やあ、どうも!
ジブリ映画について熱く語り出すと止まらなくなる、ブログ主です。
去年公開された「君たちはどう生きるか」、もちろん皆さんも見に行かれましたよね?
公開前は事前の宣伝がほとんどなかったから、どんな映画なんだろうってワクワクと不安が入り混じった気持ちだったのを思い出します。
見終わった後も、いろんな感情や疑問が頭の中をぐるぐるしました。
特に、この映画には印象的なキャラクターがたくさん出てきますが、個人的に「この人、一体何者なんだろう?」と強く惹きつけられたのが、婆やの一人でありながら、異世界では頼れる船乗りとなるキリコさんです。
Google検索でキリコさんの情報を探している方が多いみたいなので、今日は僕なりにソースから読み取れる情報をまとめて、キリコさんの魅力に迫ってみたいと思います。
ネタバレもガッツリ含みますので、まだ映画をご覧になっていない方はご注意くださいね。
君たちはどう生きるか考察|キリコさんの正体と異世界での役割
まず、現実世界でのキリコさん。
主人公の眞人くんの義母である夏子さんの家に仕える七人のベテランお手伝いさん、いわゆる「婆や」の一人として登場します。
面長で、タバコを吸う姿が印象的で、他の婆やたちに比べてちょっと口が悪いけど、すごく姿勢が良くて頼りがいがある感じなんですよね。
眞人くんに対しても、遠慮なくストレートな言葉を投げかけたりして、「この婆やさん、只者じゃないな」って序盤から思っていました。
ところが、眞人くんが迷い込む「下の世界」と呼ばれる異次元空間に行くと、キリコさんは若い頃の姿になって再登場します。
30代から40代くらいの、たくましい船乗り、そして漁師として。
ここでのキリコさんは、現実世界の婆や姿からは想像もできないほど行動的で頼もしいんです。
火のムチを使ってペリカンを追い払ったりもします。
下の世界は「地獄」とか「あの世」に近い場所で、キリコさん自身も「ここはあの世だ」って言っていましたね。
この世界では、死者たちが自分では食べ物を得られないから、キリコさんのような生者(に近い存在?)が食料を供給する役割を担っているんです。
キリコさんの重要な役割の一つが、ワラワラという魂のような存在たちの世話をすることです。
ワラワラたちは、キリコさんが獲ってきた魚、特にその内臓を栄養にして成長して、月の夜に空へ昇って上の世界(現実世界)に人間として生まれ変わるとされています。
ペリカンに食べられちゃうワラワラもいる中で、キリコさんは彼らを守り、育てているんです。
死者とこれから生まれる命の両方に寄り添う、まさに「門番」や「世話役」のような存在ですね。
そして、眞人くんにとっては、この異世界でのキリコさんがすごく頼りになる存在になります。
漁の仕方や魚の捌き方など、生きていくための術を教えてくれる保護者であり、「頼れる姉」のような役割も果たしています。
これまでのジブリ作品で、眞人くんのような男の子にとって、冒険の中で頼れる年上の女性キャラって結構出てきましたけど、キリコさんもその系譜に連なる魅力的な存在ですよね。
映画の終盤では、眞人くんが現実世界に戻る際に、ポケットに入れていた婆やのキリコさんの人形が、現実世界のキリコ婆やに戻るシーンがあります。
この描写から、下の世界の若いキリコさんと現実世界の婆やキリコさんは同一人物であることが示唆されています。
眞人くんが異世界にいる間に経験したことや、彼が作り出した(あるいは引き寄せた)世界の中で、キリコさんもまた特別な形で存在していたのかもしれません。
眞人くんの心の奥底にある願望の「投影」としての側面もあるのかもしれない、という考察もありました。
現実と異世界を繋ぐ「橋渡し」のような存在とも言えますね。
君たちはどう生きるか考察|キリコさんのモデルはあの人!
キリコというキャラクターのモデルについて、プロデューサーの鈴木敏夫さんが明かしている情報があります。
なんと、スタジオジブリの伝説的アニメーター、保田道世(やすだ みちよ)さんがモデルだそうです!
保田さんは「ヤッチン」という愛称で親しまれ、長年ジブリ作品の色彩設計を支えてきた方で、宮崎監督やスタッフからも厚い信頼を寄せられていました。
鈴木敏夫さんは、眞人くん(宮崎監督自身)とサギ男(鈴木さん自身)の仲を取り持つようなキリコさんの役割が、保田さんの存在と重なったから、と語られています。
なるほど、登場人物にモデルがいるというのは宮崎作品ではよく言われることですが、キリコさんにも実際にモデルがいらっしゃったんですね。
作品の世界観やキャラクターの背景を知ると、より深く映画を楽しめる気がします。
君たちはどう生きるか考察|眞人と同じ傷に込められた意味
キリコさんの姿を見ていて、多くの人が気になったであろう点の一つが、眞人くんと同じ場所にある頭の傷です。
異世界の若いキリコさんの右のこめかみには、眞人くんが自傷行為でつけた傷とそっくりの傷があるんです。
劇中でキリコさんはこの傷について「(漁のときに)ヌマガシラにやられた」と説明しますが、眞人くんの傷と同じ場所にあるのは偶然ではないはずです。
眞人くんの傷は、母親を亡くしたショックや新しい環境への反発、そして義母になる夏子さんへの複雑な感情から、自らの悪意や弱い心、罪悪感を象徴するものとして描かれています。
眞人くんはこの傷を自分だけの特別なもののように考えていたようですが、キリコさんにも同じ傷があるということは、「悪意や嘘、弱い心は眞人くんだけの特別なものではなく、人間なら誰しもが持っているものだ」というメッセージが込められているのではないでしょうか。
過ちを犯してしまう、人間らしい弱さや不完全さの象徴とも言えますね。
興味深いのは、現実世界の婆やキリコさんにはこの傷が見当たらないことです。
異世界での経験や、自分自身の弱さや過ちと向き合った結果、キリコさんの心の中の傷(悪意)は癒えて消えたのかもしれません。
眞人くんはキリコさんに傷ができた本当の理由をごまかしていましたが、キリコさんは「ヌマガシラにやられた」とキッパリ理由を述べている対比も、何か意味深に感じられます。
誰にでも心に傷はあるけれど、それとどう向き合い、どう生きていくのか。
キリコさんの傷は、そんな人間の普遍的なテーマを問いかけているのかもしれません。
若き日のキリコに命を吹き込んだのは?声優・柴咲コウさんの魅力
異世界の若きキリコさんの声を聞いて、「あれ?この声、聞いたことがあるぞ」と思った方も多いはずです。
若いキリコの声優を務めたのは、女優さんとしても歌手としても大活躍されている、柴咲コウさんです!
柴咲コウさんは、8月5日生まれで、東京都出身。
女優、歌手だけでなく、実業家としても活躍されているパワフルな方です。
歌手としては、海外向けにMuseKという名義でも活動されています。
プライベートでは、視力が0.1以下でメガネがお好きなんだとか。
ちょっと人見知りな一面もあるそうで、共演者と打ち解けるのに時間がかかる、というエピソードは意外でした。
猫好きとしても知られていて、複数の猫ちゃんと一緒に暮らしているそうです。
実家のご両親は北海道出身で、お父さんとは笑った時の目尻のシワが似ているけど、容姿はお母さんにそっくり、とのこと。
そして、理想の男性はまさかの『ドラゴンボール』のピッコロだそうで!
ストイックだけど段々見えてくる優しさに惹かれるなんて、分かります、その気持ち!
柴咲コウさんの、力強くもどこか憂いを秘めた声が、異世界でたくましく生きる若いキリコさんのイメージにぴったりでしたよね。
ベテランの風格漂う婆やとはまた違う、瑞々しさや生命力が感じられて、素晴らしい配役だと感じました。
彼女の持つ多才さや、内に秘めた情熱みたいなものが、厳しい異世界で奮闘するキリコさんの姿と重なって見えた気がします。
まとめ:キリコというキャラクターが問いかけるもの
「君たちはどう生きるか」に登場するキリコさんは、現実世界での頼れる婆や、異世界でのたくましい船乗りと、二つの顔を持つ非常に魅力的なキャラクターでした。
スタジオジブリを長年支えたアニメーターの保田道世さんがモデルといわれ、彼女の傷には人間誰しもが抱える弱さや過ち、そしてそれとどう向き合うかという深いメッセージが込められているように感じます。
柴咲コウさんの生命力あふれる声も、このキャラクターに一層の深みを与えていました。
キリコさんは、眞人くんの成長を促す存在であると同時に、私たち観客にも「生きるとは何か」「命の循環」といった普遍的なテーマを問いかけているのではないでしょうか。
複雑で、一度見ただけでは全てを理解するのは難しい映画ですが、キリコさんのような魅力的なキャラクターに注目して見返すと、また新しい発見があるかもしれません。
皆さんはキリコさんについて、どんなことを感じましたか?
ぜひコメントで教えてくださいね!
それでは、また次のブログでお会いしましょう。