データベーススペシャリスト試験は、情報処理推進機構(IPA)が主催する情報処理技術者試験の一区分で、データベースに関する高度な知識とスキルを評価する国家資格
2024年のデータベーススペシャリスト試験は下記のような日程・内容で行われました。
■データベーススペシャリスト試験の日程・時間
〇午前Ⅰ 試験時間 9:30~10:20(50分)
出題形式 多肢選択式(四肢択一)
出題数:30問
解答数:30問
〇午前Ⅱ 試験時間10:50~11:30(40分)
出題形式 多肢選択式(四肢択一)
出題数:25問
解答数:25問
〇午後Ⅰ 試験時間 12:30~14:00(90分)
出題形式 記述式
出題数:3問
解答数:2問
〇午後Ⅱ 試験時間 14:30~16:30(120分)
出題形式 記述式
出題数:2問
解答数:1問
データベーススペシャリスト試験解答速報2024
2024年のデータベーススペシャリスト試験は下記のような手段で解答速報を知ることができます。
twitterのハッシュタグ「#データベーススペシャリスト試験解答速報」
5ch
「資格の大原」と「LEC東京リーガルマインド」ではデータベーススペシャリスト試験の解答速報は発表していないようです。
twitterのハッシュタグでは他にも「#データベーススペシャリスト試験」や「#データベーススペシャリスト解答速報」で解答が続々と投稿されるし、5ch掲示版にも解答がドンドン投稿されていきます。
最終的に完成度の高い解答速報が出来上がるスピードで言えば、例年だと5ch掲示版が最も速くなります。
なお、独立行政法人情報処理推進機構のHPでも過去問として解答が後日掲載されます。
データベーススペシャリスト試験の合格率は?
- データベーススペシャリスト試験の合格率は高くなく、一般的に14%から18%の間で推移しています。
- これは情報処理技術者試験の中でも難易度の高い「高度試験」に分類されるためです。
- 参考までに、過去5年間の合格率は以下の通りです。
- 2019年度: 14.4%
- 2020年度: 15.8%
- 2021年度: 17.1%
- 2022年度: 17.6%
- 2023年度: 18.5%
- 情報処理技術者試験にはスキルレベルが設定されており、データベーススペシャリスト試験はレベル4と最も高いレベルに位置付けられています。レベルが高いほど合格率は低くなる傾向にあります。
- 例えば、レベル2の基本情報技術者試験の合格率は20~40%、レベル3の応用情報技術者試験は20~25%です。
データベーススペシャリスト試験の合格基準は?
- データベーススペシャリスト試験は、「午前Ⅰ」「午前Ⅱ」「午後Ⅰ」「午後Ⅱ」の4つの試験で構成されています。
- 全ての試験において、100点満点中60点以上を取得する必要があります。
- つまり、1つの試験でも60点未満であれば不合格となります。
補足
- 応用情報技術者試験に合格している場合は、午前Ⅰ試験が免除される場合があります。 この免除は2年間有効です。
データベーススペシャリスト試験の出題範囲・問題数
試験時間・出題形式・出題数(解答数)
試験は午前と午後に分かれており、それぞれ2つの試験があります。
- 午前Ⅰ試験:
- 試験時間: 9:30~10:20(50分)
- 出題形式: 多肢選択式(四肢択一)
- 出題数: 30問(全問解答)
- 応用情報技術者試験と同程度のレベル
- テクノロジ系17問、マネジメント系5問、ストラテジ系8問
- 過去問が大半を占めるため、過去問対策が有効
- 応用情報技術者試験や高度試験に合格している場合は免除される場合がある
- 午前Ⅱ試験:
- 試験時間: 10:50~11:30(40分)
- 出題形式: 多肢選択式(四肢択一)
- 出題数: 25問(全問解答)
- データベース分野が約70%、それ以外の分野が約30%出題される
- 以下の6分野で高度な知識が問われる傾向:
- コンピューター構成要素
- システム構成要素
- データベース
- セキュリティ
- システム開発技術
- ソフトウェア開発管理技術
- 過去問対策が有効
- 午後Ⅰ試験:
- 試験時間: 12:30~14:00(90分)
- 出題形式: 記述式
- 出題数: 3問(2問解答)
- 長文や記述式問題の比重が増える
- 以下の内容に関する問題が出題される:
- データベースシステムの企画・要件定義・開発
- データベースシステムの運用・保守
- データベース技術
- 問1: データベース設計
- 問2: データベースの実装と性能
- 問3: SQL
- データベース設計やSQLに関する問題は高確率で出題されるため、試験対策は入念に
- 実務経験に基づいた内容で出題されるため、データベースエンジニアとして働いていれば有利
- 午後Ⅱ試験:
- 試験時間: 14:30~16:30(120分)
- 出題形式: 記述式
- 出題数: 2問(1問解答)
- 10ページ以上の長文読解の記述式問題
- 出題意図を読み解きつつ、要点をまとめて文章に起こす力が必要
- 読解力だけでなく、相手に伝えるための文章力も必要
- 過去問の解答と照らし合わせながら、要点を絞った文章の書き方を練習することが有効
試験範囲
- データベースシステムの企画、要件定義、開発、運用、保守に関する知識とスキル
- データ資源管理、データモデリング、データベース管理システム、情報セキュリティに関する知識
- SQL、正規化、トランザクション処理、インデックス、ロックなどのデータベース技術に関する知識
- 各種業種におけるデータベースの活用方法に関する知識
データベーススペシャリスト試験の難易度,受験生感想まとめ
■データベーススペシャリスト試験の難易度について
データベーススペシャリスト試験は、難易度が高い試験として知られています。その理由は、合格率の低さ、試験範囲の広さ、実務経験に基づいた問題が出題されることなどが挙げられます。
1. 低い合格率
- データベーススペシャリスト試験の合格率は例年約15%と低く、情報処理技術者試験の中でも高難易度である「高度試験」に分類されます。
- 過去5年間の合格率は14%~18%で推移しており、スキルレベル2の基本情報技術者試験(合格率20~40%)、スキルレベル3の応用情報技術者試験(合格率20~25%)と比較しても、レベルが高くなるにつれて合格率は低くなる傾向にあります。
- 受験者の多くは2~6年の実務経験を持つ方がボリュームゾーンであり、応用情報技術者試験合格者も多いと想定されます。そのような受験者層の中で15%の合格率であることを考えると、難易度の高さが伺えます。
2. 広範な試験範囲
- 試験範囲はデータベースに関する広範な知識とスキルを網羅しており、午前試験ではIT全般の知識、午後試験ではデータベースシステムの企画・要件定義・開発・運用・保守、データ資源管理、データモデリング、データベース管理システム、情報セキュリティ、SQL、正規化、トランザクション処理、インデックス、ロックといった多岐にわたる分野からの出題があります。
- 特に、午後試験は長文形式の問題が多く、問題文を理解する読解力も求められます。
3. 実務経験に基づいた問題
- 午後試験では、技術者が実務で扱うような状況を想定した問題が出題される傾向があります。
- データベースの設計や運用の経験があれば有利になる問題が多く、「なぜ現場ではこのように考えるのか?」といった実務経験に基づいた深い理解が求められます。
4. 長時間におよぶ試験
- データベーススペシャリスト試験は1日で午前Ⅰ・Ⅱ、午後Ⅰ・Ⅱの4つの試験を受験する必要があり、長時間にわたる集中力と体力が必要です。
- 特に午後試験は、午前試験からの続きで昼食後に行われるため、集中力が途切れがちになる可能性があります。
5. 記述式問題の難しさ
- 午後Ⅰ・Ⅱ試験は記述式問題であるため、解答を論理的にまとめ、正確に記述する能力が必要です。
- 採点基準が明確でない部分もあるため、独学での対策が難しい側面もあります。
6. 最新技術への対応
- データベース技術は常に進化しており、試験範囲も最新技術に対応する必要があります。
- 最新技術に関する情報は、参考書だけでなく、専門サイトや論文などを参照する必要がある場合もあります。
データベーススペシャリスト試験は難易度が高い試験ですが、しっかりと対策を行えば合格することは可能です。計画的な学習と、過去問対策、実務経験の振り返りなどが重要になります。
データベーススペシャリストとは?
データベーススペシャリストは、企業の保有するビッグデータの管理・保守やデータシステムの開発を担うエンジニアです。高度情報化社会において、顧客管理やマーケティング調査など、ビッグデータの管理の重要性が高まっているため、データベーススペシャリストの役割は重要になっています。具体的な業務内容は、以下の3つに大別されます。
- データベースの企画・設計: クライアントの要望をヒアリングし、ニーズに合わせて最適なデータベースを企画・設計します。システム開発において、データベースの設計を担当する こともあります。
- データベースの管理: データが適切に管理されていなければ、必要なデータが取り出せなかったり、有効活用することができません。適切な保存領域を確保し、チューニングを行い、効率化や最適化を行います。情報システム全体のデータ資源を管理する こともあります。
- データベースの保守・運用: データベースへのアクセス権の設定やデータのバックアップなどを行います。稼働中のデータベースのセキュリティ対策も行います。データベースシステムに対する要求を分析し、効率性・信頼性・安全性を考慮した運用・保守を行います。
データベーススペシャリストは、データベースに関する高度な技術や能力が求められるため、業務範囲は多岐にわたります。目に見えないものを扱う仕事ですが、高度情報化社会において企業の業績を左右する重要な役割を担う、いわば縁の下の力持ちです。
データベーススペシャリストに期待される技術水準
- データベース技術の動向を広く見通し、目的に応じて適用可能な技術を選択できる。
- データ資源管理の目的と技法を理解し、データ部品の標準化、リポジトリシステムの企画・要件定義・開発・運用・保守ができる。
- データモデリング技法を理解し、利用者の要求に基づいてデータ分析を行い、正確な概念データモデルを作成できる。
- データベース管理システムの特性を理解し、情報セキュリティも考慮し、高品質なデータベースの企画・要件定義・開発・運用・保守ができる。