大河ドラマ「べらぼう」で出てくる「さいけん」とは?
NHK大河ドラマ「べらぼう ~蔦重栄華乃夢噺~ 」で蔦重のみられる「さいけん」とは債券?細目?
べらぼう(大河ドラマ)「さいけん」とは?債券?細目?
大河ドラマ「べらぼう」に登場する「さいけん」について、「さいけん」という言葉、時代劇では耳慣れない響きで、私も最初は何のことかと思いました。
もしかして、金融用語の「債券」のこと?それとも、何か別の意味があるのかな?。
結論から言うと、「べらぼう」で出てくる「さいけん」は「債券」ではなく、「細見(さいけん)」のことなんです。
吉原細見とは?江戸の遊郭ガイドブック
「細見」とは、江戸時代の吉原遊廓に関するガイドブックのこと。現代でいうと、観光ガイドブックのようなものですね。吉原は、当時の男性たちにとって憧れの場所であり、参勤交代で江戸に来た地方の武士たちも、こぞって吉原に立ち寄ることを望んだといいます。現代のサラリーマンが出張で東京に来た際に、銀座のクラブや歌舞伎町に足を運びたくなる心理と似ているかもしれません。
しかし、吉原は東京ドーム二つ分ほどの広大なエリアで、数千人もの遊女が在籍していました。初めて訪れる人にとっては、どこにどんな店があるのか、誰に声をかければいいのか、皆目見当がつかない。そこで役立ったのが、この「吉原細見」なんです。
べらぼう(大河ドラマ)「さいけん」吉原細見の内容
吉原細見には、吉原の地図、遊女屋(妓楼)の場所、遊女の名前や位付け、料金、さらには遊女屋を紹介する引手茶屋や、吉原に所属する芸者の一覧などが詳細に記されていました。
今のガイドブックと同じように、吉原細見を読むことで、
- 自分好みの遊女はどこにいるのか
- 予算内でどこで遊べるのか
といった情報を事前に把握することができたのです。
蔦屋重三郎と吉原細見(よしわら さいけん)
大河ドラマ「べらぼう」の主人公である蔦屋重三郎は、吉原の入口近くで書店を開業し、そこでこの「吉原細見」を販売していました。重三郎にとって、吉原細見は商売の重要な柱だったんですね。
さらに、重三郎は鱗形屋という版元から「吉原細見」の改め役を委託され、最新情報を盛り込む役割も担っていました。その後、自らも版元となり、「吉原細見」を出版。見やすいように工夫を凝らしたことで、さらに人気を博したそうです。
吉原細見の変遷
吉原細見は、時代とともに形を変えていきました。
- 初期:一枚摺の絵図
- 享保年間:冊子型が登場
- 蔦屋重三郎の時代:縦長の冊子に
重三郎は、判型やレイアウトを変更することでコストを削減し、安価で提供することに成功。また、平賀源内などの有名人に序文を依頼することで、ブランド力を高めました。
江戸のベストセラー
吉原細見は、江戸時代を通じてベストセラーとなり、吉原を訪れる人々にとって必携のアイテム。吉原土産としても人気があったようです。現代でいう、観光地の定番お土産のような存在だったんですね。
遊女の情報誌である吉原細見をめぐっては、さまざまな版元がしのぎを削りました。
中でも蔦屋重三郎は、吉原細見の販売から事業をスタートさせたそうです。
まとめ:べらぼう(大河ドラマ)「さいけん」とは?債券?細目?
大河ドラマ「べらぼう」 ??? 出てくる「さいけん」は、「吉原細見」という吉原のガイドブックのこと。 蔦屋重三郎は、この吉原細見の販売や出版を通して、江戸の出版業界で成功を収めていったんですね。
ドラマ ??? 吉原細見がどのように描かれるのか、 今からとても楽しみです!