「へばなすたっちゃ」とは意味は?
「踊る大捜査線 THE LAST TV サラリーマン刑事と最後の難事件」の最後に室井慎次(柳葉敏郎)が鳥飼誠一(小栗旬)とのやり取りで「へばなすたっちゃ」と口にするシーンがありましたが、どんな意味なんでしょうか?
へばなすたっちゃ|意味は?秋田弁?「踊る大捜査線」で室井慎次(柳葉敏郎)
「へばなすたっちゃ」は秋田弁で、「だからどうした」という意味です。 主に、相手の発言に対して反論したり、挑発したりする際に使われます。
「へばなすたっちゃ」の構成要素
- へば: 「そうしたら」「だったら」という意味
- なした: 「どうした」という意味
- っちょ: 強調の意味で、なくても意味は通じる
へばなすたっちゃ|秋田弁の特徴
秋田弁は、濁音が多く、独特の発音やイントネーションが特徴です。 短い表現が多く、1?3文字で会話が成り立つこともあります。
「へば」の他の使い方
「へば」は「さようなら」などの挨拶にも使われます。 この場合は、「へばな」「へばまんず」といった形になります。
「踊る大捜査線」で「へばなすたっちゃ」が使われたシーン
「踊る大捜査線 THE LAST TV サラリーマン刑事と最後の難事件」で室井慎次が「へばなすたっちゃ」と言うシーンは、室井の強い決意と信念を象徴的に表す印象的な場面です。
1. シーンの詳細
- 場所: 警察庁の大会議室
- 状況:
- 湾岸署では、王刑事の結婚式を舞台に、国際指名手配犯シン・スヒョン逮捕の作戦が展開されていました。
- 一方、警察庁では、シン・スヒョン逮捕を利用し、国民の個人情報収集を目論む上層部と、それを阻止しようとする室井の間で対立が深まっていました。
- 鳥飼は、室井に警察を動かす権力を与える代わりに、自らの計画への協力を持ちかけます。
- しかし、室井は、かつての約束、つまり現場の捜査員が正しいことを行えるように上を目指すと宣言します。
- 鳥飼は室井の行動を「偽善」だと断じます。
- セリフ: 鳥飼の「偽善だ」という言葉に対し、室井は静かに、しかし力強く「へばなすたっちゃ」と呟きます。
2. セリフの意味
「へばなすたっちゃ」は秋田弁で「だからどうした」という意味です。
- 「へば」: 「そうしたら」「だったら」
- 「なした」: 「どうした」
- 「っちょ」: 強調
このシーンでは、鳥飼の批判に対して、室井は自らの信念を曲げないという強い意志を示しています。
3. 室井の信念
室井は、正しいことをしたければ偉くなれ、現場の捜査員が正しいことが出来るように上を目指せ、という信念を持っています。 それは、かつての部下であり、殉職した和久平八郎の意志を受け継いだものとも言えます。
4. 対照的な鳥飼
鳥飼は、目的のためには手段を選ばない冷酷な一面を持つ人物として描かれています。 彼は警察組織の腐敗を正すという大義名分を掲げながらも、その行動は過激化していきます。 室井と鳥飼の対比は、警察組織における正義と倫理の葛藤を浮き彫りにしています。
ドラマ「踊る大捜査線」では、室井慎次(柳葉敏郎)がよく秋田弁を使います。
ドラマ「踊る大捜査線 THE LAST TV サラリーマン刑事と最後の難事件」ストーリー解説
2012年11月、湾岸署では、中国人刑事・王明才の結婚式準備に追われていました。王は研修で来日した中国警察官であり、結婚相手は日本人女性・草野京子です。青島が結婚式準備の責任者を務める中、湾岸署では本庁捜査一課を名乗る男による窃盗事件が発生し、備品が次々と盗まれていくという奇妙な事態が発生します。
事件発生
そんな中、車内で硫化水素によって死亡した男性の遺体が発見されます。湾岸署の魚住たちは自殺と判断しようとしますが、国際犯罪指定捜査室準備室の鳥飼は殺人の可能性を主張します。鳥飼によると、国際指名手配中の女詐欺師シン・スヒョンが事件に関与している可能性があり、青島はシンと一度だけ面識があったことが判明します。
王の婚約者 = シン
青島がシンに騙されていたことが発覚し、湾岸署は騒然となります。すみれが作成したシンの似顔絵を見た王は、京子こそがシンだと気づき、事態は急展開を迎えます。
結婚式を舞台にした作戦
鳥飼と室井は結婚式の中止を勧告しますが、青島は結婚式を舞台にシンをおびき寄せて逮捕する作戦を立案します。警察上層部はこの事件を利用し、国際犯罪指定捜査室を正式に設立しようと画策しており、室井はその室長就任を打診されますが、彼はそれを拒否します。
結婚式当日
結婚式当日、湾岸署員たちは式場をシンポジウム会場に見せかけ、シンをおびき寄せようとします。シンは会場に現れ、王を人質に取り拳銃を突きつけますが、王の機転によって逮捕されます。
歪んだ正義
しかし事件はこれで終わりではありませんでした。王の同僚である久瀬が、シンの拳銃を奪い、王に突きつけます。久瀬は、過去に起きた誘拐殺人事件の被害者家族のケアを担当しており、その犯人を逮捕した真下への復讐心から、真下の息子を誘拐し、この事件を企てていたのです。青島の説得により、久瀬は拳銃を放棄しますが、栗山が誤って爆竹に火を点けてしまい、式場は騒然となります。
室井の決意
鳥飼は青島の手腕を認めながらも、その行動を危険視します。一方、室井は鳥飼に、かつての部下・和久との約束、つまり現場の捜査員が正しいことを行えるように上を目指すという信念を語ります。鳥飼は室井の行動を「偽善」だと非難しますが、室井は「へばなすたっちゃ(だからどうした)」と一蹴します。
すみれの決断
室井は警察庁に戻りますが、すみれから結婚の意思はなく、警察を辞めるという決意を告げられます。室井は驚きを隠せません。
最後の事件
湾岸署員たちは、一連の事件を乗り越え、再び日常へと戻っていきます。そして、新たな強盗事件発生の知らせを受け、青島たちは現場へと走り出すところで物語は幕を閉じます。
「へばなすたっちゃ」の意味
室井が放った「へばなすたっちゃ」は、彼の揺るぎない信念を表す象徴的なセリフです。 どんな批判を受けようとも、自らの信じる道を進もうとする室井の強い決意が込められています。
ドラマ全体のテーマ
このドラマは、警察組織内部の対立、正義と倫理の葛藤、そして刑事たちの成長と友情を描いた作品です。コミカルなシーンとシリアスなシーンが巧みに織り交ぜられ、最後まで目が離せない展開となっています。
まとめ:へばなすたっちゃ|意味は?秋田弁?「踊る大捜査線」で室井慎次(柳葉敏郎)
「へばなすたっちゃ」は、スペシャルドラマ「踊る大捜査線 THE LAST TV サラリーマン刑事と最後の難事件」の最後のシーンで使われました。
室井が、鳥飼(小栗旬)に「あなたがしてきたことは偽善だ」と言われたことに対して、このセリフを言いました。
「へばなすたっちゃ」は、室井の揺るぎない信念と、鳥飼の歪んだ正義の対比を際立たせる重要なセリフです。
このシーンは、室井が自らの信念に基づき、警察組織の改革という困難な道へ進むことを決意した瞬間であり、ドラマ全体のテーマを凝縮した場面と言えるでしょう。