WBCとプレミア12の違いについて。
両大会は、どちらも世界最高の野球チームが集まる国際大会ですが、開催時期、出場チーム、そして大会の目的などが大きく異なります。
それぞれの大会の特徴と歴史、そして日本代表「侍ジャパン」にとっての重要性について、詳しく説明しています。
世界野球ソフトボール連盟(WBSC)が主催する野球の国際大会「プレミア12」と、MLB(メジャーリーグベースボール機構)が主催する「WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)」の違いについて詳しく解説しています。
WBCとプレミア12の違いについて
WBCとプレミア12はどちらも野球の国際大会ですが、いくつかの重要な違いがあります。
- 主催団体:
- WBCは、アメリカのMLB(メジャーリーグベースボール機構)とMLB選手会が主催しています。
- プレミア12は、WBSC(世界野球ソフトボール連盟)が主催しています。
- 大会の目的:
- WBCの主な目的は、MLBのグローバル化と野球の魅力を世界に広めることです。
- プレミア12は、野球・ソフトボールの魅力を世界に広めることに加えて、ソフトボールの普及、野球・ソフトボールのオリンピック競技への復帰を目的としています。
- 参加資格:
- WBCは、前回大会出場国と予選を勝ち抜いた国、計20の国と地域が参加します。
- プレミア12は、WBSC世界ランキングによって出場国が決まり、上位12の国と地域が参加します。
- 開催時期:
- WBCは基本的に4年に1度春に開催されます。
- プレミア12は4年に1度秋に行われます。
- メジャーリーガーの参加:
- WBCはMLBが主催しているため、メジャーリーガーの参加率が高いです。
- プレミア12は開催時期がMLBシーズン終了直後であるため、メジャーリーガーの参加は少ない傾向にあります。
- 大会のレベル:
- WBCはメジャーリーガーが多く参加するため、競技レベルが非常に高いと言われています。
- プレミア12は参加国が世界ランキング上位12カ国に限定されているため、競技レベルも非常に高いです。
- 注目度:
- WBCはメジャーリーガーの参加やメディアの注目度も高く、国際的な注目度が非常に高い大会です。
- プレミア12はWBCほどの国際的な注目度はありませんが、アジアや中南米など野球が盛んな地域では大きな関心を集めています。
その他:
- プレミア12は、2027年の第4回大会から出場チーム数を16に拡大することが発表されています。
- WBCは、2026年大会から本選出場チーム数を20に拡大し、前回大会の1次ラウンドで4位以内に入った16チームが招待参加となり、残り4枠を予選で争う予定です。
日本代表(侍ジャパン)にとっての重要性:
侍ジャパンは、WBCとプレミア12の両大会で優勝経験があり、どちらの大会も非常に重要です。
- WBCでは、2006年と2009年に優勝しており、
- プレミア12では、2019年に優勝しています。
特にWBCは、メジャーリーガーが多く参加する大会であるため、世界一奪還を目指す侍ジャパンにとって重要な大会です。 プレミア12は、若手選手が多く出場する傾向があり、将来の侍ジャパンを担う選手たちにとって貴重な経験を積む場となっています。
WBCとプレミア12の違い|年齢制限は?
WBCとプレミア12には、年齢制限はありません。 これは、各国が自由に選手を選出できることを意味し、若手選手からベテラン選手まで、幅広い年齢層の選手が大会に出場することができます。
プレミア12には年齢制限がないと明記されているほか、WBCも同様に、年齢制限を設けていないことが過去の大会から確認できます。
これは、年齢制限のある他の大会、例えばアジアプロ野球チャンピオンシップとは異なり、各国のトッププレイヤーが最も適したメンバーを選ぶことができるという特徴と言えます。
つまり、WBCとプレミア12は、実力があれば年齢に関係なく代表として出場できる、まさに「世界一」を決める大会と言えるでしょう。
WBCとプレミア12の違い|メジャーリーガーは出れない?
WBCとプレミア12におけるメジャーリーガーの出場について、結論から言うと、WBCではメジャーリーガーが出場できますが、プレミア12では出場が難しいのが現状です。以下、詳しく説明します。
WBC (ワールド・ベースボール・クラシック)
WBCはMLB機構とMLB選手会が主催している大会であるため、メジャーリーガーの出場が認められています。 実際、過去大会では大谷翔平選手やダルビッシュ有選手など、多くのスーパースターが出場しています。 これは、WBCがMLBのグローバル化を目的の一つとしており、メジャーリーガーの出場が大会を盛り上げるために不可欠だからと考えられます。
プレミア12
プレミア12はWBSC(世界野球ソフトボール連盟)が主催しており、MLBの主催ではないため、メジャーリーガーの出場はWBCほど容易ではありません。 プレミア12は開催時期が11月で、MLBのシーズン終了直後であるため、選手の疲労や怪我のリスク、またワールドシリーズ出場などの影響で、メジャーリーガーは出場を辞退するケースが多いです。
さらに、プレミア12はMLBの公式大会ではないため、MLB球団が選手の出場を制限する可能性もあります。
過去のプレミア12では、メジャーリーガーの出場は限られており、出場したとしてもマイナーリーグ所属の選手や、シーズンオフのため調整不足の選手が多かったようです。
WBCについて
WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)は、世界野球ソフトボール連盟(WBSC)が承認し、メジャーリーグベースボール(MLB)とMLB選手会が主催する国際的な野球大会です。 優勝チームには、ワールド・ベースボール・クラシックのチャンピオンシップトロフィーが授与されます。 これは、WBSCプレミア12と並んでWBSCが承認した2つの主要なシニア野球トーナメントの1つですが、勝者に「世界チャンピオン」の称号を与えるのはWBCだけです。
■主催団体と目的
WBCはMLBとMLB選手会が主催しており、主にMLBの国際的な普及と市場拡大を目的としています。 一方、プレミア12はWBSCが主催し、野球・ソフトボールの魅力を世界に広め、オリンピック競技への復帰を目指しています。
■参加国数と選考方法
WBCは予選を含めて約30カ国が参加する大規模な大会で、予選を勝ち抜いたチームが本戦に進みます。 一方、プレミア12はWBSC世界ランキング上位12カ国のみが参加する招待制の大会です。
■開催時期とメジャーリーガーの参加
WBCは3月に開催され、プレミア12は11月に開催されます。 WBCはMLBのシーズン前に開催されるため、メジャーリーガーの参加率が高いのが特徴です。 一方、プレミア12はMLBシーズン終了直後に行われるため、メジャーリーガーの参加は難しい状況です。
■ルール
WBCとプレミア12では、いくつかのルールが異なります。 例えば、WBCでは投球制限が設けられていますが、プレミア12にはありません。 また、延長戦のルールやコールドゲームのルールも異なります。
■注目度
WBCはメジャーリーガーの参加やメディアの注目度も高く、国際的に非常に注目されています。 一方、プレミア12はWBCほどの国際的な注目度はありませんが、アジアや中南米など野球が盛んな地域では大きな関心を集めています。
■日本代表(侍ジャパン)にとっての重要性
日本代表(侍ジャパン)は、WBCで2006年、2009年、2023年に優勝し、プレミア12では2019年に優勝しています。 どちらも世界一を目指す侍ジャパンにとって重要な大会です。
プレミア12について
プレミア12は、国際野球ソフトボール連盟(WBSC)が主催する、世界ランキング上位12カ国・地域による野球の国際大会です。2015年に第1回大会が開催され、4年に一度、秋に開催されます。一方、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)は、メジャーリーグベースボール(MLB)機構とMLB選手会が主催する、世界最高峰の野球の国際大会です。こちらも4年に一度、春に開催されます。
一見すると、どちらも世界レベルの野球大会ですが、いくつかの重要な違いがあります。
1. 主催団体と大会の目的
- プレミア12: WBSCが主催し、その目的は野球・ソフトボールの魅力を世界に広めること、ソフトボールの普及、そして野球・ソフトボールのオリンピック競技復帰を促進することです。
- WBC: MLB機構とMLB選手会が主催し、その目的はMLBのグローバル化と野球の魅力を世界に広めることです。
2. 出場チームと選考方法
- プレミア12: WBSC世界ランキング上位12カ国・地域が出場します。 このランキングは、12歳以下から成人までの各世代の代表チームが国際大会で獲得したポイントに基づいて算出されます。 つまり、プレミア12は「国全体の野球力」を競う大会と言えるでしょう。
- WBC: 前回大会出場国と予選を勝ち抜いた国、計20の国と地域が参加します。 予選は地域ごとに開催され、本大会への出場権を争います。
3. メジャーリーガーの参加
- プレミア12: 開催時期がMLBシーズン終了直後であるため、メジャーリーガーの参加は難しい状況です。 疲労や怪我のリスク、またワールドシリーズ出場などの影響で、多くのメジャーリーガーはプレミア12への出場を見送ることが一般的です。
- WBC: MLBが主催しているため、メジャーリーガーの参加率が高いです。 世界最高峰の選手たちが国の威信をかけて戦う姿は、WBCの大きな魅力となっています。
4. 大会形式
- プレミア12: 第3回大会までは、オープニングラウンドで2つのグループに分かれて総当たり戦を行い、各グループ上位2チームがスーパーラウンドに進出します。スーパーラウンドでも総当たり戦を行い、上位2チームが決勝戦、下位2チームが3位決定戦に進みます。 第4回大会からは、出場チーム数が16に拡大され、試合形式も変更される予定です。
- WBC: 予選ラウンド、プールラウンド、そして決勝トーナメントという形式で行われます。 試合数はプレミア12よりも多く、より多くのチームにチャンスがあると言えるでしょう。
5. 注目度
- プレミア12: WBCほどの国際的な注目度はありませんが、アジアや中南米など野球が盛んな地域では大きな関心を集めています。 特に日本や韓国では、プレミア12の試合が大々的に報道されます。
- WBC: メジャーリーガーの参加やメディアの注目度も高く、世界的に非常に注目度の高い大会です。 アメリカやドミニカ共和国、プエルトリコなど野球が盛んな国では、WBCはオリンピック並みの国際イベントとして扱われています。
6. 日本代表(侍ジャパン)にとっての重要性
- プレミア12: 侍ジャパンは2019年の第2回大会で優勝しています。 若手選手が多く出場する傾向があり、将来の侍ジャパンを担う選手たちにとって貴重な経験を積む場となっています。
- WBC: 侍ジャパンは2006年と2009年の第1回、第2回大会で優勝しています。 世界一奪還を目指す侍ジャパンにとって、非常に重要な大会です。
まとめ:WBCとプレミア12の違い|年齢制限でメジャーリーガーは出れない?
WBCとプレミア12の違い
項目 | WBC | プレミア12 |
---|---|---|
主催団体 | MLB(メジャーリーグベースボール機構)、MLB選手会 | WBSC(世界野球ソフトボール連盟) |
目的 | MLBのグローバル化、野球の魅力を世界に広める | 野球・ソフトボールの魅力を世界に広める、ソフトボールの普及、野球・ソフトボールのオリンピック競技への復帰 |
参加国数・地域 | 20 (前回大会出場国と予選を勝ち抜いた国) | 12 (WBSC世界ランキング上位12) |
開催時期 | 春 | 秋 |
メジャーリーガーの参加 | 多い | 少ない |
大会形式 | 予選、プールラウンド、決勝トーナメント | オープニングラウンド(総当たり戦)、スーパーラウンド(総当たり戦)、決勝トーナメント |
注目度 | 世界的に高い | WBCほどではないが、アジアや中南米で高い |
日本代表(侍ジャパン)の成績 | 優勝3回(2006年、2009年、2023年) | 優勝1回(2019年) |
WBCはメジャーリーガーの出場を前提としていますが、プレミア12は開催時期や大会の性質上、メジャーリーガーの出場は難しい状況です。
ただし、WBSCはプレミア12を「プロ主体の大会」と位置付けており、将来的にはメジャーリーガーの参加が増える可能性も否定できません。
補足
- プレミア12は、WBC開催の中間年に開催されるように設計されています。
- プレミア12は、WBSC世界ランキングに基づいて出場国が決まるため、「国全体の野球力」を競う大会と言えます。
- プレミア12は、MLBの公式大会ではないため、MLB球団が選手の出場を制限する可能性があります。
- プレミア12は、将来的に16チームから28チーム程度に拡大する構想があります。