『デデデデ（デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション）』の映画版とアニメ版の比較、それぞれの結末の違い、原作との差異について。
デデデデは母艦襲来後の東京で、終わりゆく世界の中それでも青春を謳歌する少女たちの物語。
巨大宇宙船の出現という非日常が日常と化していく中で、少女たちの友情と成長を描くSF青春譚ですが、『デデデデ（デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション）』のアニメシリーズと映画はどんな違いがあるんでしょうか？
デデデデ（映画）wiki解説｜アニメ・原作の違いは？
「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」（以下「デデデデ」）は、映画版、アニメ版、そして原作漫画版でそれぞれ異なる結末を迎えます。
ここでは、それぞれのバージョンにおける結末の違いを中心に、原作との差異を詳しく説明します。
映画版
- 映画版は前後編2部構成で、後編のエンディングは原作者・浅野いにおが劇場用に描き下ろしたオリジナルストーリーとなっています。
- 映画版では、小山門出とおんたん（中川凰蘭）の関係を中心として物語が展開され、他のキャラクターはあまり描かれません。
- 映画版における最大の特徴は、大葉圭太が侵略者を阻止しようとする点です。原作では母艦の爆発を阻止できませんでしたが、映画版では大葉が母艦内部に侵入し、爆発の威力を弱めることに成功します。
- 結果として、東京は大きな被害を受けますが、おんたん、門出、大葉は生き残ります。原作では東京大爆発後の3人の生死は不明瞭です。
- 映画版では、原作で描かれた「8.32」と呼ばれるディストピア世界や、門出の父・ノブオがタイムリープする展開は描かれません。
- 映画版は、「地球がくそヤバい」というキャッチコピーの通り、終末感の強い作品となっています。
- 映画版は、原作よりも青春ドラマとしての側面が強調されており、大葉の活躍によりカタルシスが生まれています。
アニメ版
- アニメ版は全18話で構成され、映画版とは異なるラストを迎えます。
- アニメ版では、門出と凰蘭の16年後の世界が描かれます。これは原作漫画でも描かれた「もうひとつの世界線」であり、映画版ではカットされた部分です。
- アニメ版には、映画版では描かれなかった原作の人気シーンが多数収録されています。例えば、凰蘭の兄・ひろしとゆみんばのエピソードや、ジャーナリスト・ケイトのエピソード、ロボットのバトルシーンなどが挙げられます。
- アニメ版は、原作により忠実な内容となっており、映画版でカットされた部分を補完する役割も担っています。
原作漫画版
- 原作漫画版では、映画版、アニメ版とは異なる結末を迎えます。
- 原作では、東京大爆発後、門出の父・ノブオがタイムリープし、世界が滅亡しない時間軸を生み出します。
- この時間軸では、門出と凰蘭だけでなく、原作で死亡したキャラクターたちも生きています。
- 原作漫画版は、「複雑で単純な世界」という作者の言葉通り、様々なテーマが交錯する中で、最終的には「人同士の関係性」に焦点が当てられています。
- 原作では、大葉圭太は侵略者として描かれますが、マコトとの再会が印象的に描かれています。映画版では、大葉はおんたんと門出を救うために奔走し、人間らしい一面が強調されています。
デデデデ（映画）wiki解説｜あらすじストーリー
『デデデデ』は、突如東京上空に巨大な宇宙船「母艦」が出現した世界を舞台に、女子高生・小山門出とおんたんこと中川凰蘭を中心とした青春群像劇です。 母艦出現という非日常が日常と化していく中で、少女たちの友情、成長、そして世界の終焉が描かれます。
母艦出現と日常
物語は、母艦出現から3年後の東京から始まります。 母艦は攻撃こそしてきませんが、そこから発進する小型船が時折地上に降りてきては、自衛隊との戦闘が繰り広げられています。 人々は、いつ終わるとも知れない異常事態の中、どこか諦めにも似た気持ちで日常を過ごしています。
少女たちの日常と友情
小山門出は、担任の渡良瀬先生に片思いをしながら、親友のおんたんや他の友人たちと、ごく普通の高校生活を送っています。 おんたんは、ゲーム好きで妄想癖の強い少女ですが、門出とは強い友情で結ばれています。
過去のトラウマと侵略者の正体
しかし、平和な日常の裏側には、過去のトラウマや侵略者の謎が隠されています。 門出は、小学生時代に起きたある事件がきっかけで心に深い傷を負っており、おんたんは別の時間軸からタイムリープしてきたという秘密を抱えています。 また、侵略者と思われていた宇宙人は、実は地球の元住民であり、「地球を住める環境にするための人間」を家畜と見なしていることが明らかになります。
世界の終焉と葛藤
物語は後半、母艦の墜落という未曾有の危機を迎え、地球滅亡のカウントダウンが始まります。 おんたんはタイムリープの影響で世界を滅亡へと導いたことに苦悩し、門出は消極的な自分を変えるために奔走します。 そして、侵略者でありながら人間と心を通わせる大葉圭太は、母艦の墜落を阻止しようと葛藤します。
多層的なテーマ
『デデデデ』は、少女たちの友情、成長、世界の終焉、侵略者との共存、過去のトラウマなど、様々なテーマが複雑に絡み合った作品です。 また、原作、映画版、アニメ版でそれぞれ異なる結末が用意されており、多層的な展開を楽しむことができます。
「デデデデ」は、単なるSF作品ではなく、現代社会に対する風刺や、人間の本質に迫る深いメッセージが込められた作品と言えるでしょう。
デデデデ（映画）wiki解説｜見どころ
「デデデデ（デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション）」の映画は、原作漫画とは異なるエンディングや展開が特徴です。ここでは、映画版ならではの魅力を紹介します。
- 劇場版オリジナルエンディング: 映画版最大の見どころは、原作者・浅野いにお自身が描き下ろしたオリジナルエンディングです。原作漫画、アニメ版とは異なる結末を迎えるため、原作ファンも新鮮な気持ちで楽しめます。特に、映画版は「地球がくそヤバい」というキャッチコピーを反映した、終末感の強い作品に仕上がっています。
- 大葉圭太の活躍: 映画版では、大葉圭太の葛藤と活躍に焦点が当てられています。原作では侵略者として描かれる大葉ですが、映画版では人間らしい一面が強調され、母艦の爆発を最小限に食い止めるなど、物語に大きな影響を与えます。彼の決死の行動と、おんたんや門出との関係性の変化は、映画版ならではの面白さと言えるでしょう。
- 門出とおんたんの「絶対」の友情: 映画版では、小山門出とおんたんの関係がより深く描かれています。原作では様々な登場人物の視点から物語が展開されますが、映画版では門出とおんたんの友情を中心に物語が進行し、2人の絆の強さが際立っています。終末世界でも揺るがない2人の関係は、観客に感動を与えるでしょう。
- 構成と演出: 映画版では、原作の構成が大胆に変更されています。特に、おんたんの回想シーンが前章に配置されたことで、後編への期待感が高まります。また、でんぱ組.incの楽曲「あした地球がこなごなになっても」が重要なシーンで使用され、映像と音楽が融合した演出は、映画版ならではの魅力と言えるでしょう。
- アニメーションのクオリティ: 映画版は、作画、音響、音楽など、高いクオリティで制作されています。特に、侵略者の声は原作の表現を忠実に再現しており、作品の世界観をより深く理解することができます。
- 原作との比較: 映画版は原作とは異なる展開や結末を迎えるため、原作を読んだ人も楽しめる内容となっています。映画と原作を比較することで、「デデデデ」という作品をより多角的に理解することができます。
映画版「デデデデ」は、原作へのリスペクトを感じさせつつ、映画独自の面白さを追求した作品です。原作ファンも、初めて「デデデデ」に触れる人も、楽しめる作品と言えるでしょう。
まとめ：デデデデ（映画）wiki解説｜最後・結末ネタバレ！キャスト・登場人物
映画版、アニメ版、原作漫画版「デデデデ」は、それぞれ異なる結末とテーマを持っており、それぞれに魅力があります。映画版は、大葉の活躍によるカタルシスと終末感、アニメ版は原作への忠実さと映画版では描かれなかった部分の補完、原作漫画版は複雑なテーマと人同士の関係性への焦点が特徴です。
どのバージョンも、「デデデデ」という作品世界の奥深さを味わうことができるでしょう。
