日付が入る苗字の由来・読み方について。
十一月二十九日
四月一日
八月一日
などは、日付であるとともに苗字にもなっていますが、その由来は意味は?
日付の苗字の由来・読み方wiki
日付や暦に関連した珍しい名字は数多く存在し、その多くは旧暦の年中行事や風習に由来しています。
衣替えに由来する名字
- 四月一日(わたぬき):旧暦の四月一日は衣替えの日で、冬に着ていた綿入りの着物から綿を抜くことから「わたぬき」という読み方が生まれたとされています。
- 四月朔日(わたぬき、つぼみ):「朔日」は月の第一日を表す言葉で、こちらも四月一日に綿を抜く風習から「わたぬき」と読まれます。北海道では、四月はまだ寒く、花が蕾のままであったことから「つぼみ」という読み方も生まれたそうです。
稲作に由来する名字
- 八月一日(ほずみ、はっさく、やぶみ、ほづみ):旧暦八月一日は稲の穂を摘み始める時期であることから、「穂積」を「ほずみ」と読むようになったとされています。「はっさく」は「八朔」の音読み、「やぶみ」はその転訛と考えられます。
- 八月朔日(ほずみ、ほうずみ、ほぞみ):こちらも八月一日に稲の穂を摘む風習に由来します。
その他、年中行事や風習に由来する名字
- 五月七日(つゆり):旧暦五月七日に行われる栗花落祭りに由来します。この祭りは、栗の花が落ちる頃に梅雨入りすることから、雨乞いの意味合いも持っていたそうです。
- 六月一日(うりはり、うりわり、くさか、さいぐさ、むりはり):瓜の実が割れる時期であることから、「瓜破(うりわり)」を「うりはり」と読むようになったとされています。「くさか」「さいぐさ」も六月一日と表記されますが、由来は不明です。
- 八月十五日(なかあき、あきなか):旧暦八月十五日は中秋の名月であり、「中秋」から「なかあき」「あきなか」といった読み方が生まれたと考えられます。
- 十二月一日(しわすだ):師走である十二月を「しわす」と読み、「しわすだ」という名字が生まれたとされています。
月齢に由来する名字
- 三日月(みかづき、みかけ):三日月の形から「みかづき」という読み方が生まれました。
- 十五夜(もちづき):満月である十五夜から、「望月(もちづき)」と読む名字が生まれました。
- 十七夜(かたし、かなき、かのう):十五夜の二晩後の月である十七夜に願い事をすると叶うという言い伝えから、「かなう」に近い読み方の名字が生まれたとされています。
これらの他にも、日付や暦に関連した珍しい名字はたくさん存在します。その由来や意味を知ることで、日本人の文化や歴史への理解を深めることができるのではないでしょうか。
幽霊名字
- 十一月二十九日(つめづめ)、八月十五日(なかあき):これらの名字は、実際に存在するかどうかは確認されておらず、「幽霊名字」と呼ばれています。
その他
- 多くの資料では、日付に関連する名字の由来を旧暦と結びつけて説明しています。
- 同じ漢字表記でも、地域によって読み方が異なる場合があります。
日付の苗字の由来・読み方wiki|十一月二十九日は?
「十一月二十九日」は、大変珍しい名字ですが、実際に存在するかどうかは確認されておらず、「幽霊名字」の一つとされています。
「十一月二十九日」の読み方と由来
- 読み方:一般的には「つめづめ」と読まれています。
- 由来:
- 「詰め」は「押し詰まる」という意味で、月末や年末を表す言葉として使われます。
- 十二月晦日を「ひづめ(日詰め)」と読むことからも、「つめづめ」という読み方が月末を表す意味合いを持っていると考えられます。
- しかし、十一月二十九日が特に何か特別な行事や風習と結びついているわけではなく、明確な由来は不明です。
- 一説には、室町時代の貴族の言葉遊びから生まれたという説もあります。
「十一月二十九日」に関する情報源
- 太田亮の「姓氏家系大辞典」に「ツメヅメ」という読み方だけが記載されていますが、詳しい出自は不明です。
- 森岡浩の「日本人の名字なるほど・オモシロ事典」では、室町時代の貴族の言葉遊びという説が紹介されていますが、出典は明記されていません。
- 「日用重宝記」という書物が、多くの幽霊名字の出典として挙げられています。
「十一月二十九日」という名字の現状
- 実際に「十一月二十九日」という名字を名乗る人がいるかどうかは確認されていません。
- 幽霊名字として広く知られるようになったため、創作物などで使われることはあります。
日付の苗字の由来・読み方wiki|四月一日は?
「四月一日」は、日本に実在する珍しい名字で、主に「わたぬき」と読みます。
「四月一日」の由来と意味
- この名字は、旧暦の四月一日に冬に着ていた綿入りの着物から綿を抜くという、昔の衣替えの風習に由来するとされています。
- 昔の人々は、冬の間、寒さをしのぐために綿入りの着物(綿入れ)を着ていました。そして、暖かくなる四月一日になると、着物から綿を抜き、袷(あわせ)と呼ばれる裏地付きの着物に着替えていました。
- この「綿を抜く」という行為から、「四月一日」を「わたぬき」と読むようになったと考えられます。
「四月一日」の読み方と表記
- 主な読み方:「わたぬき」
- その他の読み方:「つぼみ」、 「わたぬぎ」
- 別の表記:「四月朔日」
「四月一日」に関する補足情報
- 「四月朔日」は「四月一日」と同じ由来を持ち、「わたぬき」と読むことが多いですが、「つぼみ」と読む場合もあります。 北海道では、「四月朔日」を「つぼみ」と読む人がいるようです。 これは、北海道では四月になってもまだ寒く、花が蕾のままの状態であることが多いことに由来すると言われています。
- 「四月一日」は全国に約10人、「四月朔日」は約220人いるとされています。
- 「四月一日」は「綿貫」という名字の異形とも言われています。
日付の苗字の由来・読み方wiki|八月一日は?
「八月一日」は、実在する珍しい名字です。旧暦八月一日に行われていた稲作に関する風習に由来するとされています。
読み方と由来
- 主な読み方:「ほずみ」
- 旧暦八月一日は稲の穂を摘み始める時期であり、「穂積」を「ほずみ」と読むようになったとされています。
- 穂を摘んで神様に供え、台風シーズンである二百十日を無事に過ごせるように祈願する行事があった地域もあります。
- その他の読み方:「はっさく」「やぶみ」「ほづみ」「ほうずみ」「ほそみ」「ほそみち」「ほつむ」「もずみ」「やふみ」
- 「はっさく」は「八朔」の音読みから来ていると考えられます。
- その他の読み方は、「ほずみ」の転訛や地域による variations である可能性があります。
「八月一日」という名字の分布
- 群馬県に多く見られます。特に、吾妻郡吾妻町、北群馬郡吉岡町、高崎市、前橋市などに集中しています。
- 茨城県つくば市周辺にも多く見られます。
「八月朔日」との関係
- 「朔日」は月の第一日を表す言葉です。
- 「八月朔日」も「八月一日」と同様に、稲の穂を摘む風習に由来する名字です。
- 読み方は、「ほずみ」「ほうずみ」「ほぞみ」などがあります。
その他
- 「八月一日宮」という名字も存在し、「ほずみや」「ほずのみや」と読みます。 こちらも八月一日の行事に由来すると考えられています。
- 「八月十五日」という名字もあり、「なかあき」「あきなか」と読みます。これは中秋の名月に由来します。