アニメ『チ。―地球の運動について―』25話（最終回）について。
天動説が常識の時代に、真実を求めた人々の熱き記録。
歴史の闇に葬られた、もう一つの地動説の物語ですが、アルベルトと話していた修道士は誰？
チ。 (アニメ)25話(最終回)ラスト｜アルベルトと話す修道士は誰？ネタバレ注意
はいはい、皆さん、今日も漫画談義に花を咲かせましょう！
今回は、僕もどっぷりハマった『チ。―地球の運動について―』の最終回について、巷で色々と語られている疑問点、特にアルベルトと話していた修道士、アルベルトのモデル、そして最終回が「酷い」なんて言われちゃう理由について、熱い想いを込めて徹底的に深掘りしていきたいと思います！
漫画とアニメに情熱を燃やすこの僕が、皆さんの疑問に少しでも寄り添い、この素晴らしい作品をさらに深く理解するための一助となれば、こんなに嬉しいことはありません！
それでは、いつものように肩の力を抜いて、コーヒーでも飲みながら、ゆっくりと読み進めてくださいね。
最終話でアルベルトと話していた修道士は一体誰なんだ！？
さて、最終回で、パン屋の青年アルベルトが教会で出会い、彼の悩みを聞いていた謎の修道士。あの穏やかで、それでいてどこか達観したような雰囲気の人物は一体誰だったのか、気になっている方も多いのではないでしょうか？ ネット上でも様々な考察が飛び交っていますよね。
僕も初めてあのシーンを見た時、「ん？ この人、どこかで見たような…」と、頭の中のキャラクターフォルダを必死に検索しましたよ（笑）。そして、色々な情報を漁っていくうちに、ある人物の名前が浮上してきたんです。それは……レブ！
ソースをいくつか見ていくと、この修道士の特徴が、過去に登場したレブと符合する点が多いんですよね。例えば、髪の毛が金髪であること、特徴的なセンター分けの前髪をしていること。見た目だけではありません。修道士は告解の中で、「昔、友を見殺しにした」という後悔の念を吐露しているんです。
この「見殺しにした友人」というのが、ヨレンタを逃がしたためにアントニによって処刑されたシモンである可能性が高い、という考察が有力なんです。レブは、ヨレンタが異端に関わっていたとして拷問された際、同じ新人異端審問官の同僚と共にその場にいた。そして、ヨレンタを逃がした罰としてシモンが処刑されるのを、彼は何もできずに見ているしかなかった。最終回で修道士が自らの過去を悔いる様子は、まさにこのレブの抱えるであろう心の傷と重なるんですよね。
さらに、第15話でシモンがヨレンタを逃がしたことに対して、アントニが激怒し、シモンを火あぶりの刑に処すシーンは、本当に胸が締め付けられる思いでした。あの時、レブは一体何を思っていたのか……。最終回でアルベルトに語りかける彼の言葉には、過去の過ちへの贖罪の念のようなものが滲み出ているように感じませんか？
アルベルトに対して「空を見ればいいのです。そして深く息を吸う」と諭す彼の言葉。これは、複雑な問題を抱えるアルベルトに、立ち止まって自然に触れ、本質を見つめ直すことの大切さを説いているように聞こえます。そして、「神は答えをくれないから永遠に私たちは考え続けられるのです。私はそれを幸福だと思いたい」という言葉。これは、まさに『チ。』という作品全体を通して描かれてきた、知的好奇心や探求心の尊さを改めて示しているのではないでしょうか。
個人的な感想を言わせてもらうと、あの修道士がレブであったとしたら、それは本当に深い演出だと思います。かつては異端審問という立場で、知的好奇心を弾圧する側に身を置いていたかもしれない人物が、時を経て、主人公の悩みに寄り添い、学びの道を示唆する。この変化は、人間の内面の複雑さや、過ちから学び成長していく可能性を感じさせてくれますよね。レブもまた、過去の出来事から目を背けるのではなく、向き合うことで一歩を踏み出した。彼の言葉は、アルベルトだけでなく、私たち読者の心にも深く響くものがあったと思います。
チ。 (アニメ)｜アルベルトは実在？誰がモデル？
主人公アルベルト・ブルゼフスキのモデルって誰なの？
物語の最終章で突如として現れた、パン屋で働く青年アルベルト・ブルゼフスキ。それまでの架空のP王国から一転、1468年のポーランド王国という具体的な時代と場所が示され、彼の登場は読者に大きな衝撃を与えました。では、このアルベルトには、実際にモデルとなった人物が存在するのでしょうか？
結論から言うと、アルベルト・ブルゼフスキは、実在した15世紀のポーランドの天文学者なんです。しかも、ただの天文学者ではありません。彼は、地動説を提唱したことで有名なニコラウス・コペルニクスの師であったとされているんです。
ソースを見てみると、アルベルトはクラクフ大学で学び、天文学の教科書に注釈書を著すなど、当時としては非常に重要な人物であったことが伺えます。最終回では、アルベルトが大学に入学する場面や、後にコペルニクスという青年が同大学の生徒となることが語られています。これは、史実に基づいた描写なんですね。
ただし、漫画の中で描かれているアルベルトの若い頃の物語、例えばパン屋で働いていたことや、家庭教師ラファウとの出会いなどは、史実として明確に記録されているわけではありません。Wikipediaの情報にも、「若い頃のことは定かではない」とあります。つまり、魚豊先生は、この歴史の空白部分を想像力で補完し、物語を紡ぎ出したということでしょう。
個人的には、このフィクションと史実の絶妙な融合が、『チ。』という作品の大きな魅力の一つだと感じています。それまで架空の物語として描かれてきた地動説への探求の熱意が、最後に実在の人物へとバトンタッチされ、歴史へと繋がっていく。この壮大なリレーのような構成には、本当に鳥肌が立ちました。アルベルトという実在の人物を登場させることで、「もしかしたら、本当にこんな物語があったのかもしれない」という、読者の想像力を掻き立てる効果もあったのではないでしょうか。
チ。 (アニメ)25話(最終回)｜感想がひどい？
最終回が「酷い」と言われちゃうのは一体なぜ？
さて、一部の読者の間で、最終回が「酷い」と言われているという声も耳にします。僕自身は、このラストは非常に示唆に富んでいて、作品のテーマを見事に昇華させていると感じているのですが、なぜそういった意見が出てくるのか、いくつか理由を考察してみました。
まず、最も大きな理由として挙げられるのが、物語の舞台が、それまでのフィクションの世界から、一気に現実の世界線へと移行したことでしょう。3章までは、P王国という架空の国を舞台に、C教というこれまた架空の宗教による弾圧の中で、地動説を信じる人々が命がけで真実を追い求める姿が描かれてきました。しかし、最終章では、突如として1468年のポーランド王国という具体的な地名と時代が登場し、アルベルト・ブルゼフスキという実在の人物が主人公となる。この急な展開に、戸惑いを覚えた読者もいたのではないでしょうか。
僕自身も、初めて読んだ時は「え、急に現実の話になったの？」と、少し面食らいました。それまでの物語に感情移入していた分、まるで別の作品が始まったかのような印象を受けたのも事実です。
次に、「酷い」と言われる理由として考えられるのが、ラファウの再登場、そして彼の行動です。第1巻で、自らの信念を貫き、毒を飲んで自害したはずのラファウが、最終章でアルベルトの家庭教師として、まるで別人かのように再登場する。しかも、アルベルトの父親を殺害するという衝撃的な行動に出る。これには、「一体どういうこと？」と、多くの読者が混乱したことでしょう。
ソースにもあるように、この青年ラファウが同一人物なのか、別人なのか、パラレルワールドの話なのかなど、様々な解釈が飛び交いました。第1巻のラファウの純粋さ、知的好奇心に心を惹かれていた読者にとって、最終回のラファウの行動は、到底受け入れがたいものだったかもしれません。「あんなに美しい信念を持っていたラファウが、なぜ？」という疑問は当然だと思いますし、彼の変わり果てた姿に失望を感じた人もいたでしょう。
さらに、コペルニクスの物語が一切描かれなかったことも、「酷い」と言われる理由の一つかもしれません。地動説をテーマにした物語である以上、その理論を確立し、広めたコペルニクスの活躍を期待していた読者も多かったはずです。最終回で彼の名前は登場するものの、その人物像や功績についてはほとんど触れられることなく物語が終わってしまう。これに対して、「尻切れトンボだ」と感じた人もいたのかもしれません。
ただ、個人的には、これらの要素も全て含めて、魚豊先生の意図があったのではないかと考えています。最終章で現実世界に舞台を移し、あえて衝撃的な展開を描くことで、先生は読者に「？」を投げかけたのではないでしょうか。それまでの物語は、あくまで地動説という真理を求める人々の情熱を描いたフィクションであり、最終的にその探求の精神が、現実世界のコペルニクスへと繋がった。ラファウの再登場も、単なるファンサービスではなく、「知」への探求が行き過ぎた場合、狂気に陥ってしまう可能性を示唆する、一種のメタファーだったのかもしれません。
まとめ：チ。 (アニメ)25話(最終回)ラスト｜アルベルトと話す修道士は誰？ネタバレ注意
最終回で、アルベルトが「何を捧げればこの世の全てを知れる？」と問いかけるのに対し、修道士（レブ）は明確な答えを与えません。それは、真理の探求に終わりはなく、私たち自身が考え続け、問い続けることこそが重要だというメッセージが込められているのではないでしょうか。
「酷い」と感じた読者もいるかもしれませんが、僕はあのラストは、安易なハッピーエンドに逃げることなく、作品全体を通してのテーマを深く掘り下げ、読者の心にいつまでも残る問いを投げかける、非常に野心的な結末だったと思っています。賛否両論あるのは当然だと思いますし、それぞれの感じ方があって良い。それこそが、この作品が持つ深さの証なのではないでしょうか。
さあ、今回は『チ。―地球の運動について―』の最終回について、僕なりの解釈を交えながら、あれこれと語らせていただきました。皆さんは、どのように感じましたか？ この作品は、読めば読むほど、そして考えれば考えるほど、新しい発見がある奥深い作品だと改めて感じます。皆さんの感想や考察も、ぜひ聞かせてくださいね！ それでは、また次回の漫画談義でお会いしましょう！
