2025年1月14日リリースのKB5050009について。
KB5050009は、セキュリティ上の問題に対処し、サービススタックの品質向上も図るアップデートで、インストール方法や既知の問題、対応策など解説しています。
KB5050009(windows update)｜アップデート内容
KB5050009 は、Windows 11 バージョン 24H2 のすべてのエディションに適用されるセキュリティ更新プログラムです。 2025年1月14日にリリースされました。 このアップデートは、Windows オペレーティングシステムのセキュリティ問題に対処します。 また、2024年12月10日にリリースされた更新プログラム KB5048667 の機能強化も含まれています。
KB5050009 の主なアップデート内容は次のとおりです。
- セキュリティの強化: Windows カーネルの脆弱性を修正し、BYOVD（Bring Your Own Vulnerable Driver）攻撃に対する保護を強化します。
- タッチスクリーンエッジジェスチャーの新しいセクション: 設定 > Bluetoothとデバイス > タッチ で、左右のスクリーンエッジタッチジェスチャーをオフにするかどうかを選択できます。
- IMEツールバーの改善: アプリが全画面モードのときにIMEツールバーが非表示になります。これは、IMEツールバーがアクティブで、中国語または日本語の文字を入力している場合にのみ発生します。
- エクスプローラーの改善: エクスプローラーとデスクトップのコンテキストメニューから、Androidデバイスにコンテンツを共有できるようになりました。この機能を使用するには、PCにPhone Linkをインストールして構成する必要があります。 左側のペインに表示される項目間のスペースが予想よりも広くなる問題、エクスプローラーウィンドウが小さいときに検索ボックスが途切れる問題が修正されました。
- ダイナミックライティング設定ページの改善: コンピューターに互換性のあるデバイスが接続されていない場合、プレースホルダーメッセージが表示されるようになりました。また、明るさと効果のコントロールがオフになります。 Wave効果に前方、後方、外側、内側の各方向オプションが追加されました。グラデーション効果には、前方方向オプションが追加されました。
- ジャンプリストの改善: ShiftキーとCtrlキーを押しながらジャンプリスト項目をクリックすると、その項目が管理者として開かれるようになりました。
- Windowsの音声機能の改善: Windowsの音声テキスト変換およびテキスト音声変換機能が改善されました。言語ファイルを 手動で 更新するように求めるメッセージが表示される場合があります。これらのファイルは、Microsoft Storeから入手できます。この変更は、ナレーター、音声アクセス、ライブキャプション、ライブ翻訳、音声入力を使用するユーザーに影響します。
- ディスプレイの改善: デバイスがスリープ状態になった後、アプリウィンドウがモニターの隅に集まる問題が修正されました。これは、複数のモニターを使用している場合に発生します。 スライドショーの背景を使用しているときに、マイカ素材が正しく表示されない問題が修正されました。 ウィンドウが全画面表示されているときに、一部のセカンダリディスプレイでラグや画面のティアリングが発生する問題が修正されました。
- マウスの改善: 「Ctrlキーを押したときにポインターの位置を表示する」を使用すると、一部のディスプレイで円が小さくなる問題が修正されました。
- クリップボードの改善: クリップボードの履歴（Windowsロゴキー + プラス記号（+） + V）にコンテンツが表示されない問題が修正されました。この問題は、クリップボードの履歴がオンになっていて、テキストや画像をコピーした場合でも発生します。
- ナレーターの改善: ナレーターのスキャンモードに新しい機能が追加されました。リンクをスキップ（N）を使用すると、リンクの後のテキストに移動できます。これは、長いメール、ニュース記事、ウィキページを読むときに最も役立ちます。リストにジャンプ（L）を使用すると、Webページまたはドキュメントのリストにすばやくアクセスできます。これらの新しい機能を使用するには、最初にナレーターをオンにします（Windowsロゴキー + Ctrl + Enter）。次に、Caps lock + Spacebarを押してスキャンモードをオンにします。スキャンモードは、ほとんどのWebページ（ニュース記事、ウィキページなど）でデフォルトでオンになっています。
KB5050009(windows update)｜既知の問題点
既知の問題点として、ArmデバイスでMicrosoft Store経由でRobloxをダウンロードしてプレイできない問題が報告されています。 回避策として、Robloxの公式サイト (www.Roblox.com) から直接ダウンロードすることができます。
また、2024年10月のセキュリティ更新プログラムのインストール後、一部のユーザーからOpenSSHサービスが起動せず、SSH接続ができないという報告があります。 この問題は、エンタープライズ、IoT、教育機関のお客様に影響を与えており、影響を受けるデバイスの数は限られています。 Microsoftは、HomeまたはProエディションのWindowsを使用しているコンシューマーのお客様が影響を受けているかどうかを調査中です。
一時的な解決策として、影響を受けるディレクトリのアクセス許可（ACL）を更新する方法が提供されています。 詳細はソースをご確認ください。 Microsoftは問題の解決に取り組んでおり、今後のWindowsアップデートで解決策を提供する予定です。
さらに、特定のCitrixコンポーネントがインストールされているデバイスでは、2025年1月のWindowsセキュリティ更新プログラムのインストールを完了できない場合があります。 この問題は、Citrix Session Recording Agent (SRA) バージョン2411がインストールされているデバイスで確認されました。 影響を受けるデバイスは、最初に設定のWindows Updateページなどから2025年1月のWindowsセキュリティ更新プログラムを正しくダウンロードして適用する可能性があります。 ただし、更新プログラムのインストールを完了するためにデバイスを再起動すると、「Something didn’t go as planned. No need to worry ? undoing changes」というテキストのエラーメッセージが表示されます。 デバイスは、デバイスに以前に存在していたWindows更新プログラムに戻ります。
Citrixはこの問題を文書化しており、2025年1月のWindowsセキュリティ更新プログラムをインストールする前に実行できる回避策を含んでいます。 詳細については、Citrixのドキュメントを参照してください。 MicrosoftはCitrixと協力してこの問題に対処しており、解決策が利用可能になり次第、このドキュメントを更新します。
KB5050009(windows update)｜ダウロード進まない・インストールできない
KB5050009のインストール時に問題が発生した場合、いくつかのトラブルシューティング手順を試すことができます。
1. Windows Updateのトラブルシューティングツールを実行する
Windowsには、Windows Updateに関連する問題を診断し修復するためのトラブルシューティングツールが組み込まれています。
- スタートメニューを開き、「設定」>「更新とセキュリティ」>「トラブルシューティング」の順に選択します。
- 「追加のトラブルシューティングツール」をクリックし、「Windows Update」を選択して「トラブルシューティングツールの実行」をクリックします。
- 画面の指示に従ってトラブルシューティングを完了します。
2. Windows Updateコンポーネントをリセットする
Windows Updateコンポーネントが破損している場合、更新プログラムのインストールが失敗することがあります。コンポーネントをリセットするには、以下の手順に従います。
- 管理者権限でコマンドプロンプトを開きます。
- 以下のコマンドを順番に入力し、各コマンドの後にEnterキーを押します。
net stop bits
net stop wuauserv
net stop appidsvc
net stop cryptsvc
ren %systemroot%\softwaredistribution softwaredistribution.old
ren %systemroot%\system32\catroot2 catroot2.old
net start bits
net start wuauserv
net start appidsvc
net start cryptsvc- コマンドの実行が完了したら、コンピューターを再起動し、Windows Updateを再度実行します。
3. システムファイルチェッカー（SFC）を実行する
システムファイルが破損している場合、更新プログラムのインストールが失敗することがあります。SFCツールは、破損したシステムファイルをスキャンして修復します。
- 管理者権限でコマンドプロンプトを開きます。
- 「sfc /scannow」と入力し、Enterキーを押します。
- スキャンが完了したら、コンピューターを再起動し、Windows Updateを再度実行します。
4. DISMコマンドを実行する
DISM（展開イメージのサービスと管理）コマンドは、Windowsイメージを修復するために使用できます。
- 管理者権限でコマンドプロンプトを開きます。
- 「DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth」と入力し、Enterキーを押します。
- コマンドの実行が完了したら、コンピューターを再起動し、Windows Updateを再度実行します。
5. クリーンブートを実行する
サードパーティ製のアプリケーションがWindows Updateと競合している場合、更新プログラムのインストールが失敗することがあります。クリーンブートを実行すると、最小限のドライバーとスタートアッププログラムのみでWindowsを起動できます。
- 「Windowsキー + R」を押して「ファイル名を指定して実行」ダイアログボックスを開き、「msconfig」と入力して「OK」をクリックします。
- 「システム構成」ウィンドウで、「サービス」タブをクリックします。
- 「Microsoftのサービスをすべて隠す」チェックボックスをオンにし、「すべて無効にする」をクリックします。
- 「スタートアップ」タブをクリックし、「タスクマネージャーを開く」をクリックします。
- タスクマネージャーで、すべてのスタートアップ項目を無効にします。
- タスクマネージャーを閉じ、「システム構成」ウィンドウで「OK」をクリックします。
- コンピューターを再起動します。
6. セーフモードでWindows Updateを実行する
セーフモードでは、最小限のドライバーとサービスのみでWindowsを起動できます。セーフモードでWindows Updateを実行すると、競合するアプリケーションの影響を受けずに更新プログラムをインストールできる場合があります。
- 「Windowsキー + R」を押して「ファイル名を指定して実行」ダイアログボックスを開き、「msconfig」と入力して「OK」をクリックします。
- 「システム構成」ウィンドウで、「ブート」タブをクリックします。
- 「セーフブート」オプションを選択し、「ネットワーク」チェックボックスをオンにします。
- 「OK」をクリックし、コンピューターを再起動します。
- セーフモードでWindows Updateを実行します。
これらのトラブルシューティング手順を試しても問題が解決しない場合は、Microsoftサポートに連絡するか、Microsoftコミュニティフォーラムで助けを求めることができます。
既知の問題に関する追加情報
上記に加えて、KB5050009 のインストールに影響を与える可能性のある既知の問題がいくつかあります。
- ArmデバイスでのRobloxのダウンロード問題: ArmデバイスでMicrosoft Store経由でRobloxをダウンロードしてプレイできない問題が報告されています。 回避策として、Robloxの公式サイト (www.Roblox.com) から直接ダウンロードすることができます。
- OpenSSHサービスの起動問題: 2024年10月のセキュリティ更新プログラムのインストール後、一部のユーザーからOpenSSHサービスが起動せず、SSH接続ができないという報告があります。 一時的な解決策として、影響を受けるディレクトリのアクセス許可（ACL）を更新する方法があります。
- Citrixコンポーネントとの互換性の問題: 特定のCitrixコンポーネントがインストールされているデバイスでは、KB5050009 のインストールを完了できない場合があります。この問題は、Citrix Session Recording Agent (SRA) バージョン2411がインストールされているデバイスで確認されました。 Citrixはこの問題を文書化しており、回避策を提供しています。
これらの既知の問題が発生した場合は、提供されている回避策を試すか、MicrosoftまたはCitrixから更新された情報と解決策を入手してください。
