「C線上のアリア」について登場人物の相関図は?
朝日新聞に連載されている湊かなえの小説「C線上のアリア」のあらすじと考察をまとめています。
c線上のアリア|登場人物
美佐
- 本作の主人公で、物語は彼女の視点で進みます。
- 50代で、高校時代は叔母の弥生に育てられました。
- 現在は結婚しており、夫と息子がいます。
- しかし、義母との関係は良好ではなく、家事や息子の教育方針で否定的な言葉を浴びせられるなど、辛い結婚生活を送っています。
- 元恋人の邦彦への未練があり、彼との思い出の場所や品物に執着を見せる場面もあります。
- 認知症の疑いがある弥生の世話をするために、長年疎遠だった弥生のもとを訪れ、ゴミ屋敷と化した家と向き合うことになります。
- 邦彦の妻である菜穂と出会い、彼女が認知症の姑である菊枝の介護に苦しんでいることを知ります。
- 菜穂に代わり、菊枝の介護を一時的に引き受けることになります。
- かつてグランドスタッフとして働いていた経験があり、スカーフの結び方やメイクに精通しています。
弥生
- 美佐の叔母で、美佐の高校時代を共に過ごしました。
- 現在は認知症の疑いがあり、家がゴミ屋敷状態になっています。
- 若い頃は夫の公雄と「みどり屋敷」と呼ばれる家で暮らし、趣味の翻訳やボランティア活動など、充実した日々を送っていました。
- 英会話教室に通い、そこで菊枝と知り合いました。
- 環境問題に関心があり、生ゴミを堆肥にするためにバイオチップを大量に購入していました。
- 美佐が贈ったポシェットに、多額の現金や通帳などを入れており、金銭管理の面で不安を感じさせる描写があります。
- 施設に入居後も、おしゃれをしてレクリエーションに積極的に参加するなど、社交的な一面を見せています。
邦彦
- 美佐の元恋人。高校時代、美佐と「みどり友の会」を結成し、共通の趣味である読書や音楽を通じて親密な関係を築いていました。
- 高校卒業後は、地元で公務員として働いています。
- 美佐と別れた後、菜穂と結婚し、息子がいます。
- 週末は一人で「森」に出かけることが多く、菜穂との関係は冷え込んでいる様子が描かれています。
菜穂
- 邦彦の妻。
- 認知症の姑である菊枝の介護に疲れ果て、精神的に追い詰められています。
- 菊枝から暴言を浴びせられたり、夫である邦彦からは家の臭いを理由に拒絶されるなど、辛い状況に置かれています。
- 美佐の提案を受け、北海道へ旅行に出かけます。
菊枝
- 邦彦の母で、菜穂の姑。
- 認知症を患っており、菜穂による介護を受けています。
- 若い頃は弥生と同じ英会話教室に通っており、弥生を「デイジー」と呼んで親しくしていました。
- 高価なブランド品を好み、エルメスのスカーフを紛失したと思い込んでいます。
- 息子である邦彦が優秀だったため、嫁である菜穂を見下しているような描写があります。
- 施設に入居後も、職員にスカーフの結び方を教えてほしいと要求するなど、ワガママな一面を見せています。
その他の登場人物
- 公雄: 弥生の夫。故人。
- 松田: 金庫解錠の専門業者。
- 田中一郎: 「命の水」を販売する会社の代表。
- 田中さくら: 「命の水」を販売する会社の代表の妻。
登場人物たちの複雑な人間関係や過去が、物語の重要な要素となっています。それぞれの抱える悩みや葛藤が、今後の展開にどのように影響していくのか、注目です.
c線上のアリア|相関図
美佐は物語の主人公で、高校時代を一緒に過ごした叔母の弥生を訪ねるところから物語が始まります。弥生は認知症の疑いがあり、家はゴミ屋敷状態でした。美佐は弥生を介護施設「やすらぎの森」に入所させ、家の片付けを始めます。
片付けの過程で、美佐は高校時代の恋人だった邦彦との思い出の品を見つけます。邦彦の住所を調べ、彼を訪ねますが、そこには邦彦の妻である菜穂と、認知症の姑である菊枝がいました。
菊枝は美佐の叔母である弥生と面識があり、過去に交流があったことが明らかになります。美佐は菜穂の代わりに菊枝の介護を一時的に引き受けることになり、物語は新たな展開を迎えます。
登場人物の関係性をまとめると以下のようになります。
- 美佐: 物語の主人公。50代。
- 弥生: 美佐の叔母。認知症。
- 邦彦: 美佐の元恋人。公務員。
- 菜穂: 邦彦の妻。
- 菊枝: 邦彦の母。認知症。弥生と過去に英会話教室で知り合っていた。
主な関係性
- 美佐と弥生:叔母と姪の関係。
- 美佐と邦彦:元恋人同士。
- 邦彦と菜穂:夫婦。
- 邦彦と菊枝:親子。
- 弥生と菊枝:英会話教室で知り合った友人。 sourcesは登場人物たちの過去や現在の複雑な人間関係を描写することに重点を置いています。それぞれの登場人物が抱える悩みや葛藤が、物語の進行とともに徐々に明らかになっていきます。
c線上のアリア解説
■「C線上のアリア」ストーリー解説
50代の主人公・美佐が認知症の疑いがある叔母の弥生を訪ねたところ、家はゴミ屋敷と化していました。
美佐は弥生を介護施設「やすらぎの森」に入所させ、家の片付けに取り掛かります。
ゴミ屋敷と化した家
美佐は、かつて美しく手入れされていた「みどり屋敷」が、ゴミの山と悪臭にまみれた状態になっていることに衝撃を受けます。彼女は、生ゴミの悪臭に悩まされながらも、片付けを進めていきます。家の片付けを通して、美佐は弥生の過去と向き合い、彼女の心の奥底に隠された秘密に触れていくことになります。
過去の恋人との再会
美佐は、家の片付けの過程で、高校時代の恋人だった邦彦との思い出の品を見つけます。彼女は、彼への未練を抱きながらも、現在の邦彦の状況を調べるために、彼のもとを訪ねます。しかし、再会した邦彦は、結婚し、子供もいて、美佐が知る高校時代とは全く違う生活を送っていました。
介護と嫁姑問題
美佐は、邦彦の妻である菜穂と出会い、彼女が認知症の姑である菊枝の介護に苦しんでいることを知ります。菊枝は、美佐の叔母である弥生とも過去に深い関わりがあったことが明らかになり、物語は複雑な人間関係が交錯していきます。美佐は菜穂の代わりに菊枝の介護を一時的に引き受けることになり、彼女自身も嫁姑問題を抱えていることから、菜穂に共感し、彼女を支えようとします。
過去の秘密と現在
物語が進むにつれて、弥生と菊枝の過去、そして美佐自身の過去が徐々に明らかになっていきます。3人の女性は、それぞれ異なる時代と場所で、愛憎入り混じった複雑な関係を築いてきました。そして、その過去の秘密が、現在の人生に影を落とし始めます。
「C線上のアリア」の意味
「C線上のアリア」というタイトルは、バッハの有名な曲「G線上のアリア」を捩ったものです。バイオリンにはC線は存在しないため、このタイトルは、現実には存在しない理想や、調和が取れない状態を象徴していると考えられます。