブッシュ・ヘイガー氏といった著名人も積極的に参加しており、その影響力は再び大きなものとなっています.
なぜ、10年前に流行したチャレンジが、再びこれほど多くの人々の心を掴んでいるのでしょうか？
その理由の一つとして、現代社会におけるメンタルヘルス問題への関心の高まりが挙げられるでしょう。SNSの普及やパンデミックの影響もあり、特に若者を中心に、メンタルヘルスの問題を身近に感じ、誰かに相談したい、サポートを必要としている人が増えていると考えられます。
オリジナルのアイスバケツチャレンジがALSという病気の認知度を高めたように、今回のチャレンジは、メンタルヘルスに関するスティグマ（偏見）をなくし、オープンに語り合える社会を目指すという、非常に現代的な意義を持っていると言えるでしょう.
また、10年前のチャレンジを経験した世代にとっては、懐かしさや親しみやすさも、再び参加する動機になっているかもしれません。過去の成功体験が、新たなムーブメントへの参加を後押ししている可能性もあります。
さらに、大学生という若い世代が中心となってこのチャレンジを復活させたという点も重要です。彼らの問題意識と行動力が、同世代を中心に共感を呼び、新たなトレンドを作り出していると考えられます。
ALS協会もエール！新たな目的への転用に賛否両論
今回の復活に対して、オリジナルのアイスバケツチャレンジを推進してきたALS協会も、基本的には歓迎の意向を示しています。協会は、「アイスバケツチャレンジが戻ってきた」と述べ、メンタルヘルスとALSの両方への意識を高めることを呼びかけています。また、「メンタルヘルスは、ALSに苦しむ人々を含むすべての人にとって重要な問題だ」と強調し、今回の新たなチャレンジが、ALSのコミュニティにも良い影響を与える可能性を示唆しています.
しかし一方で、ALS支援者の中には、別の目的のためにこのチャレンジが再利用されることに批判的な声も上がっています。ALSには依然として治療法がなく、多くの患者やその家族が苦しんでいる現状がある中で、「ALSに注目を集めた唯一の手段だった」このチャレンジが、別の目的で使用されることに複雑な思いを抱いている人もいるようです.
僕自身も、ALS支援者の気持ちは痛いほど理解できます。長年、治療法が見つからない病と闘っている人々にとって、かつて大きな支援の輪を広げたチャレンジが、別の目的で注目を集めることに、割り切れない思いがあるのは当然でしょう。
それでも、今回の復活が、新たな社会的な課題であるメンタルヘルス問題に光を当て、多くの人々の意識を変えるきっかけになるのであれば、それはそれで大きな意義があるのではないかと僕は考えています。ALSの啓発活動が過去のチャレンジによって大きな成果を上げたように、今回のチャレンジが、メンタルヘルスに関する理解を深め、支援の輪を広げる力になることを期待したいです。
まとめ；アイスバケツチャレンジ2025なぜ復活？英語のセリフ・台本は？
■これからのアイスバケツチャレンジに期待すること
今回の復活したアイスバケツチャレンジは、すでに多くの寄付金を集め、メンタルヘルスに関する議論を活発化させています?もちろん、かつてのような爆発的な広がりを見せるかどうかは未知数ですが、その可能性は十分に秘めていると言えるでしょう。
大切なのは、このチャレンジを単なる一過性のイベントとして終わらせるのではなく、メンタルヘルスについて継続的に考え、行動するきっかけにすることだと僕は思います。動画を投稿するだけでなく、友人や家族とメンタルヘルスの問題について話し合ったり、支援が必要な人に手を差し伸べたり、関連する情報を積極的に学ぶなど、一人ひとりができることはたくさんあるはずです。
今回のチャレンジを通じて、多くの若者がメンタルヘルスの大切さに気づき、困難を抱える仲間を支え合うことができるようになることを、心から願っています。そして、このムーブメントが、よりオープンで、誰もが安心して自分らしく生きられる社会の実現に繋がることを期待しています。
さあ、皆さんは今回の冰桶挑戰についてどう思いますか？もし興味を持ったら、SNSで「#SpeakYourMIND」をチェックしてみてください。そして、この話題を周りの人と共有し、一緒に考えてみませんか？
それでは、また次回のネットの話題でお会いしましょう！
