映画「プラットフォーム2」のストーリーを詳しく解説
映画「プラットフォーム2」は、2024年公開のスペイン映画で、2019年公開の「プラットフォーム」の続編です。前作の監督ガルデル・ガステル＝ウルティアが引き続き監督を務めています。前作で描かれた「穴」と呼ばれる垂直監獄を舞台に、新たな主人公プレンプアンの視点で物語が展開されます。
映画「プラットフォーム2」のストーリー解説
「プラットフォーム2」は、前作「プラットフォーム」の前日譚にあたる作品で、前作よりもさらに謎が深まる展開が特徴です。 主人公はプレンプアンという女性で、過去に自分の不注意で子供を亡くしたことから自責の念に駆られ、「穴」に入ることになった芸術家です。
あらすじ
プレンプアンは、過去に子供を亡くしたことを悔やみ、「穴」に入ることを決意した芸術家です。巨大な男ザミアティンと24階層で目を覚ましたプレンプアンは、「穴」の新たなルールに直面します。
- 「マスター（救世主）」と呼ばれる男が最下層から這い上がり、自らの肉体を提供することで下層の人々を救ったという伝説がある。
- マスターの肉を食べた者は「油注がれし者」と呼ばれ、彼らは「穴」の秩序を守るための厳しいルールを設けている。
映画プラットフォーム2｜物語の始まりと「穴」の新たなルール
プレンプアンは、巨大な男ザミアティンと24階層で目を覚まします。二人は「穴」の新人で、ルールをよく理解していません。 上の階層の二人から、以下の新たなルールを聞かされます。
- 「マスター（救世主）」と呼ばれる男がいて、彼は最下層で生き延び、その後は下層階の人々に自分の体の一部を切り取って分け与えた。
- マスターから肉をもらって食べた者たちは「油注がれし者」と呼ばれている。
- 下層の人々まで食べ物が届くよう、厳しいルールが設定されており、破ると報復を受ける。
映画プラットフォーム2｜過激派「油注がれし者」とプレンプアンの反乱
油注がれし者の中には、ルールを破った者に残酷な刑罰を与える過激派のダギン・バビがおり、皆が恐れています。 プレンプアンのパートナーであるザミアティンは、精神的に追い詰められ、ルールを破っていたことを告白し自殺してしまいます。
ザミアティンの死をきっかけに、プレンプアンは「穴」のルールが野蛮だと気づき、ルールを破ります。 しかし、それがバレてしまい、ダギン・バビたちに捕まり、右足を失う罰を受けます。 絶望したプレンプアンは、前作にも登場したトリマガシと出会い、暴動を起こすことを決意します。
プレンプアンは、厳しいルールに苦しむ人々を集め、過激派を倒すための戦いを始めます。 壮絶な殺し合いの末、ダギン・バビだけが生き残り、プレンプアンは彼女を生きたまま食べるという脅しで支配します。
映画プラットフォーム2｜ミハルの目的とプレンプアンの脱出
そんな中、子供たちがピラミッド型になって滑り台の一番上を目指している映像が映し出されます。その映像には、前作で息子を探していたミハルが男性と一緒に一番上の子供を選んでいるシーンも含まれています。
プレンプアンは、亡くなった仲間から聞いた脱出方法を試みます。 月の切り替わりにガスが放出され、全員が眠らされる間に、あらかじめ用意した絵に塗られた薬品で仮死状態になり、死体として運ばれることで最下層にたどり着きます。
最下層で子供を見つけ、その子供を上層部へ送り出したプレンプアンは、前作の主人公ゴレンと再会し、抱き合って物語は終わります。
映画プラットフォーム2｜前作とのつながりと残された謎
「プラットフォーム2」は前作の前日譚として、ミハルがなぜ子供を探していたのか、という謎を解明しています。 ミハルは、毎月子供を333階層に運んでおり、罪滅ぼしのような気持ちで行動していたと考えられます。
しかし、「プラットフォーム2」は、前作以上に多くの謎を残しています。
- マスター（救世主）の正体は？
- 「穴」の真の目的は？
- なぜ子供を最上階層へ送る必要があるのか？
- ゴレンとプレンプアンの関係は？
- 認定書の話は本当なのか？
- なぜ前作では囚人たちが階層の数を知らない設定だったのか？
「プラットフォーム2」は、前作以上に抽象的な表現が多く、解釈の幅が広い作品となっています。
まとめ：映画プラットフォーム2解説｜ストーリー考察ネタバレ
映画「プラットフォーム2」は、前作で謎として残されたミハルの行動の理由を明らかにしています。ミハルは、最下層に子供を送り届ける役割を担っていたことが示唆されています。また、前作の主人公ゴレンがラストシーンに登場し、プレンプアンと抱き合うシーンは、二人の間に何らかの関係性があったことを示唆しています。
■社会風刺と宗教的メタファー
前作と同様に、「プラットフォーム2」も社会階層の不平等や人間のエゴイズムを風刺する要素が強く、宗教的なメタファーも散りばめられています。例えば、「マスター」の存在はイエス・キリストを彷彿とさせ、「油注がれし者」は狂信的な宗教集団を連想させます。
■批判的な意見
「プラットフォーム2」は、前作以上に抽象的な表現が多く、難解で意味不明だと感じる観客もいるようです。また、前作の設定との矛盾点や、説明不足な点が指摘されています。
■続編の可能性
現時点では、「プラットフォーム3」の制作は発表されていません。
