「済んだ住吉天下茶屋」とは意味は?
NHK大河ドラマ「べらぼう」で主人公・蔦重(蔦屋重三郎)た口にすることがある「済んだ住吉天下茶屋」とはどんな意味なんでしょうか?
「済んだ住吉天下茶屋」意味は?大河ドラマで蔦重のセリフ
■「済んだ住吉天下茶屋」って、一体なに?大阪の奥深~い言葉をひも解く旅
みなさん、こんにちは! 今日は、大阪の街で時々耳にする、ちょっぴり不思議な言葉「済んだ住吉天下茶屋(すんだすみよしてんがちゃや)」について、一緒に探求していきましょう。
特に大阪以外の方にとっては、「それ、何のこと?」となりますよね。私も最初、聞いた時は「???」でした(笑)。
この言葉、実は大阪の年配の方などが使う言葉で、ちょっとした地口(ダジャレのようなもの)なんです。
その意味を紐解くと、大阪の歴史や文化、そしてちょっとしたユーモアが隠れているんですよ。
「済んだ」と「住吉・天下茶屋」の二重の意味
まず、「済んだ」という言葉。これは、「終わった」という意味で使われます。そして、「住吉」と「天下茶屋」。これらは、大阪の地名です。住吉は、かつて高級住宅街として知られた帝塚山を含む地域を指し(現在の行政区では阿倍野区)。一方、天下茶屋は、大阪市西成区にある下町です。
つまり、「済んだ住吉天下茶屋」は、「終わった、帝塚山から西成へ」という二つの意味を掛け合わせた言葉なのです。かつての栄華が過ぎ去り、別の場所に移り変わってしまった、そんなイメージを表しているんですね。
「覆水盆に返らず」のイメージ
この言葉には、「覆水盆に返らず」という、一度こぼれた水は二度と盆には戻らないという、後戻りできない状況を意味するたとえ話のイメージも重ねられているようです。過去のことはもう戻らない、という少し切ない気持ちも含まれているのかもしれません。
天下茶屋とはどんな場所?
ここで、少し「天下茶屋」という場所について触れておきましょう。天下茶屋は、大阪市西成区にある地名で、南海電鉄やOsaka Metro堺筋線の駅名としても知られています。駅周辺は、現在では昭和の雰囲気が残る下町として知られており、どこか懐かしい雰囲気が漂っています。
その名前の由来は、豊臣秀吉がこの地の茶屋で茶を点てたところ、その味をたいそう気に入ったからだという説があります。また、1609年には、この地で仇討ち事件があり、その話が歌舞伎にもなったことで、全国的にその名が知られるようになったそうです。
言葉の背景にあるもの
「済んだ住吉天下茶屋」という言葉は、単なるダジャレではなく、大阪の歴史や文化、そして人々の生活感が詰まっているように感じられます。過去への郷愁、そして時の流れに対する諦観のようなものが、この短い言葉に凝縮されているのかもしれません。
この言葉が生まれた背景には、住吉(帝塚山)のような高級住宅街から、天下茶屋のような下町へと、街の移り変わりがあったのかもしれません。また、人生における盛衰や、過去の栄光が過ぎ去ってしまったことへの感慨を表しているのかもしれません。
「済んだ住吉天下茶屋」例文・使い方
「済んだ住吉天下茶屋」はは、過去の栄光や良かった状況が終わってしまったことを、少し自嘲気味に、あるいは諦めを含んだニュアンスで表現する際に用いられます。
以下に、この言葉のニュアンスを活かした例文をいくつか挙げます。
- 「昔は羽振りが良かったんだけど、今じゃあ済んだ住吉天下茶屋やわ。」(過去には裕福だったが、今はそうではない状況を自嘲的に語る)
- 「あの頃は、あんなに人気があったのに、今となっては済んだ住吉天下茶屋やね。」(かつて人気があったものが、今はそうではなくなった状況を振り返る)
- 「あそこのお店も、昔はよく行ったけど、今はもう済んだ住吉天下茶屋やな。」(かつてよく利用していた店が、今はもう行かなくなった状況を述べる)
- 「あのチームも、昔は強かったけど、今は済んだ住吉天下茶屋やね。」(かつて強かったチームが、今はそうではない状況を述べる)
これらの例文からわかるように、「済んだ住吉天下茶屋」は、過去と現在の状況を対比させ、過ぎ去ったことへの感慨や諦めを表す際に使われることが多いです。この言葉は、大阪の年配の方が使うことが多いとされており、若い世代にはあまり馴染みがないかもしれません。また、非常に大阪的な表現であるため、他の地域では通じない可能性も高いでしょう。
まとめ「済んだ住吉天下茶屋」
「済んだ住吉天下茶屋」は、一見すると意味不明な言葉ですが、その背景には、大阪の歴史や文化、そして人々の生活感が深く関わっています。この言葉を通して、大阪の奥深さに触れていただけたら嬉しいです。
もし、大阪でこの言葉を耳にすることがあれば、少し立ち止まって、その言葉に込められた意味を考えてみてください。きっと、大阪の街がさらに魅力的に感じられるはずです。
それでは、また次回のブログでお会いしましょう!