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映画「怪物」ネタバレ考察|麦野湊が消しゴムを拾って固まった理由はなぜ?

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映画「怪物」は、怪物とは誰なのか、見る者の視点によって変わる真実と少年たちの切ない友情を描いた衝撃作。

大人たちの偏見と無理解が生み出した悲劇、少年たちの純粋な想いが胸を打つ感動作ですが、映画「怪物」で

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映画「怪物」ネタバレ考察|麦野湊が消しゴムを拾って固まった理由はなぜ?

映画「怪物」は複雑に絡み合う人間関係と、それぞれの「怪物」探しの果てに待つ衝撃の真実。

少年たちの秘密基地、廃電車を舞台に繰り広げられる、愛と再生の物語ですが、映画「怪物」において、主人公の少年・麦野湊が消しゴムを拾おうとして固まってしまうシーンは、観客に様々な解釈を投げかける印象的な場面です。様々な考察が可能ですが、湊を取り巻く複雑な状況と彼の内面における葛藤を表現していると考えられます。

まず、このシーンは湊の精神的な不安定さを象徴しています。 湊の母親である早織は、この行動を目撃した際にインターネットで情報収集し、強い感情の動きによって身体が固まってしまうことがあるという事実を知ります。早織はこのことから、湊が保利先生から酷いいじめを受けているのではないかと推測しますが、明確な答えは示されません。

しかし、 映画「怪物」の時系列情報と合わせて考えると、湊が消しゴムを拾おうとして固まったのは、星川依里との関係に起因する葛藤によるものと推測できます。このシーンの直前に、湊は依里へのいじめを止めようとしてクラスメイトと乱闘騒ぎを起こし、結果的に依里を傷つけてしまいます。 この出来事の前夜に湊は依里への恋愛感情を自覚しており、彼にとってこの乱闘は非常に辛い経験だったはずです。

湊は依里を守りたいという気持ちと、周囲の目に囚われ、彼との関係を隠したいという矛盾した感情に苦しんでいました。 湊は「普通の幸せ」を求める母親の期待と、依里への想いの間で葛藤し、その苦しみを誰にも打ち明けられずにいました。

消しゴムを拾うという何気ない動作すら完遂できないほど、湊は精神的に追い詰められていたと考えられます。消しゴムは、湊の心の脆さと、彼を取り巻く状況の息苦しさを象徴するアイテムとして機能していると言えるでしょう。

加えて、このシーンは観客に「怪物」とは一体誰なのかを問いかける役割も担っています。 「怪物」は見る人の視点によって異なり、少年たちにとっては大人たちの偏見や無理解が「怪物」であり、大人たちにとっては問題を起こす子供たちや、それを隠蔽しようとする学校が「怪物」であるとされています。

湊は、自分自身の葛藤や周囲の無理解によって「怪物」へと変貌していく可能性を秘めている存在として描かれています。消しゴムを拾おうとして固まる姿は、まだ「怪物」になりきっていない少年の苦悩と、そこから生まれる悲劇を予感させる演出と言えるでしょう。

映画「怪物」ネタバレ考察|が消しゴムのシーンの時系列

映画「怪物」における湊と消しゴムのシーンを理解するために、関連する出来事を時系列順に整理します。

4月24日

  • 火災が発生。湊は母親の早織に「豚の脳」を移植された人間について尋ねるが、早織は「それは人間ではない」と答える。
  • この日から、依里は湊に自分の「病気」について話している。 依里の父親が彼を「豚の脳」呼ばわりしていることから、依里は自分が同性愛者であることも湊に打ち明けていると考えられる。

4月25日

  • 朝、湊は依里の首に痣を見つける。 他のクラスメイトが依里を突き飛ばすが、湊は助けることができない。
  • 保利先生は湊に対して「男らしくない」と言い、湊がいじめをやめさせたことに気付かず、むしろみんなに謝らせた。
  • 湊と依里は、お互い親に気を遣って生きていることを語り合う。

6月6日

  • 車内で作文を書く。お互いの作文に「むぎのみなと」「ほしかわより」と名前を隠す。 湊は保利先生が気づくことを少し期待しているが、依里は気づかないだろうと予想している。
  • 2人でビッグクランチの話をする。 依里は「生まれ変わるんだね」と呟く。
  • 湊がぶつかり、依里が怪我をする。手当てをしている時、依里が転校することを知る。 依里は湊に「いなくなったら嫌だよ」と抱きつき、「みなと」と名前を呼ぶ。 湊は自分の体の異変に気付き、依里を突き飛ばして逃げる。
  • 保健室で保利先生は「内緒にしとこうか。はい、じゃあ仲直りだ。男らしく握手しよう、ほら」と無理やり2人を握手させる。
  • 廃線跡へ向かう湊だったが、依里はいない。 後日、依里と合流し、トンネルで早織に遭遇する。
  • 家に向かう車の中で、湊は「僕ね、お父さんみたいになれない」と打ち明けようとするが、トラックの音にかき消される。 早織はそれを「お父さんみたいになりたい」と勘違いする。
  • 早織は「お父さんに約束してるんだよ。湊が結婚して、家族を作るまでは頑張るよって。どこにでもある普通の家庭でいい。湊が家族っていう1番の宝物を手に入れるまで」と続ける。
  • 依里から着信があり、湊は車から飛び出す。

6月7日

  • 消しゴムのシーン。 湊は宿題をしようと消しゴムを拾おうとするが、固まってしまう。
  • 早織は湊の異様な様子に気づく。
  • 早織はインターネットで情報収集し、強い感情の動きによって身体が固まってしまうことがあるという事実を知る。

この時系列情報から、消しゴムのシーンは湊が依里への恋愛感情を自覚し、周囲の期待と自分の気持ちの間で葛藤を抱え始めた時期に起こったことが分かります。

  • 6月6日の出来事を通して、湊は依里への想いを抑えきれなくなっていく。
  • しかし、周囲の「男らしく」という言葉や、母親の「普通の幸せ」への期待が、湊の心を締め付ける。
  • 結果的に、湊は依里を突き飛ばすという自分自身も理解できない行動をとってしまう。

消しゴムを拾おうとして固まるシーンは、これらの葛藤が頂点に達した瞬間を象徴していると考えられます。

  • 湊は自分の感情をコントロールできなくなり、精神的に不安定な状態に陥っている。
  • 消しゴムは、そんな湊の心の脆さを表すアイテムとして機能している。

つまり、消しゴムのシーンは、湊が依里への想いと、それを否定する周囲の圧力との間で苦しむ姿を描写した重要な場面と言えるでしょう。

映画「怪物」概要

是枝裕和監督、坂元裕二脚本による映画「怪物」は、カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞し、世界的に高い評価を受けた作品です。複雑な人間関係と、それぞれの視点から見た「怪物」の姿を描き、「怪物」とは一体誰なのか、真の幸せとは何かを観客に問いかけます。

あらすじ

大きな湖のほとりの町で起こった雑居ビル火災をきっかけに、物語は展開されます。シングルマザーの麦野早織は、息子・が学校でいじめを受けているのではないかと疑い、担任の保利先生に相談しますが、学校側は早織をモンスターペアレントのように扱います。一方、保利先生は生徒思いの優しい教師でしたが、周囲の誤解や偏見によって追い詰められていきます。

物語は、早織、保利、そして湊、それぞれの視点から描かれ、同じ出来事でも見え方が全く異なることが分かります。

大型台風が接近する中、湊と親しくなった同級生の星川依里は父親から暴力を受けています。湊は依里を助け出し、2人は秘密基地の廃電車へ逃げ込みます。しかし、その廃電車は土砂崩れに巻き込まれてしまいます。

ラストシーンでは、土砂崩れから這い出した湊と依里が、泥だらけの姿で線路に向かって走っていく姿が描かれます。このシーンは、様々な解釈が可能であり、2人が生存しているのか、それとも亡くなっているのかは明示されていません。

主な登場人物

  • 麦野早織(むぎの さおり): 湊の母親。シングルマザーとしてクリーニング店で働きながら湊を育てている。湊を深く愛しており、彼の幸せを願うあまり、周囲との対立を生んでしまう。
  • 保利道敏(ほり みちとし): 湊と依里の担任教師。生徒思いの優しい性格だが、周囲の誤解や偏見によって追い詰められていく。
  • 麦野湊(むぎの みなと): 早織の息子。小学5年生。依里への複雑な感情を抱え、周囲の期待と自分の気持ちの間で葛藤する。
  • 星川依里(ほしかわ より): 湊の同級生。小学5年生。父親からの虐待やクラスメイトからのいじめを受けながらも、純粋さを失わず、湊に心を開いていく。
  • 伏見真木子(ふしみ まきこ): 小学校の校長。交通事故で孫を亡くした過去を持ち、保身のために保利先生を犠牲にする選択をしてしまう。しかし、湊と心を通わせる中で変化が現れ、最終的には二人を助ける重要な役割を担う。
  • 星川清高(ほしかわ きよたか): 依里の父親。依里を虐待する人物。

作品のテーマ

  • 「怪物」とは誰か: 映画を通して、観客は「怪物」とは一体誰なのかを考えさせられます。それは、見る人の視点によって変わり、簡単な答えはありません。登場人物それぞれの視点を通して「怪物」探しを辿ることで、この作品が持つ深いテーマが見えてくるでしょう。
  • 多様性と理解: によると、この映画はLGBTQに関するメッセージが込められており、多様性と理解の重要性を訴えかけています。
  • 真の幸せ: によると、この作品は真の幸せとは何かを問いかけています。作中では、世間一般の「幸せ」の定義に囚われずに、自分自身の幸せを見つけようとする登場人物たちの姿が描かれています。

象徴的なアイテム

  • 消しゴム: 湊が宿題中に落とした消しゴムを拾わないシーンや、教室の机をゴシゴシと消そうとする子どもなど、作中では消しゴムが何度も登場します。
    • 湊が消しゴムを拾おうとして固まってしまうシーンは、彼の内面における葛藤を象徴していると考えられます。
  • 作文: 湊と依里が書いた作文には、2人の名前を隠す仕掛けが施されています。
    • この仕掛けは、子供らしい秘密の共有のようにも見えますが、保利先生は2人が「本当は仲が良い」ということを示すサインだと解釈します。

注目ポイント

  • ミスリードを誘う仕掛け: この映画は、徐々に真相がわかっていくような構成になっており、様々な仕掛けがあります。中には、観客のミスリードを誘うようなものも含まれており、謎解きのような面白さを感じることができます。
  • 複数部構成: この作品は、是枝監督作品には珍しく、複数の人物の視点から物語が描かれる構成になっています。終盤に向かうにつれて、それぞれの視点が繋がっていくことで、「そういうことだったのか」と真相が明らかになっていくカタルシスを味わえます。

映画「怪物」は、観る人によって様々な解釈ができる作品です。登場人物たちの言動や関係性を丁寧に読み解き、作品に込められたメッセージを受け取ってください。

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