貸金業務取扱主任者試験は過去問を分析し、合格ラインの推移を把握することで、目標とする正解数を設定し、効果的な学習計画を立てることができます。
合格ラインは年度によって変動するため、事前に予測することは困難ですが、2024年の貸金業務取扱主任者試験は下記のような日程・内容で行われました。
■貸金業務取扱主任者試験の日程・時間
2024年11月17日
貸金業務取扱主任者試験解答速報2024
貸金業務取扱主任者試験は、法律・法令に関する知識や経験があれば有利ですが、初学者でも十分合格を目指せる難易度です。試験範囲が広く、合格基準が変動するため、計画的な学習が重要となります。
2024年の貸金業務取扱主任者試験は下記のような手段で解答速報を知ることができます。
twitterのハッシュタグ「#貸金業務取扱主任者試験解答速報」
5ch
「資格の大原」や「LEC東京リーガルマインド」などでは貸金業務取扱主任者試験の解答速報は発表していないようです。
twitterのハッシュタグでは他にも「#貸金業務取扱主任者試験」や「#貸金業務取扱主任者解答速報」で解答が続々と投稿されるし、5ch掲示版にも解答がドンドン投稿されていきます。
最終的に完成度の高い解答速報が出来上がるスピードで言えば、例年だと5ch掲示版が最も速くなります。
貸金業務取扱主任者試験の合格ラインは？
貸金業務取扱主任者試験の合格ラインについて、詳しく説明します。
貸金業務取扱主任者試験の合格ライン
貸金業務取扱主任者試験の合格ラインは、明確に定められておらず、年度によって変動します。 過去12年の合格ラインの推移を見ると、27問～34問となっています。 合格ラインは合格発表時に明かされるため、試験前に断言することはできませんが、35問以上正解を目指すと合格の可能性が高まります。
過去問を利用する際の注意点
過去問で学習する際は、合格ラインの確認が重要です。 単に問題を解くだけでなく、その年度の合格ラインを把握することで、より効果的な学習ができます。
合格率について
- 試験開始当初 (2009年、第1回) の合格率は約70%でしたが、2010年以降は30%前後に落ち着いています。
- この合格率の急落は、試験難易度の上昇ではなく、受験者の経験値の差によるものと考えられています。
- 第1回試験では、法令順守のために、多くの企業で年長者 (40代以上) が受験していました。
- 2010年以降は、受験者の年齢層が下がり、経験値の低い受験者が増えたため、合格率が下がったと考えられます。
貸金業務取扱主任者試験の合格率は？
貸金業務取扱主任者試験の合格率は、時代背景や試験の難易度によって変動してきました。以下に詳しく説明します。
- 国家資格化以前は高合格率: 貸金業務取扱主任者資格は、当初民間資格として運営されていましたが、平成22年（2010年）に国家資格となりました。国家資格化以前の第1回?第4回の試験では、合格率が60％以上と非常に高かったのです。これは、制度開始当初、合格率が極端に低いと貸金業務取扱主任者を設置できない営業所が急増する恐れがあったため、必要な数を確保できるよう合格率が緩やかに設定されていたと考えられています。
- 国家資格化後は30％前後で推移: 国家資格化後の第5回（平成22年11月実施）以降は、合格率が30％前後に落ち着いています。
- この合格率の低下は、試験難易度の上昇というよりは、受験者の年齢層が下がったことによる経験値の差が影響したと考えられます。
- 国家資格化以前は、法令順守のため、猶予期間中に各社の年長者が多く受験していました。
- しかし、国家資格化後は、若年層の受験者が増加し、経験値の低い受験者が増えたため、合格率が下がったと考えられます。
- 合格基準点も年度によって変動: 合格ラインは明確に定まっておらず、年度によって変動します。過去12年の合格ラインは27問?34問で推移しており、35問以上の正解を目指すと合格の可能性が高まります。
- 試験の難易度自体は標準レベル: 他の国家資格と比較すると、貸金業務取扱主任者試験の難易度は標準レベル?やや低めと言われています。
- 宅地建物取引士試験と比較すると、合格率は約2倍、標準学習期間も短いため、貸金業務取扱主任者試験の方が合格しやすいと考えられています。
- 試験範囲は広範囲にわたりますが、法律関係の言い回しや専門用語に慣れてしまえば、独学でも十分合格が可能とされています。
- 年齢・性別による有利不利はなし: 令和5年（2023年）に行われた第18回試験では、合格者の平均年齢は38.9歳で、20代から40代の合格者が多いものの、50代以上の合格者も全体の2割弱を占めています。年齢別・性別ごとの合格率を見ても、大きな差はなく、どの年代・性別でも合格の可能性は同等と言えるでしょう。
上記の情報を踏まえ、貸金業務取扱主任者試験の合格率は、国家資格化以降30％前後で推移しており、難易度としては標準レベルと言えます。試験範囲は広範囲にわたりますが、計画的に学習を進めれば、十分合格を目指せる試験と言えるでしょう。
貸金業務取扱主任者試験の試験内容
貸金業務取扱主任者試験の内容は、大きく分けて4つの科目から出題されます。
- 1. 法及び関係法令に関すること
- この科目は、貸金業法、出資法、利息制限法など、貸金業に関する法律や法令についての知識を問います。
- 試験全体の半分から6割を占める、最も重要な科目です。
- 過去問を分析すると、目新しい問題はほとんど出題されていません。 テキストと過去問をしっかり学習すれば、高得点が狙える科目です。
- 2. 貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること
- この科目は、民法、商法、民事訴訟法、民事執行法、民事保全法、破産法、民事再生法、刑事法など、貸金業務に関連する幅広い法律や実務に関する知識を問います。
- 試験範囲が広く、受験者が苦手とする分野と言われています。 早めに対策を始めることが重要です。
- 令和4年度試験では、債務引受に関する問題が初めて出題されました。 試験範囲は広いため、過去問にない問題が出題される可能性もあります。
- 3. 資金需要者等の保護に関すること
- この科目は、個人情報保護法、消費者契約法、不当景品類及び不当表示防止法、経済法、貸金業法など、資金需要者（お金を借りる人）を保護するための法律や法令に関する知識を問います。
- 近年の法改正に関する問題が出題される傾向があります。 常に最新の情報を入手しておく必要があります。
- 過去問をしっかり学習しておけば、十分対応できる問題が多いです。
- 4. 財務及び会計に関すること
- この科目は、家計診断、財務会計など、貸金業務に必要な財務や会計に関する知識を問います。
- 企業会計原則、貸借対照表、損益計算書など、過去問でよく出題される項目を重点的に学習しましょう。
各科目の出題数の目安は、以下の通りです。
- 科目1：22問～28問
- 科目2：14問～18問
- 科目3： 4問～ 6問
- 科目4： 2問～ 4問
試験は50問のマークシート方式で、試験時間は120分です。 効率よく問題を解く練習も必要です。
過去の試験結果を見ると、合格点は年度によって異なりますが、概ね30問前後となっています。 35問以上の正解を目指すと、合格の可能性が高まります。
試験対策としては、テキストを繰り返し読み、過去問を解くことが有効です。 特に、出題数の多い科目1 (法及び関係法令に関すること) は、重点的に学習しましょう。
貸金業務取扱主任者試験の難易度,受験生感想まとめ
貸金業務取扱主任者試験の難易度は、他の国家資格と比較すると、標準レベル?やや低めとされています。弁護士のように資格がなければ仕事ができないというものではなく、実務経験を積んだ人がキャリアアップやコンプライアンス意識向上のために取得を目指すことが多い資格です。
試験範囲は広範囲にわたりますが、実際に業務で民法や貸金業法に触れている人にとっては比較的理解しやすい内容となっています。しかし、法律用語や貸金業特有の用語に慣れていない初学者の場合は、内容を理解するのに苦労する可能性があります。
試験の難易度を左右する要素
- 法律・法令に関する知識・経験の有無: 貸金業務取扱主任者試験では、法律や法令に関する問題が多く出題されます。そのため、法律や法令に精通している人や実務経験がある人にとっては、比較的容易に試験を突破できる可能性があります。一方、初学者にとっては、法律用語や独特の言い回しに慣れるまで時間がかかるため、難易度が高く感じるでしょう。
- 試験範囲の広さ: 貸金業務取扱主任者試験は、貸金業法、民法、消費者保護法など、幅広い分野から出題されます。そのため、試験範囲全体を網羅的に学習する必要があり、初学者にとっては負担が大きくなる可能性があります。
- 合格基準の変動: 貸金業務取扱主任者試験の合格基準は明確に定められておらず、年度によって変動します。過去12年の合格ラインを見ると27問?34問となっており、35問以上正解を目指すと合格の可能性が高まります。
他の資格との難易度比較
- 宅地建物取引士: 貸金業務取扱主任者とよく比較される資格に宅地建物取引士があります。宅地建物取引士は、合格率が貸金業務取扱主任者の約半分と低く、標準学習期間も長いため、難易度が高いと考えられます。
- 日商簿記2級: 日商簿記2級も貸金業務取扱主任者試験と比較されることが多いですが、日商簿記2級は絶対評価であるため、合格率は受験回によって大きく変動します。過去には8.6％という低い合格率を記録したこともあり、難易度としては貸金業務取扱主任者試験よりもやや難しいと考えられています。
- 2級FP技能士: 2級FP技能士は、学科試験と実技試験の両方に合格する必要がありますが、合格率は貸金業務取扱主任者試験よりも高く、難易度としては合格しやすいと考えられます。
貸金業務取扱主任者とは？
貸金業務取扱主任者とは、貸金業法に基づき、貸金業者の営業所や事務所ごとに設置が義務付けられている国家資格者です。 主な役割は、貸金業の従業員に対して、貸金業法をはじめとする関係法令を遵守し、業務を適正に実施するために必要な助言や指導を行うことです。 つまり、貸金業者におけるコンプライアンス責任者としての役割を担います。
背景と目的
貸金業務取扱主任者制度は、2000年代初頭に深刻化した違法金融業者による問題を受けて、貸金業界における法令遵守と消費者保護の必要性が高まったことを背景に創設されました。 2003年の貸金業法改正により創設され、2010年からは国家資格試験となりました。
貸金業務取扱主任者の仕事内容
- 貸金業に関する法令遵守の指導
- 貸金業の業務が適正に行われているか確認し、助言・指導を行う
具体的には、以下のような業務を行います。
- 営業所内で利用客に対する金利が不当な額になっていないか、請求方法が適切かなど、貸金業務にまつわる法令遵守を管理・監督する。
- 従業員に対して、貸金業法や関連法規に関する研修を実施する。
- 顧客からの苦情や相談に対応する。
- 関係当局への報告業務を行う。
資格取得のメリット
- キャリアアップ・昇進に有利: 貸金業務取扱主任者は、貸金業界で働く上で必須の資格となっており、管理職への昇進には特に重要視されます。
- 転職に有利: 貸金業務取扱主任者の資格を保有していれば、転職市場においても有利に働く可能性があります。 求人には、資格保有者を優遇する企業も多数見られます。
- 専門知識の習得: 貸金業法や関連法規、財務・会計など、専門的な知識を習得することができます。
資格取得は容易ではない
貸金業務取扱主任者試験は、国家資格であるため、容易に取得できる資格ではありません。
- 合格率は約30％: 近年の合格率は30％前後で推移しており、 3人に1人しか合格できない計算になります。
- 試験範囲は広範囲: 貸金業法をはじめとする法律や法令、財務・会計など、広範囲な知識が問われます。
- 法律用語への習熟が必要: 法律用語や貸金業特有の用語が多く、法律初学者にとっては理解が難しい内容です。
